第49回ザ・ヤングサロン 「最新の認知症予防」の講演会を開催

2024年6月15日(土)多摩図書館2階セミナー室にて43名参加の下、第49回The Young Salonを開催。藤巻正樹さん(国分寺三田会会員)の紹介で、講師として社会福祉法人浴光会理事長髙木智匡氏 (国分寺病院)をお迎えし、首題をテーマにお話し頂きました。髙木智匡氏は、1994年杏林大学卒業後、同大学医学部第Ⅲ内科任期助手を経て 1995年社会福祉法人浴光会国分寺病院長、現在社会福祉法人浴光会理事長、一般社団法人国分寺市医師会会長、社会福祉法人国分寺市社会福祉協議会理事、国分寺市地区救急業務連絡協議会会長、公益財団フランスベッド・ホームケア財団理事。わかりやすい説明で理解を深めることができました。また、最後には認知症予防にもなるアンチエイジング体操を参加者全員で行い、質疑応答もありました。講演の概要は以下の通りです。

                       記

1.講演内容
①認知症とは
100歳以上の高齢者が全国に92,139人(2024.9)。ギネス記録では122歳(フランス)。ドイツの85歳の女性がAlzheimer医師のところに来院。アルツハイマーの言葉が広まる。
②加齢とは
生まれて成長・発達していく過程全て、特に成熟期を過ぎて中年期以降に出現する身体の変化
③老化現象として認められる症状
眼、耳、皮膚、口、消化器、肺、心臓と血管、泌尿器、内分泌と代謝、筋肉と骨・関節
④認知症の特徴
軽度認知症、アルツハイマー症、レビー小体型認知症。生活習慣病はドミノ状態にある。50歳と24歳の脳のMRI画像比較。アルツハイマー症のMRI特徴
⑤老齢期、認知症、うつ病の違い
⑥認知症の治療について
薬:ドネペジル、メマンチン、ガランタミン、リバスチクミン等
⑦レカネカブの効用について
⑧脳を元気にする
運動、食事総エネルギー量を抑えて腹8分目、野菜を多く摂取、魚を多く摂取、甘いものを控える。EPA、DHA
⑨動脈硬化・老化を防ぐ食べ方
咀嚼(よく噛んで食べる)。食物繊維質、タンパク質、脂質、炭水化物の順に食べる。
⑩健康長寿を実現させるホルモン
インスリン、セロトニン、βエンドルフィン、オキシトシン(幸せホルモン)
⑪認知症・老化の予防
節酒禁煙、標準体重/動物性食品、鶏豚魚を適量に/アルコールは1~2杯/考えをまとめる習慣/互いに褒め合いいい気分/幸せホルモン、スキンシップ/運動/朝日を浴びて腸内環境/運動、睡眠、腹七分目、おしゃれ心を忘れずに

2.認知症予防にもなるアンチエイジング体操   全員で体操を実施

【歴】第107回 歴史をひもとく会 歴史散歩 開催報告

三島への歴史散歩  

山中城、スカイウォーク、三嶋大社、柿田川へ!

雨に煙る山中城跡障子堀

雨に煙る山中城跡障子堀

5月28日(火)、歴史をひもとく会第107回例会「三島地区歴史散策(バスハイク)」を実施しました。生憎の雨模様、しかも昼過ぎからはかなりひどくなるという予報でしたが、途中傘を畳んでいる時間もかなりあり、覚悟していたほどの荒天ではありませんでした。
総勢34名、7時半に国分寺駅南口を出発、一路西へ、予定より早く三島の山中城跡に到着、山中城跡を1時間散策して日本最長の歩行者専用吊り橋三島スカイウォークを遊覧する組とスカイウォークには行かず、山中城跡を2時間じっくり巡る組に別れ、昼食の伊豆フルーツパークで合流しました。

雨の中を歩く

雨の中を歩く

霧も出てきました

霧も出てきました

 

 

 

 

 

 

山中城は、戦国末期の永禄年間に北条氏により小田原城の西の防御のため築城された山城で、山田川と来光川の源流に挟まれ、急峻な斜面に囲まれた標高580メートルの自然の要害の地に造られており、城の範囲は、東西500メートル、南北1,000メートルに及んでいます。城の特徴としては、平坦面の造成にこだわらない尾根を区切る「すりばち曲輪」、上から見ると障子や田畑の畝に見えることからそう呼ばれている「障子堀」「畝堀」などで、これらは北条氏の城独特の形であり、関東ローム層の滑りやすい土壌を見事に活かした造りとなっています。前日来の雨の影響で山中城跡には水たまりも多く出来ており、かなり足場の悪い所もありましたが、両組とも全員無事踏破しました。

一瞬見えた駿河湾

一瞬見えた駿河湾

さらに視界が広がりました

さらに視界が広がりました

また、雨のスカイウォークでは、残念ながら景色はほぼ何も見えませんでしたが、それでも一瞬雲が切れ、駿河湾を望むことが出来ました。

 

 

 

