【Y】第25回The Young Salonの会ご報告

【テーマ:乱世に生きる】

7月20日、新現役ネットの会主催のフォーラム「五百旗頭真氏を迎えて」、「テーマ:乱世を生きる」に参加しました。会場は東京都中央区日本橋の東京証券会館ホール、The Young Salonの会からは6名の皆様に参加頂きました。

当フォーラムは主催者側理事長岡本行夫氏による導入講演、五百旗頭真氏講演(乱世を生きる)、最後に両氏の対談と言う形で実施されました。

五百旗頭真氏によれば、現在の乱世は室町時代にとめどなく続いた「応仁の乱」に劣らぬ乱世であると評しています。この乱をもたらした要因は何か、いつまで続くのか、わが国はこの乱世を如何に生きていけば良いのか等、実に興味深く有意義なフォーラムでありました。

【Y】第24回ヤングサロンの会を開催しました

【テーマ:地方自治~現場の苦悩と喜び~】

 5月21日(日)、前国分寺市長、星野信夫さんを講師にお迎えし講演会を開催しました。開催場所も、星野さんにとっては市長時代に誘致を決めた思い出のある都立多摩図書館。天井も高く好環境の中で熱のこもった素晴らしい講演会でした。
講師は2001年に第5代国分寺市長に初当選され、以来2013年に退任されるまで、3期12年間の長期に亘り務められてこられました。まちづくりの理念として「共生、参加、創造」を、またスローガンとして「改革断行」を掲げて市政を担当してこられました。この間、「職員に支えられ市民に応援され市政を務められたと思う」と冒頭で述べられた感想が印象的でした。以下、就任当時の状況および大型事業への取り組みに的を絞り報告します。

