【E】第107回Oh!Enkaの会を開催しました

1.日時  平成29年12月17日(日) 10:00~12:00
2.場所  本多公民館・視聴覚室
3.スケジュール
・ 第1部  カレッジソング(塾歌、オール慶應の歌、慶應讃歌)
・ 第2部  講演 「指揮者はつらいよ」 石寺隆義氏(塾員・昭和41年経済学部卒)
・ 第3部  皆で歌おう(琵琶湖周航の歌、よろこびの歌、諸人こぞりて)
・ エール交歓・若き血

今日は視聴覚室がいっぱいになる59名の参加を得て開催されました。
第1部はいつものように、森川先生の伴奏でカレッジソングで始まりました。発声練習の後「塾歌」「オール慶應の歌」「慶應讃歌」の3曲を歌いました。今日の講師で、アマチュアオーケストラの指揮者を長く務められた石寺氏に指揮を執っていただきました。

第2部は立川三田会大石敏雄会長のご紹介で実現しました、昭和41年経済学部卒の石寺隆義氏の「指揮者はつらいよ」と題したミニ講演会です。
石寺氏は中学・高校時代から音楽家を志し、慶應義塾大学で1年間、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラに所属、昭和41年に経済学部を卒業後、農林省入省、林野庁、食糧庁、本省各局等を歴任、平成8年に日本中央競馬会理事に就任。退任後は諸法人の役員を務めておられます。
その間40年にわたりアマチュアオーケストラ横須賀交響楽団の指揮者を務められました。
平成11年にイタリア政府から叙勲、平成25年春の叙勲で「瑞宝小綬賞」を受賞 しました。
著書に「ちょっと面白い話」等があります。
農林省時代にはハードな日ソ漁業交渉の担当官としてモスクワに駐在した他、ローマなど海外勤務が豊富です。モスクワ駐在時代には團伊玖磨氏からムソルグスキーの「展覧会の絵」の絵を探して欲しいと頼まれて探し求めたそうです。
今日は、石寺氏から指揮者や作曲家にまつわる非常に興味深い数々のエピソードを、ユーモアを交えて講演いただきました。幾つかを以下に紹介いたします。
①男として一生に一度は上がってみたい「台」は、番台と指揮台だそうです。
前者はともかく、指揮台は大勢のオーケストラ団員を指揮棒1本で自在に操るカリスマに思えますが、実際はそう簡単ではありません。
特にプロのオーケストラともなると団員も音楽への接し方に一家言持っていますから、必ずしも指揮者の言うことを無条件で聞いてくれるわけではありません。指揮者と団員の間には意見の相違があるので一定の緊張関係があります。
「ノダメカンタービレ」というTVドラマがありました。若い指揮者があるコンクールで課題曲を振りましたが、ホルン奏者と意見がぶつかり、険悪な関係となり火花を散らします。最後はお互いに納得してうまくいった、という話です。団員を納得させられる経験と器量があって初めてカリスマとして君臨できます。指揮者も時代により強烈なカリスマ性(フルトヴェングラーやカラヤン等)から、最近は随分民主主義的になりました(アバドやラトル等)。いずれにせよ聴衆が思っているほど楽ではないということです。