三嶋大社

三嶋大社

フルーツパークで昼食

フルーツパークで昼食

午後は源頼朝が崇敬し、源氏再興を祈願したという東海随一の神格の神社三嶋大社に参拝し、最後に静寂の中、東洋一の湧出量を誇る、国指定天然記念物の柿田川湧水群のきれいな湧き水を見学、17時半に無事国分寺に戻りました。

 

 

 

マリンブルーの柿田川湧水

マリンブルーの柿田川湧水

湧水から流れ出た柿田川

湧水から流れ出た柿田川

悪天候が幸いしたかもしれませんが、訪問先の混雑も、道中の渋滞もなく、土産を買う時間も含めてすべて予定通りの楽しいバスハイクになりました。会員のみなさんのご協力の賜物と感謝いたします。

 

 

 

 

三嶋大社にて

三嶋大社にて

【ゴ】第13回(復活第7回)国分寺稲門会・国分寺三田会懇親合同ゴルフ会

第13回(復活第7回)国分寺稲門会・三田会懇親合同ゴルフ会を5月29日(水)青梅ゴルフ倶楽部で開催いたしました。またプレイ終了後は同ゴルフ場のコンペルームにて表彰式を行いました。
開催日直前まで天気予報が気になっていましたが、幸い前日からの雨は夜半にはあがり天候は回復、青空が覗く天気となり昼頃には晴天となりました。新緑が映える中、心地よい風も適度に吹き、楽しくプレイしました。団体優勝は国分寺三田会、個人優勝は国分寺三田会の堤康人さん、ベストグロスは西中組は国分寺稲門会大橋さん、中東組は国分寺三田会岩下壽夫さんが獲得されました。
各パーティとも会話が弾み、表彰式もNP発表・個人戦順位発表・団体戦結果発表と盛り上がりました。

国分寺稲門会・三田会懇親合同ゴルフ会
・ 開催日   2024年(令和6年)5月29日 (水曜日)
・ 場 所   青梅ゴルフ倶楽部
・ 参加者   国分寺稲門会11名  国分寺三田会11名
・ 時 間   9:31スタート 西→中、中→東 各3組 (計6組)
・ 会 費   1000円(参加費・賞品代)
・ 競技方法  新ぺリア方式 個人戦・団体戦(参加者平均ストローク)
・ 個人成績 プレイ参加者 国分寺稲門会11名(全員ホールアウト)、国分寺三田会11名(全員ホールアウト)

優勝堤康人(三田会) 準優勝小川俊彦(三田会) 3位岩下壽夫(三田会) 4位大橋忠弘(稲門会)
5位吉和崇之(稲門会) 7位池田健次(稲門会) 10位松村英明(稲門会) 15位平林正明(三田会)
20位井上徹(三田会) BB横井義雄(稲門会)
BG:西中 大橋忠弘(稲門会)(88)、 中東 岩下壽夫(三田会)(89)

・ 団体成績 優勝  国分寺三田会

ゴルフ会 表彰式
・ 場所   青梅ゴルフ倶楽部 コンペルーム
・ 時間   15:40~
・ 会費   なし 各自精算にて
・ 参加人数  23名 (プレイ者22名、 国分寺三田会岩田)

スライド1

 

 

スライド2

 

【E】第134回Oh! Enkaの会を開催しました

1.日時   2024年5月18日(土) 14:00~16:30
2.会場   cocobunjiプラザ リオンホール(Aホール)
3.出席者  会員51名、ご家族・ご友人・関係者24名、演奏者関係者4名  計79名
4.プログラム
  ・塾歌斉唱
  ・第1部  「音楽の花束をあなたに」
     演奏者 進美沙子(メゾソプラノ)、小島常弘(テノール)、 米田嗣幸(バリトン)、西澤ことは(ピアノ)
  ・第2部  筑前琵琶演奏と吟詠
     演奏者 城戸旭濤(城戸義明)
  ・若き血斉唱