 記

市政を振り返り:
最初の仕事は地域に相応しい「都立武蔵国分寺公園」の命名であった。最初の難題となったのが西国分寺駅東地区の再開発事業である。この案件は西国分寺駅近くに市民文化会館を建設する事業であったが、建設の是非を巡って議論の末住民投票が実施され、結果僅かに反対が賛成を上回り、幾多の経過を経て市民文化会館建設計画は廃止され、民間のスポーツクラブが建設される事に変更された。
市政に関して:
市長は市民から直接選挙で選ばれるので大きな権限を持ち、様々な案件の提案権を持っているが、あくまで決定権は議会にある。また国分寺市政は初代より保守、革新の市長が毎回入れ代わり、長期開発案件を遂行するには困難が伴う状況にあった。加えて国分寺市は府中市や小平市等と異なり、大規模事業所がなく市の歳入は個人市民税が中心である事から、大きな開発案件の遂行は財政的に困難な下地がある。一方、国分寺市の人口は市設立の当初5万6千人であったものが、高度成長期の波に乗り都内からの移動も多く人口が急激に増加し、現在は3倍の12万人に達している。こうした人口増加により下水道の整備・学校建設・ごみ処理施設の整備が急がれた。下水道の整備等では多額な借金を余儀なくされたが、バブルの崩壊と共に経済環境が悪化した為、多額の借入金返済に追われ、開発案件の計画・遂行上大きな障害となった状況がある。バブル崩壊後の失われた20年は国・地方の財政を著しく悪化させたが、実にその内の12年間が星野市政の期間でもあった。更に急速な少子高齢化が進み社会保障費が増大した時期にも重なっている。
国分寺駅北口再開発事業では:
1965年初代市長の代に最初の計画が掲げられたが、反対が多く長期に亘り進展がなかった。その間「開発よりも福祉優先」等の声が大きく挙がっていたが、星野市長は当再開発事業を継承し進める事とした。事業を進める上で大きな問題は地域に187名もの多くの権利者がおり、権利調整が難航した事であるが、その上2001年から始まったITバブルの崩壊が税収の大幅低下を招いた事が追い打ちをかける事となった。
一方、下水道の整備は開発工事と同時に着手すべきとの考え方から、駅周辺の下水道 が未整備状態にあり、一刻も早く開発工事を進める必要に迫られていた。更に万一開発を止める様な事になれば、損害賠償の問題等も発生する恐れがある為、事業の中断は許されず、如何に計画変更で難局を乗り越えられるかに焦点が絞られた。解決案として出されたのが、建物の建設場所を駅の近くに移し、建物の価値を高める事により商業床の販売収益を増加させ、以て開発費用の確保をする事であった。これにて一件落着と思いきや、またもやリーマンショックにより商業床が売れない事態が発生した。この問題については、「建物のスリム化と高層化」、且つ「商業床の多くを住宅床に変更」する事で開発事業は成功する目途が立った。市の想定を大幅に上回る額で落札され、建物除却の予算をつけてバトンタッチした。
ごみ処理の問題では:
複数の自治体で焼却炉を持つ場合は東京都から補助金が出る事や、大きな焼却炉設置による経済性、環境整備、自家発電設備保有等の利点がある事から平成16年、小金井市からの依頼により国分寺市と共同でゴミ処理する為の協議を開始した。
小金井市からは平成20年3月までに二枚橋近くにゴミ焼却場用地を確保する旨、またそれまでの間、小金井市のゴミを国分寺で処理願いたいとの申し出であった。しかし用地確定が出来ず問題が発生した。最終的に日野市長の決断により、国分寺及び小金井両市のゴミを受け入れる事で決着する事になった。当時日野市長はこの決断により逆に住民からの批判を招く事にもなったが、正しく日野市長の英断により難局が解決された次第である。
尚、日野市及び小金井市はゴミの減量化で現在全国一の優良自治体と言われているが、国分寺市は未だその域に至っていない。
都市計画道路整備について:
国分寺駅から北に登り、本多公民館の辺りで交わる道路が3・4・6号線(東西道路、日立中央研究所北川の道路)であるが、この道路は日本で一番時間がかかっている都市計画道路と言われている。新しい計画で道路が鉄道と交差する場合、立体交差とすべき事が道路法で定められている。この道路は西武線2本と交わるが、道路立体化には多額の費用がかかる為、都とも相談しながら進めているが、今後に残された課題もある。
都道3・2・8号線(南北道路、新府中街道)は中央線・西武線交差部分以外平面交差に改め計画推進中。この道路では小平市での反対運動は住民投票迄実行されたが、一応の決着を見ている。
講演出席者の質問に応え下記発言された事が印象に残っている:
大学は慶應義塾の経済学部、加藤寛ゼミで経済政策を勉強した。強く印象に残っている先生の言葉は、「マルクスは間違っていた。しかし、政策を論ずる者はマルクスの社会を変えて行こうとする社会的情熱に学ばなければならない」という言葉であった。
講演会後:
西国分寺駅近くの居酒屋に20名が集まり、大いに盛り上がった一日でした。

【Y】第23回The Young Salonの会を報告します

【テーマ:ラテンアメリカから日本を考える】

3月25日(土)、ラテンアメリカ協会の専務理事、工藤章氏をお迎えしての講演会を実施し、31名の多くの皆様に参加頂きました。中南米諸国で構成するラテンアメリカは6億人を超える大きな市場であると共に同地域には200万人を超える日系人ネットワークがあります。
食料資源も鉱物資源も豊かなこの地域は、わが国にとりこれまで少し遠い世界と考えられてきましたが、親日的な地域であり、近年日本企業の進出も目覚ましく、今後共大切な存在として協力関係を発展させていく為、ラテンアメリカ協会がは動を続けているという事です。
講師は商社マンとして同地域に通算22年の長期に亘り駐在されたご経験から、地域の政治・経済・文化・社会状況をいくつかのキーワード(註)を基に様々な角度から解説され、私達は書物等からは中々得られない貴重な生の姿・情報を得る事が出来ました。今後共絶えず激動を続ける世界にあって、共に発展する国際社会のパートナーとして同地域との関係を強化して行く事が大切と考えます。
(註)単一民族、民主主義、女性の活躍、地域統合、食糧、企業のグローバル化、日本の海外依存、日系人、外交、日本の海外援助、世界平和、豊かさとは