オーケストラにはそれぞれ特徴があり、音色も全く違うものになります。特にウィーンフィルは専任指揮者を置きません。ウィーン気質を保持するためあえて専任を置かず、客演指揮者を呼びます。カラヤンでさえウィーンフィルを指揮することは大変だったようです。同じブラームスの交響曲を聴いてもベルリンフィルとウィーンフィルでは全く違います。
②ハイドンの時代の指揮者の役割は、音楽を提供することでした。サロンで食事や会話の妨げに
ならないようなBGM風の優雅な曲が多いのです。これがベートーヴェン以降は劇場型に変わります。優雅な音楽から、フォルテ、迫力、不協和音など聴衆を飽きさせない曲が出てきます。交響曲第3番が典型的です。
専任指揮者として活躍を始めたのは、メンデルスゾーンです。ユダヤ人で実家が銀行家で裕福であったため、指揮に専念できたようです。この頃になると指揮者の役割の一つに、埋もれた名作の発掘・普及があります。メンデルスゾーンはバッハのマタイ受難曲を普及させました。また、新進気鋭の新しい作曲家の作品を取り入れることも重要な役割になります。
③メンデルスゾーンの音楽が繊細なのとは対照的に、新進のワグナーの音楽は音を長く伸ばし、重厚な音楽で、旋法にも画期的な工夫が見られます。ワグナーは革命好きで、ベートーヴェンの交響曲第9番を革命的として高く評価していました。私生活では、指揮者のビューローの妻コジマを愛人とし、トリスタンとイゾルデにその愛を表現しています。これは無調で現代音楽の走りといわれています。
④ブルックナーは田舎のおっさんという感じでオルガニストでもありました。交響曲第3番をワグナーに献呈し、ワグナーも気に入ってくれたので、ウィーンフィルで初演しましたが、団員がブルックナーの指揮を受け入れず、失敗に終わりました。最後に残った聴衆の中にマーラーがいました。マーラーは先見の明がありこの曲を評価していました。
一方マーラーは天才肌のコスモポリタンです。若い奥さん(パルマ)をもらいますが、彼女の社交的なところを気にいらず、閉じ込めてしまいます。パルマも落ち込みますがたまたま知り合ったイタリア人の建築家と不倫関係となります。マーラーは最初のうちは容認していましたが、次第に精神的に侵され、フロイトの診断を仰いだということです。マーラーの曲にはどこか通俗的な部分もあり親しみが持てます。
⑤フルトヴェングラーやカラヤンはマーラーの曲をやりません。マーラーがユダヤ人だったからということです。ナチは当時すでに人気の高かったフルトヴェングラーを宣伝に利用しようとします。ナチの陰謀でカラヤンをライバルとして招聘しました。フルトヴェングラーも次第にナチになびくようになりました。こうした関係から、戦後は不利な状況に置かれたこともあります。フルトヴェングラーの没後はカラヤン帝国となります。そのくらい指揮者の地位は危ういものです。
⑥音楽には絶対音楽と標題音楽があります。絶対音楽に思想は入りません。ブラームスがその好例です。一方標題音楽には思想や筋が入っており、こちらの好例はワグナーです。サガンの「ブラームスはお好き」に題材として取り上げられています。思想が入っていると筋を追ってしまいがちですが、それぞれの楽しみ方があるでしょう。