30度に迫る強い初夏の日差しの中、多くの会員・ご家族、国分寺稲門会の皆様、そして出演者の関係者にご来場いただき、リオンホールは盛況となりました。今回は演奏者を囲むように客席を馬蹄形にレイアウトし、演奏者とより親近感を感じられるコンサートになったのではないかと思います。
「今日は天候にも恵まれ、あたかも“Oh!Enkaの会晴れ”のようです」との力強い塩井世話役代表の第一声から会が始まりました。
平林正明会員指揮・西澤ことは氏のピアノ伴奏による塾歌斉唱の後、第1部はメゾソプラノ、テノール、バリトンソロ演奏です。「音楽の花束をあなたに」をテーマに、オペラのアリア、日本の歌、カンツォーネ等さまざまなジャンルから馴染みのある名曲が演奏され、年齢を感じさせない伸びやかで迫力のあるテノール、バリトンソロと、深い音色で魅惑的なメゾソプラノソロ演奏が会場を魅了しました。
  演奏曲と演奏者
    ①あわて床屋    作詞:北原白秋、作曲:山田耕筰、編作:岩河智子、歌:小島常弘
    ②小さな空     作詞・作曲:武満徹、歌:進美沙子
    ③さびしいかしの木 作詞:やなせたかし、作曲:木下牧子、歌:米田嗣幸
    ④Amazing Grace  作曲:ニュートン、歌:進美沙子
    ⑤昴        作詞・作曲:谷村新司、歌:米田嗣幸
    ⑥You raise me up 作詞:グラハム、作曲:R.ローランド、歌:小島常弘
    ⑦献呈       作曲:シュトラウス、歌:米田嗣幸
    ⑧セレナーデ    作曲:シューベルト、歌:小島常弘
    ⑨アヴェ・マリア  作曲:ゴメス、歌:進美沙子
    ⑩歌劇「カルメン」 作曲:ビゼー
              ●闘牛士の歌 歌:米田嗣幸 ●ハバネラ 歌:進美沙子 ●花の歌 歌:小島常弘
    ⑪最後の歌     作曲:P.トスティ-、歌:米田嗣幸
    ⑫忘れな草     作曲:クルティス、歌:進美沙子
    ⑬彼女に告げて   作曲:ファルボ、歌:小島常弘
    ⑭グラナダ     作曲:ララ、歌:小島常弘、進美沙子
  会場の大きな拍手に応えていただき、アンコール曲として「オー・ソレ・ミオ」が3人のソリストによって演奏
  されました。
第2部は筑前琵琶演奏と吟詠です。筑前琵琶の持つ独特の音色と余韻、そして日本人の心に深く訴えかけるような
詩吟の言葉に会場はまるで幽玄の平安時代にタイムスリップしたかのようでした。日本の伝統の美しさに触れ、
歴史に思いをはせることができた優雅な時間でした。
  演奏者:筑前琵琶橘流秀師範 詩吟朗詠錦城流宗範 城戸旭濤(城戸義明)
  演目
    ①祇園精舎
    ②衣川   1189年、陸奥国衣川において藤原泰衡が源義経を自害に追い込んだ戦いの様を謡った物語
    ③戦艦大和
最後は平林正明会員指揮・西澤ことは氏のピアノ伴奏による若き血の斉唱でお開きとなりました。

【進美沙子氏プロフィール、メゾソプラノ】
東京音楽大学声楽学科卒業。日本オペラ振興会オペラ歌手育成部第22期終了。これまでオペラでは「マルタ」ナンシー役、「泥棒とオールドミス」ミス・ピンカートン役、「コシ・ファン・トウッテ」ドラベッラ役、「フィガロの結婚」ケルビーノ役、「ランスへの旅」メリベーア侯爵夫人役、「蝶々夫人」スズキ役、ケイト役、「ウェルテル」シャルロッテ役、「カルメン」カルメン役、「アドリアーナ・ルクブルール」ブイヨン公爵夫人役等に出演。2011年夏、イタリア、トッレ・デル・ラーゴでのプッチーニフェスティバルにおいて「マダムバタフライ」スズキ役アンダースタディー及び芸者役で出演、好評を博す。その他「グローリア」アルトソロなど宗教曲のアルトソロを務めるほか各種コンサートに出演。国分寺市民生・児童委員協議会合唱団ル・リアン、女声合唱団クー指揮者。

【小島常幸氏プロフィール、テノール】
1942年生まれ、慶応義塾大学卒業。定年退職後、坂口卓也氏に師事し、声楽の勉強を本格的に開始。2006年日本演奏家コンクール入選、2006年、KOSMAアマチュア声学コンクール「金賞・奨励賞」受賞、2009年横浜国際音楽コンクールアマチュア声楽部門第二位(第一位なし)、2012年9月回ウィーンオペレッタコンクールアマチュア部門第一位受賞。2006年川口音楽リリアホールにて本場ウィーン・サロンオーケストラと共演、2009年CLAアンフィニ・スタジオオーケストラと共演。2009年中目黒GTプラザホールにて第1回ソロリサイタル開催。2011年3月テレビ朝日「題名のない音楽会」の新企画「第一回オーケストラ伴奏で歌ってみまSHOW」に応募し合格となり出演、演奏会場は初台の東京オペラシティコンサートホール、伴奏は東京フィルハーモニー交響楽団、2000人満席のお客様の中での演奏。2019年12月「喜寿記念コンサート」を大泉学園「ゆめりあホール」で開催、その他、「所沢三田会ファミリーコンサート」、「すいれんの会」他、各種コンサートに出演し好評を博している。

【米田嗣幸氏プロフィール、バリトン】
塾員(S41経)。慶應義塾ワグネル・ソサイエティ―男声合唱団OB。大学卒業後、会社勤務により暫く音楽から遠ざかっていたが、転勤先の地元合唱団に参加することで音楽活動を再開した。定年後、坂口卓也氏に師事して本格的に声楽に取り組む。2010年並びに2013年、小島常弘氏とジョイントコンサート開催。2022年脳梗塞で入院したが、病に負けないようにとコンクール挑戦を思い立ち、2023年日本演奏家協会コンクール声楽部門アマチュアの部で第1位入賞を果たした。