【Y】ヤングサロンの会で拓殖大学の公開シンポジウムに参加しました

【テーマ:BRICsは輝きを取り戻せるか】

12月3日(土)、拓殖大学国際フォーラム第2回公開シンポジウム『テーマ:BRICsは輝きを取り戻せるか~拍・露・印・中、その現状と展望』が開催され、ヤングサロンの会より7名の皆様に参加頂きました。開催地は国分寺から少し離れた拓殖大学文京キャンパス(文京区茗荷谷)、東京メトロ・丸の内線の茗荷谷駅から歩いて4~5分の距離です。

シンポジウムは前段でBRICs各国を専門とする4名の教授陣から、夫々の国の特性・現状・問題点等が紹介された後、後段に渡辺利夫学事顧問(前拓大総長)の司会でパネルディスカッションに入りました。BRICs諸国の将来を占う上でどの様な要因(下記)が鍵となるのか、どの様な成長が期待出来るのか、様々な視点から活発な意見が交わされました。久しぶりに高度に専門的な経済シンポジウムをわくわくしながら聴取した一日でした。

  1. 「経済の発展経路理論」
    英国の産業革命から始まった先進国の技術・資本が次々と後発国に伝播されBRICS諸国はその利益を享受し今後発展が期待されるとする理論。
  2. 「経済のパターン(サイズ)論」
    人口が少ない程、対外経済の接触の度合い(GDPに占める輸出入・直接投資の割合)が高くなるという理論。この理論に従えば大国であるBRICS諸国は接触度が低くなる筈であるが、現状で中国が高い位置にあるのは何故か。
  3. 「技術革新論」
    「技術革新」により生み出された技術はその後標準化され、後発の事業者が技術を使用し、商品が製造・販売されるが、利益の大部分は長期に亘り当初技術開発者に帰属し、後の製造業者の手元には余り残らないとする理論。この理論ではBRICs諸国は多くを期待出来ない。
  4. 「人口ボーナス論(中進国の罠論)」
    労働人口(15歳~65歳未満)の増加率が65歳以上の労働者の増加率を上回る時期は人口ボーナス期と考えられ、成長率が高まるので、後発国の発展に有利と考えられるが、他方で人材、職場、金融インフラ等の整いがなければボーナスが使えないとする理論。
  5. その他、そもそもBRICS諸国を一つの対象と考える事自体が適切かとする議論等。

【Y】The Young Salonの会第22回ご報告

【テーマ:これからの世界情勢と新現役世代】

今回のヤングサロンの会は、2016年11月29日(火)新現役ネット主催の『新現役フォーラムテーマ:<これからの世界情勢と新現役世代>』に参加する形で実施しました。開催時間が夜間で会場が千代田区の星陵会館とやや遠方でしたが、9名の皆様に参加頂きました。司会はフジテレビアナウンサーの佐々木恭子氏、講師は外交評論家の岡本行夫氏並びに三菱商事元会長の小島順彦氏が担当されました。講演の概要を下記の通りご報告します。