第3部は再び石寺氏の指揮でこの季節に相応しい歌を歌いました。「琵琶湖周航の歌」は京大ボート部の部歌で、誕生からちょうど今年で100年だということです。塩井代表からメルボルンオリンピックの国内予選で慶應が京大に競り勝ったエピソードなどを紹介していただきました。第1部で歌った「オール慶應の歌」はボートのオールと掛けているとの種明かしもありました。年末なので第九から「よろこびの歌」、クリスマスも近いので「諸人こぞりて」を歌いました。
最後は恒例の平林会員によるエール、肩を組んでの若き血で今年最後の例会をお開きにいたしました。

次回以降の予定:1月20日(土) 10時~12時 本多公民館(視聴覚室) SONGS
2月18日(日) 10時~12時 本多公民館(ホール)
高橋晴彦氏(バリトン歌手)リサイタル

世話役代表:塩井勝也(S41法)
世話役:斎藤信雄(S38政)、金田 一(S42工)、 高橋伸一(S45法)、 久保田宏(S46工)、
池田敏夫(S47商)、芳賀 崇(S47経)、 平林正明(S47経)、 山田 健(S47経)、
井上 徹(S49政)

【E】Oh!Enkaの会「講談と一足早い忘年会」を開催しました。

1.日時   平成29年11月22日(水)17:45~21:00
2.会場   青山荘(元赤坂にある三菱東京UFJ銀行の接待用施設)
3.出席者  国分寺三田会24名、立川三田会2名、若林鶴雲師匠(塾員。S47商卒)、
4.スケジュール、
・ 第1部  講談会  忠臣義士二度目の清書 (別名:大石の妻子別れ)
・ 第2部  忘年会

・今回は塩井勝也世話役代表のはからいで青山莊和室での開催です。
・第1部は若林鶴雲師匠をお招きしての講談です。若林鶴雲師匠は塾を卒業後サラリーマンの傍ら「ひげの講談師」として有名な田辺一鶴師匠の弟子として本格的に講談を勉強したそうです。会員からの要望が多く、Oh!Enkaの会では3回目の出演です。最初の演目は田辺一鶴師匠が得意とした「第1回東京オリンピック入場行進」です。録音機でファンファーレを流し、参加96カ国を入場行進順にすべてすらすらと言い、臨場感のある6分間でした。皆がただただ驚き、感激するばかりです。「2020年東京オリンピックは200カ国以上参加するので覚えるのが大変」との発言に、会場は爆笑です。次の演目は「忠臣義士二度目の清書」です。若林師匠は忠臣蔵を得意としています。(昨年2月の演目は「南部坂雪の別れ」、昨年11月の演目は「安兵衛高田馬場駆付け」)。
大石は敵を欺くために遊郭に通い、妻を離縁、長男主税を除く子供と実母と一緒に妻の実家に預けました。遊女を身請けして、妻子を離縁する光景は聞いていても迫力があります。そして、仇討を成し遂げた後は大石の命を受けて生き長らえた赤穂義士の一人、寺坂吉右衛門が大石の妻を訪ね、討入の有様を語ります。口上では四十七士の名前がすらすら出てきます。張り扇を叩きながら独特のリズムと口調で語る講談の世界にすっかり引き込まれました。若林師匠は1か月で一つの演目を覚えるそうです。“講談師は認知症にならない”と感じた次第です。
・第2部は若林師匠を囲んで一足早い忘年会です。丸山茂会員の乾杯のご発声で始まりました。諸先輩の挨拶でも
“大満足”といった感想です。青山莊では普段なかなか飲めない美味しいお酒が格安の価格で飲めます。木村忠司会員が山形県出身ということで、有名な民謡最上川舟歌の話がでました。急遽木村会員+出席していたK・K・メンネルコール(小平界隈男声合唱団)メンバー7人で最上川舟歌を歌いました。この日は酔っているせいか合唱はうまくハモリません。合唱の後、木村会員が一人で正調最上川舟歌を歌いました。歌いこんでおり、見事です。最上川舟歌合唱はハモルと素晴らしいです。別のシラフの機会に披露できることを願っています。
・感激する講談、美味しい会席料理、美味しいお酒、楽しい仲間で会話がはずみ、大満足の夜でした。

 

【E】第106回Oh!Enkaの会・Songsを開催しました。

・     1.日時 平成27年11月18日(土) 10:00~12:00
・     2.場所 本多公民館 視聴覚室
・     3.出席者 24名。歌唱指導とピアノ伴奏は山田玲子先生。
・     4.スケジュール
・       今回は歌中心の“Songs”です。秋の歌、懐かしい歌など、たくさん歌いました。
・       まず、準備体操で体をほぐし、発声練習で声慣らし。
・       前半は、
・       (1)里の秋 (2)荒城の月  (3)村祭り (4)もみじ(輪唱)。
・          もみじは斉唱で歌った後、二手に分かれて輪唱。輪唱の楽しさを感じました。
・       後半は
・       (4)埴生の宿 (5)サンタ・ルチア (6)あの素晴し愛をもう一度
・       (7)見上げてごらん夜の星を。
・          この曲は偶数、奇数誕生月の二手に分かれての発表を行い、
・          ミニコンサートの雰囲気を味わいました。
・       皆さん、青春時代にタイムスリップしたかの様で、楽しく歌いました。
・       最後に、大きな丸い輪を作り、“さよなら集い”を歌いお開きとなりました。