【西澤ことは氏プロフィール、ピアノ】
国立音楽大学ピアノ科卒。在学中より伴奏の研鑽を積み、卒業後、同大学にて歌曲演習演奏補助員や坂口声学塾にてレッスン伴奏を務める。坂口声学塾で小島常弘氏と出会い、多数のコンサートで共演、所沢三田会ファミリーコンサートも第1回より出演。現在、合唱団の伴奏やリトミック指導などの活動の場を広げている。Oh! Enka!の会に再び出演できますことを嬉しく感じています。

【城戸旭濤(城戸義明)氏プロフィール】
昭和16年(1941年)6月、水戸市に生まれる。茨城大学附属水城小中学校から水戸一高、慶応義塾大学(経済学部)へと進み、学生時代は、入学と同時に始めた詩吟と琵琶に熱中し、恩師、山元錦城(旭錦)師の供をして全国に普及活動を展開した。卒業後、家業の印刷業を継ぐべく帰水し、20代~30代は社長を務めながら青年会議所(JC)活動に熱を入れ、水戸JC25代理事長、茨城ブロック協議会会長等を歴任、40歳で卒業(青年会議所は、40歳が定年)その後、水戸商工会議所副会頭などを務めた。現在は、相談役。琵琶は、重要無形文化財である筑前琵琶橘流 秀師範(号、旭濤) 詩吟は、詩吟朗詠錦城流 宗範(号、城濤)として、全国組織である一般社団法人詩吟朗詠錦城会の会長を務めている。

Oh!Enkaの会世話役代表:塩井勝也(S41法)
世話役:髙橋伸一(S45法)、久保田宏(S46工)、坂田久美子(S46文)、池田敏夫(S47商)、芳賀  崇(S47経)、
    平林正明(S47経)、山田  健(S47経)、 井上  徹(S49政)、清水靖子(S49薬)、塚原正典(S54文)

次回(第135回Oh!Enkaの会)の予定
・日時:2024年7月21日(日) 14時~16時30分
・会場:cocobunjiプラザ リオンホール(Aホール)
・プログラム
  1.ピアノ演奏:山田玲子氏、ヴァイオリン演奏:佐藤祥子氏
  2.雅楽(龍笛、篳篥、笙)演奏 〆野護元氏、岡庭健氏、佐藤祐介氏

次々回(第136回Oh!Enkaの会)の予定
・日時:2024年10月5日(土) 午後
・会場:商協さくらホール(国立駅南口より徒歩3分)
・プログラム
  1.講演「塾歌の歌詞に込められた意味とは?(仮)」  慶応義塾大学常任理事、看護医療学部教授 山内慶太氏
  2.ワグネル・ソサィエティーOB合唱団による塾歌、カレッジソング演奏
                                                   以上

 

第6回 昼カフェ のご報告

5月20日14時から「第6回昼カフェ」を今回も「胡桃堂喫茶店」にて開催しました。参加者は13名。過去最多の参加者です。
今回もあっという間の100分でした。近況の話しでは、お嬢さんが大谷選手を見に今ロスに行っているや、麻雀をやりたいという理由で最近国分寺三田会に入会した人がいるという内容に「へぇーそれはいい!」と思いました。また、「ここだけの話」に大いに盛り上がったり、皆さんの引き出しの多さにいつも刺激を受けるといった感想も聞かれました。
私自身は「最近いいなぁ!」と思った話しをしました。内容は【PRESIDENT】に掲載されていた「自分をもっと好きになっていい小さな週間20」についてです。①朝起きたらヤッターのポーズ③歯ブラシを替えてみる⑤次の休みに行きたい場所を待ち受けに⑦眼球を休ませる⑨仮眠をとる⑫手のツボをマッサージ⑭セルフハグ⑰ボーとすると決めてボーとする 等等です。
特にその文章中に印象に残ったことは、⑨の「仮眠をとる」に関してです。この仮眠は「パワーナップ」とも呼ばれ「15~20分ほど目を閉じてうとうととする仮眠方法」のことで、能の疲れを取る効果は夜中の3時間の睡眠に匹敵する効果があるとのことです。
因みに参加者の中には全20項目中、18項目を既に実践している猛者がいたり、これを機会に新たに8項目を実践したいという前向きな方がいらして大いに刺激を貰いました。(笑)
昼カフェは、お茶やコーヒーを飲みながらたわいもない話しをしたり、何を話してもいい場です。互いのことを知り合ったり、個人的に関心のあることを紹介・質問したりして、距離が段々と近くなっていく場です。因みに先に紹介した小さな習慣20の中にも⑧良好な関係の人と話すのが効果的だと書いてありました。

次回は6月24日(月)14時から、「武蔵野茶房 国分寺店(マルイ5階)」で予定しています。 文責 廣瀬泰幸

【C】第35回 La Madre Cookingを開催しました

「簡単!春の煮物とごはん」

【美味しかった!]
最高気温が27℃に上昇して夏日となった5月17日(金)、我々生徒15名と講師の伊藤先生が国立駅北口の「ひかりプラザ」に朝10時集合して料理を実習しました。今年2月の「あたたまる根菜の汁物」、3・4月の「生パスタに挑戦」に続き、今回の料理実習のテーマは「簡単!春の煮物とごはん」。先生いわく「簡単です!」。
先生のご配慮もあり、実習はひとつの調理テーブルに生徒3人の少人数。参加者全員が調理に熱中できました。また、小林千晃さんが第17回の実習以来5年振りに元気なお姿を見せ、参加者から歓迎の拍手を受けていました。
実習が終わり散会する際、満足顔の田村さんがひと言「美味しかった!」。参加者の気持ちを端的に表していました。