  1. 岡本行夫氏講演
    日本を取り巻く国際情勢と日本の安全保障について講演を頂いた。米国の国立公園イエローストーン・グランドティートンの広大な自然の姿が映し出され、1998年の火事で森林の3分の1が消失したとの紹介があった。米国では落雷等自然発火による山火事等には消火対応せず、自然消火後の回復を待つ由で、結果半年近く燃え続けたが、20年後には以前にも増して豊かな森林が復活したとの事である。宇宙計画ではチャレンジャー号の爆発事故にめげず、またアポロ13号の本船事故で宇宙飛行士が月面探査用の補助艇に緊急避難する危機を迎えた際も、最後まであらゆる可能性を追求し、遂にこの計画を成功に導いた。事故・失敗にひるまず、その後も更なる宇宙計画達成に邁進する米国人の姿に改めてその逞しさに感心すると語っておられた。続いてICBMの発射施設が映像で紹介され、発射指令室出口には大きなポスターに『今日だけは発射ボタンを押させないでくれ』と掲げられているとの事であった。攻撃をすれば必ず相手から報復されるとする認識、今日・自分に引き金を引かせないでくれという緊張感、ここに抑止の本質があると説いておられた。日本の安全保障についても、日本を攻撃すれば自らが滅びるというPerception(認識)そのものが抑止なのだと強調されていた。
  2. 小島順彦氏講演
    <トビタテ!留学JAPAN>の紹介があった。私達の孫世代がグローバル人材に育つ為には3つの「C」が必要である。
    ①Curiosity:世の変化に常に関心を持つ
    ②Challenge:その変化に果敢に挑戦する
    ③Communication*:挑戦に際しては他者を巻き込んで行く。
    *縦(世代)と横(組織・企業・国境)を越えてのコミュニケーション
    現在米国への国際留学生数は約97万人、その内中国からが1位で30万人、日本は6番目の2万人であると言う。1998年には日本からの留学生は5万人で1位であったが、現状は数も激減し、且つ質も低下している様である。原因として(1)親の過保護や(2)留学すると良い大学、良い会社に入れないのではないかという不安が考えられる。留学には相当費用がかかる事も確かである。中国や韓国で留学費用の半分以上を国が補助している事も両国の留学生数が多い要因であろう。この対策の為、現在多数の企業・団体から寄付を募り留学生を増やすべく取り組んでいる。この支援により現在、約1,000人の留学が実現しており、更に2020年までにはこの数を2,000人に増加させたい。今回のフォーラムに参加して頂いた皆様のお孫さんの中に多くの留学生対象がおられるかと思うが、皆様方、社会人の教育が大切であると思っている。可愛い孫には旅をさせ、グローバル人材育成の為、是非ご協力をお願いしたい。

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【Y】ヤングサロンの会第21回を開催しました

【テーマ:インドと日本(経済)】

 10月1日(土)、The Young Salonの第21回講演会を、拓殖大学教授の小島眞博士を講師にお迎えし、「インド経済と日本」というテーマで開催しました。会場は32人の参加者で熱気に包まれ、満員御礼の状況にありました。記憶に残る講演内容の一端を下記の通り紹介します。

  1. インド経済の特徴
    モディ政権下のインドは「強いインド」を進め、グローバル化への対応にも積極的で2015年には中国を上回る7.6%のGDPを記録した。今後高レベルの経済成長の実現が展望できる。
  2. インドvs中国
    19世紀の初め頃まではインド・中国が世界の中で圧倒的な経済規模を誇っていたが、その後欧米に追い越され、そしてまた21世紀に中国がグローバル・プレーヤーとして、次いでインドが加わって行く歴史の大きなうねりが予想されている。中国は共産党一党支配の下で「世界工場」として躍進、インドは民主主義の体制を堅持し、サービス主導型の成長を示してきた違いがある。両国間で懸念事項はあるが、ここ10数年経済関係は拡大し、現在中国はインド最大の貿易相手国である。
  3. カースト制度の経済発展への影響
    都市化や工業化が進行する中で、カースト制度の影響力は薄まってきているが、依然として社会全般のあり方を大きく規定している。
  4. インドの財閥系企業
    老舗のタタ財閥は数ある有力財閥の中でも異彩を放つ存在であり、グローバル事業の拡大や企業の社会的責任(CSR)の面でも際だっている。
  5. 日本企業の対印進出状況
    インドはわが国の投資先として強い期待がある。他方インフラが未整備である事や、法制面、徴税システム面等で投資環境が厳しい状況にある事は否めない。
  6. 日印関係拡大への期待と課題
    日印関係は経済面のみならず、安全保障も含めた戦略パートナーシップの関係に進展しており、両国首脳が1年おきに相手国を訪問し合う関係国はわが国にとってインドのみである。 またインドはわが国の最大のODA供与先である。「インフラ整備や製造業振興の面で課題を抱えるインド」と、「少子高齢化の問題を抱えるわが国にとり、インドは生産拠点とマーケットの提供」という経済補完性の面からも重要な相手国と言える。