 

 

 

【E】 第105回Oh!Enkaの会を開催しました。

1.日時   平成29年10月21日(土)10:00~12:00
2.会場   いずみホール・Bホール
3.出席者  会員および同伴者45名、ピアノ伴奏:山田玲子先生
・      「こまんたれう゛」: 黒田 彩さん、大庭麗奈さん、宮田奈美さん
4.スケジュール、
・  第1部  カレッジソング(塾歌、踊る太陽、慶應讃歌)
・  第2部  ハーモニカコンサート
・       黒田 彩 複音ハーモニカ独奏
・         ①北国の春、②長良川艶歌、③嘆きのセレナーデ、④さくらさくら
・       ハーモニカトリオ「こまんたれう゛」演奏
・         ①雪国(吉 幾三)、②てぃんさぐぬ花(沖縄民謡)、③けだるい太陽(ロシアン・タンゴ)
・         ④アディオス・ムチャ―チョス(アルゼンチン・タンゴ)、⑤鈴懸の径、
・         ⑥演歌チャンチャカチャン(メドレー)、⑦熱き心に(小林 旭)
・         アンコール:まちぼうけ
・  第3部  皆で歌おう、季節の歌
・         ①紅葉、 ②旅愁、 ③里の秋  ④故郷の空
・  エール交歓 平林会員 若き血

・第1部はカレッジソングです。森川由美子先生は所用があり、Oh!Enkaの会にはお馴染みの山田玲子先生に
ピアノと歌唱指導をお願いしました。朝ということもあり、まずは発声練習です。カレッジソングは3曲歌いました。「慶應讃歌」の歌詞3番は「学窓を出た我々塾員達がいつまでも母校を偲び、塾員であることを終生の誇りとして歌えるもの」であり、歌えることの喜びを味わいました。
・第2部はゲストに全日本ハーモニカ連盟・常任理事の 黒田 彩さん(Aya)、大庭麗奈さん(Reina)、宮田奈美さん(Nami)をお招きして ハーモニカ・コンサートを開きました。この3人は、フランス語のコマンタレヴ(ごきげんいかが?)をもじった「こまんたれう゛」という名前のトリオグループで演奏活動をしています。
最初はAyaさんによる復音ハーモニカ独奏です。微妙に調律をずらした同じ音が上下2列に並んでおり、上下の穴を同時に吹く事で、ビブラートがかかったような郷愁を誘う美しい音色を奏でます。復音ハーモニカは日本では最初はおもちゃ的に扱われていましたが、佐藤秀廊が復音ハーモニカの奏法を開発し、芸術性を高めたそうです。
次はAyaさん、Reina さん、Nami さんのアンサンブル演奏です。曲に合わせていろいろな種類のハーモニカを持ち替えて演奏します。トークも上手く、会場を楽しませてくれました。ハーモニカの種類はたくさんあるそうです。
今回は①復音ハーモニカ(ビブラートがかかった音が出せる)、②クロマティックハーモニカ(ピアノの白鍵盤だけでなく黒鍵盤の音も出せる)、③コードハーモニカ(コード演奏専用)、④バスハーモニカ(低音部専用)のアンサンブルを楽しませてくれました。演歌が多いと思っていたらOh!Enkaの会=演歌が好きな人の集まりと思っていたらしく、会場の爆笑を誘いました。圧巻は“演歌チャンチャカチャン”です。10曲の演歌メドレーです。もちろん演歌だけでなく、歌謡曲、日本の伝統的な歌曲、タンゴ、セミクラシック等いろいろなジャンルの曲を楽しませてくれました。ハーモニカは奥の深い楽器ということをつくづく感じた次第です。
第3部は皆で歌おうです。山田玲子先生のピアノ、「こまんたれう゛」の皆さんのハーモニカで秋らしい歌を4曲歌いました。塩井世話役代表から曲の紹介をしていただきました。“里の秋”は昭和16年に書いた斎藤信夫の「星月夜」という詞が原作で、もともと戦争高揚のために作られたが、結局歌われることはなく、戦後、歌詞を作り変えて昭和20年、NHKラジオの特別番組「外地引揚同胞激励の午後」で歌われていたというのは興味深い話です。
・最後は平林正明会員の指揮による「若き血」斉唱です。全員が肩を組み、広いホールで声高らかにエールの交歓を行いました。
◆次回 :11月18日(土) 10:00~12:00  本多公民館・視聴覚室  Song‘s
◆次々回:12月17日(日) 10:00~12:00  本多公民館・視聴覚室
日本中央競馬理事・石寺隆義氏(塾員S41)のミニ講演会「指揮者はつらいよ」