【実習を支えたメンバー】
 今回の実習では、井上上さん、小林和憲さん、宮西さんが何軒ものスーパーを納得するまで駆けずり回って食材を調達。実習後は、石塚さんと廣瀬さんが、使用した調理器具等の状況を念入りにチェックして、次の利用者が実習室を気持ちよく利用できるように配慮しました。

【身体に優しい食材と献立】
 主な食材は、鶏のもも肉、ブロッコリー、ひじき、春もののカブ、いたってシンプルです。献立は、メインの鶏肉とブロッコリーの炒め煮、ひじきの煮物、カブの吸い物、カブのしょうが漬け、カブの菜めし(桜の花入り)です。カブは余すところなく使います。春が感じられるホッとする身体に優しい食材と献立です。

≪鶏肉とブロッコリーの炒め煮≫
 柔らかくジューシーな佐賀のブランド鶏‘ありたどり’の凝縮された旨味と‘野菜の王様’と呼ばれるブロッコリーの豊富な栄養素が、まろやかな味の煮汁と絶妙に溶け合い、食欲が大いにそそられました。
≪ひじきの煮物≫
 味が濃くしっかりした食感が味わえ、ボリューム感のある国産の‘長ひじき’を先生に購入していただきました。出汁、醤油、砂糖を調合した煮汁がひじきにしっかり染み込み、懐かしさを感じるやわらかな味でした。
≪カブの吸い物≫
 すりおろしたカブと片栗粉を混ぜ、団子状にして吸い物に仕立てました。すりおろしたカブは控えめな甘みがほんのり感じられました。すりおろしたカブのトロトロ感はクセになる食感です。

≪カブのしょうが漬け≫
 しょうがの風味がピリッと効いた、さわやかで歯触りの心地いい浅漬を作りました。箸休めにピッタリです。
≪カブの菜めし(桜の花入り)≫
 炊き上がったご飯にみじん切りにしたカブの茎と桜の塩漬けを混ぜ、ご飯を成型する木製の物相型(もっそうがた)で‘松・竹・梅’をかたどり、見た目も美しいカブの菜めしを作りました。カブの茎の緑と桜の塩漬けのピンクの彩りに上品な春の気配が感じられ、カブの茎の歯ごたえと桜の塩気に食欲が一層掻き立てられます。

【実習の様子】… 調理に先立つ説明2枚、菜めし作りの指導

【料理完成後の記念撮影】… テーブル毎の様子5枚、先生からの講評

 

(文責・写真 昭48沼野義樹)

 

 

【Y】第47回ザ・ヤングサロン 「ポスト蔡英文政権期を迎える台湾の国際関係」の講演会を開催

2024年4月21日(日)多摩図書館2階セミナー室にて42名参加の下、第47回The Young Salonを開催。法政大学法学部国際政治学科教授福田円氏(政策・メディア博士)を講師にお迎えし、首題をテーマにお話しいただきました。福田教授は2003年国際基督教大学教養学部国際関係学科卒で、2008年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科を単位取得退学、2011年に博士号を取得されています。講演の概要は以下の通りです。
                       記
1.台湾の総統・立法委員選挙
 (1)選挙結果とその意味
   投票率は71.86%と、戸籍地に戻らないと投票できないという制約の中で、前回より下がったとはいえ高い数
  字。総統選挙の得票率:民進党・頼清徳40.05%、国民党・候友宜33.49%、民衆党・柯文哲26.46%、立法委員
  選挙での獲得議席:国民党52、民進党51、民衆党8、その他2、 この結果から言えることは、
  ①民進党が3期続けて政権を継続するが、得票率が低く議会での単独過半数を失っていることから、民意や野党の
   プレッシャーが強く、弱い政府となる
  ②総統選で民進党が勝てたのは、今の蔡英文総裁の対外政策が評価されたことによる
  ③国民党は若者を中心とした民進党への批判票を受け止められず、得票率が漸減傾向にあり、これは党の対外政
   策と民意との間にギャップが生じているためと思われる
 (2)立法院新会期の布陣と現状
   議会では2月から新会期が始まっており、国民党は立法院長・副院長の両方の椅子を獲得、更に各種委員会の
  委員の半数と2名の招集人の内の1名を獲得して、今後発言権が増すと見られる。また、台湾は多くの国と外交関
  係が無くて議員外交に頼るところが多いが、韓国瑜新立法院長は今のところは無難にこなしている。
   一方で現在の民進党政権は、食の安全・中国大陸との往来回復・金門島周辺の事態などで野党の追及を受けて
  おり、頼清徳はかなり厳しい状況の中で新総統に就任することになる。