講演会終了後は居酒屋で懇親会を行いましたが、19人の多くの参加者があり、大いに盛り上がり楽しい一日となりました。

 

【Y】第20回ヤングサロンの会を開催しました

7月25日、「歩こう会」との共催で第20回ヤングサロンの会を開催しました。
計21人の参加者が集まり、江の島で新鮮なシラス料理を味わった後、江の島神社をお参りしました。江の島は東京の近くにありますが、中々訪れる機会も少ない様で何十年振りの訪問という方もおられました。江の島の後は㈱タツノ工場見学が控えている為、ビール抜きの昼食となりましたが、ここはぐっと堪えて我慢。
㈱タツノは1911年5月に設立した100年を超える老舗、従業員も1000人を超える日本有数の石油関連機器製造会社で、ガソリン計量機のシェアでは国内で約60%を越えます。今回当三田会会員の古屋さんの紹介により見学会が実現したものです。
同社では社長に最初のご挨拶を頂いた後、広報担当の方に同社の歴史・事業内容についての説明を頂き、続いて工場見学を行いました。ショールームに陳列されていたレトロな給油機(第2号機)は日本の機械遺産に指定されているとの事です。
地下タンクコーナーでは、プロジェクションマッピングが大きな2万リットルのタンクに投影され、ガソリンタンクの構造を解説頂きました。ロボットアームが器用に油量計の心臓部を製造している姿も見学できました。当工場は建屋内外共整然としており、歴史ある製造会社の様子が窺えました。工場見学の後、有志が国分寺の居酒屋に集まり、昼食時お預けとなっていたビールで乾杯し、盛り上がりの内に楽しい一日を終えました。

龍野社長様はじめ㈱タツノの皆さま方、大変お世話になりありがとうございました。

 

【Y】The Young Salon第19回講演会ご報告

【テーマ:宇宙の話(2)】

 5月14日(土)、昨年に続き再び平林久先生を講師にお迎えし、宇宙の講演会を開催しました。宇宙の神秘に興味を抱く29名の多くの皆様に出席頂きました。
宇宙はどの様に始まったのか、どこまで広がっているのか、これからどうなっていくのか!
講師は野辺山の宇宙電波観測所には6年間勤められ宇宙研究に携わってこられました。
宇宙観測に使う大型の電波望遠鏡はその角度により鏡面が変形するだろう事は想像できますが、その変形を補正して45mもの大口径の鏡面精度を1mmの何分の1以下に保つというご説明に技術水準の高さにまず驚かされました。
講師が宇宙科学研究所で科学リーダーとして直接携わったVSOPプロジェクトは日本が大きな国際協力網を組織し、中心となって世界多数の観測局の大規模な協力の下、技術的・科学的な成果を上げたプロジェクトでした。電波天文衛星「はるか」と地球上のアンテナ群を組み合わせ、地球の大きさを遥かに凌ぐ巨大な3万kmの「瞳」を作り上げ、宇宙銀河の複雑な構造が解明されました。(本プロジェクトは国際的にも高い評価を受け国際チーム栄誉賞を頂いたと著書に記されています)。
M87銀河が噴出するジェットが1万光年のかなたに広がりを持つ映像、超微細な粒子1個が一瞬でやかんの水を沸騰させるという話ではとてつもないエネルギーを持った宇宙の凄さの一端を知る事ができました。
宇宙で物体の重さが時間と空間(時空)にゆがみを作り、物体が動くとゆがみが光速でさざ波のように伝わる。これが重力波の正体と考えられていますが、伝播する様子を電磁波と対比させた指動作を交えた講師解説により少なからず宇宙への臨場感を味わう事ができました。
13億年前、巨大な二つの暗黒物体が光に近いスピードで高速回転し合いながら合体する凄まじい現象、そこから重力波が宇宙空間に放たれ、光速で何億年も突き進み、地球を通過して遥か彼方に飛び去る光景を思い浮かべると、壮大な宇宙、無限に広がる宇宙が感じられます。
人間同士、争いが無ければ将来どこまで科学が進歩するのか・・・・・・。SFでしかなかった宇宙旅行も決して夢ではない気が致します。懇親会の席も昨年同様、大いに盛り上がりました。