世話役代表:塩井勝也(S41法)
世話役:金田 一(S42工)、高橋伸一(S45法)、久保田宏(S46工)、芳賀 崇(S47経)、
・   平林正明(S47経)、山田 健(S47経)、池田敏夫(S47商)、井上 徹(S49政)

【E】第104回 Oh ! Enka の会・Songsを開きました。

日 時  平成29年9月16日(土)午前10時00分~12時00分
会 場  本多公民館・視聴覚室

今日はドタキャンもありましたが飛び入りもあり、出席者は36名。
先ずは森川由美子先生の恒例のヴォイストレーニングで開始しました。
1曲目は、スポーツの秋と愛媛国体が間近なことから国民体育大会歌「若い力」を声出しも兼ねて元気よく歌いました。
2曲目からは前回の続きでフォスターの後期の歌を4曲歌いました。
「ケンタッキーの我が家」
「金髪のジェニー」
「オールド・ブラック・ジョー」
「夢路より」

「ケンタッキーの我が家」はフォスターの円熟期の曲、以降の3曲は困窮時代に作られた曲です。
なお「ケンタッキーの我が家」と「オールド・ブラック・ジョー」は日本語と英語で歌いました。中学時代に覚えた英語の歌詞がなつかしく蘇りました。
他にアメリカ民謡でカンサス州の州歌となっている「峠の我が家」も歌い、最後に全員立って円陣を作り「今日の日はさようなら」を歌ってお開きにしました。
(司会・進行役は塩井が務めました。)
・                                              以上

【E】第103回 Oh ! Enka の会・Songsを開きました。

日 時  平成29年8月19日(土)午前10時00分~12時00分
会 場  本多公民館・視聴覚室

今回は偶数月ですが、7月に100回記念会を開催したので、Songsの会を開きました。Songsの会としては過去最高の40名も参加し、大盛況でした。
先ず、森川由美子先生から、軽い体操と横隔膜を使ったヴォイストレーニングの指導を受け、歌に入りました。
今回は19世紀半ばのアメリカ合衆国を代表するスティーブン・フォスターの曲を歌う企画ですが、丁度今、第99回全国高校野球選手権大会が開かれているので、先ずは声出しにも適う「栄冠は君に輝く」(古関祐而作曲)を甲子園球場の熱戦振りを思い浮かべながら元気よく歌いました。全員の声の調子も上がってきたところで「おお スザンナ」、「草競馬」、「故郷の人々(スワニー川)」、「主人は冷たき土の下に」などフォスターの生涯の前期の曲を歌いました。
フォスターはアメリカのみならず世界中で歌われる曲を沢山作曲しましたが、経済的には恵まれず、37歳の若さで亡くなりました。
続けてフォスターの曲とよく間違われる「なつかしきヴァージニア」(ジェームス・ブランド作曲)を歌い、最後はドイツ民謡の「さよなら集い」を全員が円陣になって歌い、お開きとしました。
なお、次回9月16日(土)のSongsの会ではフォスター後期の曲を歌います。
(司会は塩井が務めました。)