2.米中台関係への影響
 (1)「蔡英文路線」とはなにか
   蔡英文総統が8年掛けて形成してきた「蔡英文路線」が一番体系的な形で説明されたのが2年前の建国記念日
  における演説であった。その中の重要なエッセンスは二つあり、一つが「中華民国台湾」という考え方。台湾で
  は長らく自分達は中華民国なのか台湾なのかという論争があったが、蔡英文総統はこの論争を止めようと、両者
  の間に優劣をつけず中華民国台湾と呼ぶのが現状ではないかと述べた。
   この立場に立った二つ目のエッセンスが「四つの堅持」で、これは中華民国台湾が中国とどういう関係を持つ
  のかに関する原則を示したもの。この中で重要なことは、中華民国即ち台湾と中華人民共和国は互いに隷属して
  はいないということで、今後のことは台湾の人々の意思によって決めなければいけないということである。
  具体的な対外政策では堅実な外交を掲げ、外交関係保持国数とか国際機関加盟云々は問題視せず、実質的な関係
  を保有する国との関係を重視し、現実を受け入れて中国への刺激を避けるというのが蔡英文路線の特徴。
 (2)頼清徳の対外政策
   頼清徳は元々民主党内で将来を目されたエリートで台湾への思い入れが強く、中国は蔡英文より独立派と見做
  して警戒している。更にアメリカでも、中国を刺激する発言で緊張が高まることを懸念する声が出たことから、
  選挙戦ではこの懸念を払拭すべく蔡英文路線を継承すると言い続けた。その上で掲げた方針が「平和のための四
  大柱」で、これは①台湾の自衛能力の強化、②経済安全保障、③民主主義諸国とのパートナーシップ、④堅実で原
  則主義的な中国との関係、の四つで、最後に前提条件なしでの対話の可能性を排除しない、つまり台湾が中国の
  一部というような条件のないところでしか対話はできないと言っている。
 (3)中国との関係
   中国から見れば自分達の期待に反した候補者が総統に選ばれた訳だが、中国政府が目を付けたのが約40%とい
  う低い得票率で、残りの6割の民意は中国との対話を望んでおり、今後ともこの6割の人々に働きかけるとしてい
  る。選挙結果によっては中国が台湾海峡で大規模な軍事演習を行うのではないかとの心配もあったが、そのよう
  な行動には走らず、これまでの軍事威嚇や外交圧力、経済威圧を続ける一方で、台湾の民意に訴えるような柔ら
  かい政策も行っていくことを示している。
 (4)米国を通じた「台湾問題」の管理
   従来よりアメリカは台湾海峡の平和と安定への懸念を繰り返し中国側に伝えていたが、習近平主席は昨年11月
  の訪米時のバイデン大統領との会談で、2027年までに中国が台湾に侵攻するという話は聞いたことがなくそんな
  計画は承知していない、と述べたと伝えられている。また、その際にアメリカも台湾独立を支持しないことの保
  障を求めたが、バイデン大統領は断ったとも伝えられている。その後も政府高官の電話会談があり、アメリカ側
  は中国に武力行使をしない保障を求め、中国側は見返りにアメリカが台湾独立を支持しないことを求めるのがパ
  ターン化している。これは恐らく台湾の新政権に対する米中双方の不安感によるものであろうし、バイデン政権
  の間に台湾問題への基本的立場を確認しておきたいという双方の思惑があるものと考えられる。

3.日台関係の課題
 (1)国際環境の影響と経済社会関係
   日本にとってかつて台湾は自国が放棄した元植民地という背景があって、台湾を巡る国際政治の形で見た時に、
  それ程積極的には動けないところがあった。その中で1972年には中国と国交正常化をして、台湾に対する基本的
  立場は経済・文化交流のみとなった。以降、その時々の米中台の関係の中で、日本に許されていること、できるこ
  とをやり、米中台いずれともうまくやる方法を探ってきたというのが今までの向き合い方だった。
   しかし、頼清徳の基本方針を見ても、新政権下で中国との緊張はより高まることが予想され、米中間では台湾問
  題でお互い一線を超えないことを確認して関係安定化を図る意図が働き、アメリカが台湾独立に反対して中国政府
  を刺激しないようプレッシャーをかけるということが起きると、台湾の頼清徳政権の日本に対する期待が結構高ま
  るのではないか。ただ、日本から見ると、日本が単独で動くのはハードルが高い。元々、特に1970年代以降、台
  湾の日本に対する期待の方が大きく、日本が十分応えられていないのが現状で、そのギャップが更に広がってしま
  う可能性が高いと思われる。
 (2)二者間の関係=共通の課題への取り組み
   実は日本と台湾の間には共通の課題も多い。例えば中国の安全保障上の脅威だが、軍事安全保障以外の面でも米
  中競争のなかでアメリカの求める事への対応とか、中国との緊密な経済関係の中での経済関係と経済安全保障の両
  立とか、中国からのサイバー攻撃や世論工作への対応などがあり、中国関連以外でも少子高齢化や自然災害への対
  応も共通した課題である。こうした共通の課題に就いては、非政府間の経済・文化関係の枠組みの中で積み上げ方
  式の協力が進んでいる部分もあり、それを今の国際環境に合わせて更に発展させていける余地はあると思う。
   しかし政治的な決断が必要な部分、CPTPPへの台湾加盟とか安全保障対話のような部分はなかなか進んでいな
  い。2021年の日米首脳会談以降、アメリカと立ち位置を揃えて台湾海峡の平和と安定の問題を重要視して欲しい
  という要請に答える形で、日本側からもいろいろな協力の姿勢がみられるが、あくまでも非政府間の関係という枠
  組みを維持したものとなっている。
 (3)双方の内政要因=選挙の影響
   日本と台湾は非政府間の関係で、議員外交に頼るところが多く、属人的な部分が大きいので、選挙や政局の影響
  を受けやすく、今の様に双方の政治情勢が流動的な時期には関係が不安定化する側面がある。
   日本から見ると、台湾で5月20日に発足する新政権の閣僚人事や総統府・国家安全保障会議の人事が発表されて
  いない部分があり、しばらくは様子見の状況が続く。
   一方台湾では、近年の日台関係を推進してきたのは故安倍晋三元首相と考えられており、安倍氏が亡くなり、旧
  安倍派の主要議員が政治資金問題で動きがとれず、岸田政権も不安定で関係を構築し難く、今後誰が台湾との関係
  を推進してくれるのか非常に心配されている。更に最近は国民党が民進党に対して日本に妥協的過ぎると追及する
  場合が多く、議員外交が進めにくくなっている。