 

[Y]ヤングサロンの第18回講演会「宇宙」を開催

【テーマ:宇宙の話(1)】

 先進の宇宙研究を題材に12月5日、第18回The Young Salon講演会を開催しました。講師は東京大学理学部卒の理学博士、現在JAXA(宇宙航空研究開発機構)名誉教授の平林久先生に御願いしました。
講演会では、巨大な電波望遠鏡、星々が誕生し爆発しガスに戻っていく姿、光と電波を一体化した銀河映像等、宇宙の姿が解説され、出席者の皆様は壮大な宇宙への理解を深め、大いなる興味を掻きたてられたのではないかと思います。加えて今回平林先生手書きの心和む絵が投影され、ユーモラスさを加えた科学的説明はまた一味違った印象深いものとなりました。
講演で紹介された電波天文衛星「はるか」プロジェクトでは、平林先生が科学主任を務められ、世界の科学者達との緊密な連携の下、衛星と地球上アンテナとを結ぶ事により、実に地球直径の3倍もの巨大な電波の瞳を作り、宇宙の深淵を観測した偉業を達成しておられます。
カシオペア座A超新星の爆発が宇宙で10光年の広がりを持つ映像や、楕円銀河ブラックホールから噴出するジェットが何と100万光年のかなたにまで広がる映像が紹介され、また原子核の密集体とも言われる中性子星が1.3秒という超スピードで回転している事を教えて頂きました。どれも人類の壮大なオペラ・ロマンであると思います。
最近は日本人が宇宙・素粒子の分野で立て続けにノーベル賞を受賞しており、改めてわが国の研究レベルの高さに感心させられております。将来、時間はかかるでしょうが、ダークマターやダークエネルギーの謎についても少しずつ解明され、宇宙の不思議が解き明かされる時が来るのではないかと期待してやみません。
講演会には37名の多くの皆様に参加頂き、引き続く懇親会でも16名の皆様に出席頂き、大変な盛会であった事をご報告致します。

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【Y】第17回ヤングサロン講演会「世界自然遺産-ドロミテ-」ご報告

今回の講演会は従来のものと少々趣を変え、講師が20余年に亘り惹かれ続けている、北イタリア、南チロル地方に横たわる“ドロミテ”を映像で紹介頂き、素晴らしい自然を味わう事に焦点を絞りました。現地では外国人の親しい仲間達7~8名のグループと行動を共にし、八ヶ岳連峰の何十倍もある広大な素晴らしい自然の中を散策する姿を披露頂きました。雲を突くばかりに垂直に切り立った岩峰と青い空、整備されたルートを楽しむ家族連れのグループ、メルヘンチックな山小屋での楽しい食事を味わう姿、カラフルで美しい麓の街並みもまるで絵の様に美しい光景でした。講演会には26名の方が参加され、皆様素晴らしい映像を堪能している様子でした。

背景はトッファーナ(大きな岩はトッレ・グランデ)

ヤングサロン写真


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