【E】 Oh!Enkaの会・100回記念会を開催しました。

1.日時   平成29年 7月22日(土)14:30~19:30
2.会場   本多公民館ホール
3.出席者  会員および同伴者81名、(懇親会出席65名)  出演者6名(及川哲央氏、下村雅人先生、
・      下村敬子先生、森川由美子先生、笹川皇人先生、髙邑 勉氏)
4.スケジュール
・ 14:30~17:10 例会
・第1部 カレッジソング 指揮:慶應義塾大学應援指導部OB 及川哲央氏
・      ①塾歌 ②オール慶應の歌 ③我ぞ覇者 ④ひかる青雲(国分寺稲門会有志) ⑤慶應讃歌
・第2部 テナー独唱   下村雅人先生
。      ①オー・ソレ・ミオ   ②Stand Alone   ③ゴンドラの歌
・      ④ニューシネマパラダイス  ⑤泣かないお前(アンコール)
・第3部 ピアノ独奏   森川由美子先生
・第4部 みんなで歌おう
・      ①夏の思い出   ②北上夜曲   ③家路(遠き山に日は落ちて)   ④われは海の子
・第5部 津軽三味線独奏  笹川皇人先生
・      ①吹雪(オリジナル) ②りんご節  ③津軽あいや節  ④津軽じょんから節(新節)
・      ⑤津軽じょんから節(旧節。アンコール)
・ 17:30~19:20  懇親会
・      ①世話役紹介、  ②乾杯(丸山 茂会員)  ③会員有志によるコーラス(青い山脈、
・      Sing Along、夜霧よ今夜もありがとう) ④手品(丸山 茂会員)
19:20~19:30 エール交歓
・      ①丘の上    指揮:慶應義塾大学應援指導部OB 髙邑 勉氏
・      ②若き血    指揮:平林正明会員

・Oh ! Enka の会は、平成17年9月25日に第1回目の例会を開き、13名の出席者により発足しました。
以来、回を重ねるごとに出席者が増え、大勢の方々からご支援とご声援をいただき、今般81名で100回記念会を開
催することができました。今回の祝賀会は豪華版です。

◆第1部  カレッジソング
・いつもの通り塾歌斉唱で会は始まりました。カレッジソングの指揮は慶應義塾大学應援指導部OB 及川哲央氏(立
川三田会会員)です。お忙しい中、指揮を振るために駆け付けていただきました。応援歌誕生のエピソードを交えなが
らの力強い指揮です。慶應義塾大学応援歌「我ぞ覇者」(昭和21年)と早稲田大学応援歌「紺碧の空」(昭和6年)
「ひかる青雲」(昭和22年)は同じ古関裕而作曲であるというのは興味深い話です。Oh ! Enka の会には国分寺稲
門会の方も大勢参加しています。早稲田大学OB有志が「ひかる青雲」を歌い、お互いの友情を深めました。

◆第2部  テナー独唱   下村雅人先生(ピアノ:下村敬子先生)
・下村先生は各地で公演をしており、表現力が豊かで素晴らしい歌声が会場に響き渡りました。下村先生は歌うことの
楽しさを判りやすく教えてくれます。「歌は体で考えるもの。楽しく歌えば横隔膜が鍛えられ、高い声も大きな声も出
るようになる」ということです。まさに歌は元気の源です。トークも見事です。すっかり下村ワールドに魅せられまし
た。下村先生に指導いただいている合唱団のメンバーが国分寺三田会にいます。当日会場にいた12人が急遽壇上に上
がり、先日の定期演奏会のオープニング曲”花“を歌いました。急な指名なので冷や汗ものでしたが、楽しく歌うことが
できました。下村先生は音楽一家です。奥様の敬子先生がピアノを演奏され、音楽大学を卒業した息子の和葉さんが打
楽器を演奏されます。今回は30分のミニコンサートでしたのでまだ聞き足りない方がいると思います。10月17日
いずみホールで「二人のつむぎ歌+1」としてコンサートがありますのでご参加ください。ご夫婦のトークも楽しめま
す。