○質疑応答
 Q:バイデン政権のウクライナと台湾へのコミットメントの差はどこから生じると考えているか。
 A:アメリカ政府としては台湾有事の際の対応を曖昧にしておりフルコミットメントするとは言っていないが、ウク
  ライナへの関与とは大きく異なるのは事実。これは地政学的重要性が違うし経済的存在感も違うことによる。
 Q:現在東アジアをめぐる軍事バランスが大きく崩れており、綱渡り状態が続いていると思うがどうか。
 A:東アジア各国を個別に見れば軍事バランスは圧倒的に中国に傾いている。それがアメリカとの同盟関係で補わ
  れ、それなりのバランスは保たれているが、中国の軍事的行動を阻止できる程の圧倒的な軍事的優勢があるとい
  う状況ではない。ただ中国も今の戦力と軍の能力で台湾を攻略して占領する力があるのかと言うと、まだ分から
  ないのが現状だと思う。中国としてはこのまま時間を積み重ねていって、最終的に戦争によらずに台湾が自分の
  ところに戻ってくるのが一番理想的なシナリオと考えているのではないか。
 Q:台湾と外交関係を持つ国の減少は、中国の圧力だけでなく相手国の立場にもよるものではないか。
 A:外交関係の減少に関して、相手国によっては中国との経済関係が大事な場合もあれば周辺国と揃っていないと不
  便という場合もある。蔡英文政権の今の立場は、相手国の立場も考え中国とはあまり争わないこと。加えて今は経
  済状況が思わしくなく、外交関係保持にお金を使うのは内政状況からからも難しい。
 Q:台湾という国は、毛沢東に敗れた中国国民党の人々が逃れてきて、台湾の人達を圧政したもので、民主化以降急
  速に支持を失うと思ったが、党名も変えないままなぜ今回復できたのか。
 A:台湾の国民党は2000年の政権交代以降かつてのイメージを払拭して、台湾の人々の現状に寄り添った政党にな
  るよう努力を続けている。議会選挙でも、国民党は二世・三世議員が多いが、若い人達は海外留学経験があり、
  かつてと違いリベラルな政策を主張しているところもあり、名前は国民党だが中味は変わってきていて、台湾の
  人達もそれがわかってきている。
 Q:以前台湾のマスコミの殆どを国民党が押さえていて、だから強いと聞いたが、今でもそれが関係しているか。
 A:今はそれはない。政権がかわると国営メディアのトップも変わり、この8年で既存メディアの多くは民進党寄り
  と言われている。純粋に国民党の影響力だけが及んでいるメディアは一時期より相当減っていると思う。   
                                          (文責:小林一夫)

第5回 昼カフェ のご報告

 4月22日㈪14時から「第5回昼カフェ」を国分寺北口5分の「胡桃堂喫茶店」にて開催しました。参加者は9名。テーブルを2つにして5人と4人に分かれてお話し会をしました。
 外出するには少し肌寒い中でも胡桃堂はほぼ満席でしたから、お店の人気の度合いが推しはかられます。
 今回もあっという間の100分でした。話し合いの中で今回、僕はとんだおとぼけをかましたようです。ある女性がポップスが好きでmy四天王は「サザン、竹内まりや、ユーミン、米津元師」というお話をされ「竹内まりやのアルバムを30枚持ってまーす!」と。するとある方が「私は竹内まりやと一緒にアルバムに乗ってまーす!」とお話しされたところ僕が「それは凄い!。一緒に音楽アルバムの載ったんだ!!」と。ところがそのアルバムとは卒業アルバムのことで、僕以外の方々は皆、載ったのは卒業アルバムだと理解していたという一抹です。
 また、今回は最近入会された方に参加いただきましたので、他の分科会での体験談に花が咲き、その人なりのおすすめや、ここだけり話しを楽しく披露していただきました。
 昼カフェは、お茶やコーヒーを飲みながらたわいのない話しや関心を持っていること等、何を話してみもいい場ですから、参加者の方々のことを互いに知り、距離が段々と近くなっていくことがいいと思います。

次回は、5月20日㈪14時から。今回と同じく「胡桃堂喫茶店」で予定しています。
文責 廣瀬泰幸

 
 

【歩】第60回歩こう会「防衛省 市ヶ谷台ツアー」

今回は、現在も当時のまま保存されている旧陸軍省時代の「昭和の遺産」を見学しました。参加者は18名でしたが、これは大変厳しい防衛省の20名募集枠から獲得し実現したものです。

先ずは肌寒い「大本営地下壕跡」へ。一面鉄筋コンクリート打ちで、天井は配線が剝き出しとなっており使用当時の痕跡が至るところに残っています。総面積は1342㎡・高さ4mで大型爆弾に耐え得る厚い壁に囲まれており、ポツダム宣言受諾の御前会議結果を、阿南陸軍大臣が高級幹部へ説明した時に使用された場所でもあります。戦時の緊張感と恐ろしさを今なお感じました。

次いで極東国際軍事裁判(東京裁判)が実施された旧陸軍士官学校大講堂(現市ヶ谷記念館)へ。当軍事裁判は、先の戦争を指導した軍人・政治家を連合国が裁いたものです。丁寧に補修しながら保存され当時の姿を残しており、正に歴史の生き証人とも言うべき貴重な建物です。

また「旧陸軍大臣室(その後は総監室)」「旧便殿の間(陛下の休憩所)」を見学。総監室と隣室を繋いでいるドアには1970年三島由紀夫自害当時の刀傷が残っていました。

防衛省職員の判り易い説明を聞きながらのあっという間の2時間強でした。

見学後JR市ヶ谷駅中のイタリア料理店で、喉の渇きを癒すと共に美味しい料理を堪能しながら、感想を披露し合いましたが「平和の尊さと幸せ」を噛みしめる一日となりました。歩こう会に対する会員の皆様の要望をお聞きする良い機会にもなり、今後の企画に役立てたいと存じます。

 

 

【歴】第106回 歴史をひもとく会 開催報告

古代武蔵国の豪族たちと律令国家

第106回例会は3月17日(日)午後2時より多摩図書館セミナールームで、慶應義塾大学文学部准教授の十川陽一先生を講師に招き開催された。今回は一昨年第99回で講演頂いた「古代武蔵国のなりたち」の続編である。会員52名が出席する盛会となった。引き続き懇親会も先生を囲んで29人が参加して楽しく終始した。

 

講演会、 20240317- 046(3)

<< 講師プロフィール >>

十川 陽一氏  慶應義塾大学文学部 准教授
1980年生まれ
2003年(平成15年) 慶應義塾大学文学部史学系日本史学専攻卒業
2010年 博士(史学)
2019年~ 慶應義塾大学文学部准教授

<< 講演内容 >>

律令国家の地方支配は、国司と郡司によって遂行され、地方豪族を巻き込みながら地方末端まで行政機構と官人制を展開した。

第一部は「国司と郡司」。郡司たちの任命は、家柄要因が強く、適任者が無ければ能力に依り、その候補者の能力差が無ければ国造からの登用が行われた。また、地方豪族たちはなぜ律令制を受容するのかという豪族の思惑が実例を挙げて語られた。その他、位階が上がるとどのような特典が得られるか、豪族たちによる郡司になるための自己推薦や私穀献上等の中央への活動、郡司の構成や制度の変化についての内容も近年の研究の進展を織り込んで語られた。

第二部は「地方支配体制の形成と展開」。古代国造制から、国・郡・里としての地方支配体制への移行と、租庸調による税制の仕組み解説。その中で租は意外に重税ではなかったことや、庸調の詳しい解説も興味深いものであった。また、郡司層の蓄財、貨幣経済推進のための蓄銭叙位令により蓄財と位階との結びつきも見られたこと等。

第三部は「武蔵国分寺と豪族たち」。国分寺造営開始後の督促内容を「続日本紀」の実文を引いて語られ、これに対する造営遅延に付いても再三細かい指示が下った事の詳しい解説がなされた。

今講演に当たって、先生のご専門が律令官人制なのを踏まえて、可能ならば古代武蔵国における国司・郡司の関係と律令制の様な内容を織り込んで頂けると幸甚との希望をさせて頂いたところ、快く聞き入れて今回の演題にして下さっただけでなく、当会の生い立ちをも勘案して、国分寺造営の開始から遅延や苦難まで織り込んでお話し下さった事を、先生への感謝を込めて記します。

 

講演会、 2023-09-23 028

講演会、 2023-09-23 040

講演会、 2023-09-23 036
講演会、 2023-09-23 060