◆第3部  ピアノ独奏   森川由美子先生
・森川先生のピアノ独奏はメンデルスゾーン作曲「無言歌」です。ピアノ独奏がメインの曲で滑らかなピアノの音が滑
り込むように耳に入ってきてとても心地よい気分にさせてくれます。子供のころから好きな曲だそうです。
森川先生には平成19年1月からOh ! Enka の会でピアノ伴奏と歌唱指導をしていただいています。Oh ! Enka の会
にはなくてはならない存在です。塩井勝也世話役代表から感謝の気持ちを込めて花束を贈呈しました。

◆第4部  みんなで歌おう
・Oh ! Enka の会をこよなく愛した先輩がいます。平成25年に亡くなられた白鳥真澄先輩です。平成22年4月に
Oh ! Enka の会で米寿のお祝いをし、お好きな歌を皆で歌って差し上げました。白鳥先輩からいただいたお礼の手紙
を塩井世話役代表が披露しました。歌を愛し、Oh ! Enka の会に出会えた幸せを綴っています。そしてその中に「家
路(遠き山に日は落ちて)」をいつか皆で歌いたいと書いてありました。本日は「家路」も含め4曲を皆で歌いました。

◆第5部  津軽三味線独奏  笹川皇人先生
・いよいよ津軽三味線のライブ演奏です。笹川先生は大学を卒業してからプロの三味線奏者として活躍しています。仕
事で青森に縁がある宮西雅昭副会長のアレンジで実現しました。笹川先生の演奏は迫力があり、会場に響き渡ります。
会場も一体となって盛り上がりました。津軽三味線の音色にはこころをかき乱されるような激しさと哀愁、優しさがあ
り、体に響いてきます。笹川先生は弘前生まれ、曲紹介も即興のトークも津軽弁です。独特の発音、テンポですっかり
津軽弁のトークショーといった感じでした。津軽三味線と言えば津軽じょんから節が有名です。大正時代以前の旧節、
昭和初期の中節、戦後の新節、新旧節の4つがあるそうです。新節は現代風にアレンジされており、現在の主流とのこ
とです。曲の最後として新節と旧節を披露していただきました。

◆懇親会
・懇親会の冒頭で塩井世話役代表から世話役一人ひとりに対し、過分なる紹介がありました。塩井世話役代表を中心に
会を盛り上げていく気持ちを新たにした次第です。懇親会は立食です。丸山 茂会員のご発声で始まりました。アトラ
クションは国分寺三田会有志14名による男声コーラスです。大半は下村先生が指導する男声合唱団に所属しており
、今回披露するのは先月の定期演奏会で歌った歌です。事前練習をしましたが音が合いません。森川先生の指導で何と
かまとめ上げ、吉崎俊一会員の指揮、森川先生のピアノ伴奏で楽しく歌うことができました。アンコールは予定してい
ませんでしたが、会場からアンコールが起きました。定期演奏会で裕次郎になり切った大上祥彦会員のソロを交えてア
カペラで「夜霧よ今夜もありがとう」を歌い、会場も盛り上がりました。もう一つのアトラクションは丸山会員による
手品です。マジシャン帽子をかぶり、手品師になり切って見事な腕を披露しました。

◆エール交歓
・今回は100回記念会ということもあり、慶應義塾大学應援指導部で主将を務めた髙邑 勉氏に来ていただきまし
た。本日は3つ目の三田会だそうです。100回記念会にふさわしく、本格的な指揮で慶早戦に勝った時だけに歌う
「丘の上」を声高々に歌いました。最後はいつもの通り平林正明会員指揮による「若き血」です。全員肩を組んで
100回記念会を祝いました。平林会員はOh ! Enka の会発足当初からの会員です。應援指導部OBではありません
が、指揮も見事です。

・Oh ! Enka の会・100回記念会を開催できたのは①塩井世話役代表の企画力と情熱、②森川先生のピアノ伴奏と
歌唱指導、③会員の皆様のたゆまぬ協力のおかげです。これを一つの節目として更に楽しい会となるよう世話役一同
盛り上げていきたいと思います。引き続きご指導・ご支援をよろしくお願いします。

<演奏者のプロフィール>
下村 雅人(しもむら まさひと)
国立音楽大学声楽科卒業。イタリア声楽コンコルソ金賞、飯塚新人音楽コンクール優秀賞、モーツアルト「魔笛」にてオペラデビュー。ヴェルディ「椿姫」やプッチーニ「ボエーム」など数々のオペラに出演、毎夏松本で催されるサイトウ記念フェスティバルに定期的に出演するなど、オペラ・宗教曲のテノールソリストとして活躍する。現在では、様々なスタイルのオペラやコンサートの構成・演出・出演と幅広く活動している。2011年より、発起人となって「東日本大震災復興支援こだいらチャリティコンサート」を毎年開催し、息の長い被災地支援を続けている。二期会会員。

下村 敬子(しもむら けいこ)
国立音楽大学教育音楽学科卒業。マリンパの伴奏者として芸術鑑賞教室やコンサートに多数出演。現在「Kelko音楽STUD10」を主宰し、“音楽のある生活”をテーマに地域に根差した音楽活動を展開している。声楽や合唱団の伴奏者として数多くの演奏会に出演。
お二人は、夫婦のコンサート「二人のつむぎ歌」を各地で開催されている。

笹川 皇人(ささがわ こうじん)
高校生の時より山田千里師のもとで津軽三味線の勉強をはじめる。弘前大学教育学部を卒業しながらも、プロの三味線奏者として活動している。弘前大学非常勤講師、平川市特別非常勤講師、NHKカルチャー講師などを務め、教育現場には縁がある。2003年、2009年津軽三味線全国大会A級チャンピオンを獲得、見事日本一に輝く!
地元はもちろん全国、海外等でもライブ、コンサート、メディア出演などを積極的にこなし、活動は多岐にわたる。

◆次回 8月19日(土)Songs、  次々回 9月16日(土)Songs

世話役代表:塩井勝也(S41法)
世話役:  斎藤 信雄(S38政)、 金田 一(S42工)、 高橋伸一(S45法)、 久保田宏(S46工)、
・     芳賀 崇 (S47経)、 平林正明(S47経)  山田 健(S47経)、 池田敏夫(S47商)
・     井上 徹 (S49政)

 

 

【E】 第101回Oh!Enkaの会を開催しました.

1.日時   平成29年 6月18日(日)10:00~12:10
2.会場   本多公民館ホール
3.出席者  会員および同伴者62名、杉並三田会5名、
・      杉並三田会「カントリーを楽しむ会 The Cedars」の皆さん14名
4.スケジュール
・第1部  カレッジソング(塾歌、慶應讃歌、丘の上)
・第2部  「杉並三田会カントリーを楽しむ会 The Cedars」のコンサート
・       ① This Land Is Your Land(F)       ② Jamaica Farewell(F)、
・       ③ Blue Kentucky Girl(C)           ④ Release me(C)、
・       ④ I wonder where you are tonight(B)    ⑥ Blue moon of Kentucky(B)、
・       ⑦ Once a day(C)             ⑧ Sloop Jone B(F)、
・       ⑨ Detroit city(C)             ⑩ Tennessee waltz(C)
・       ⑪ When you kneel at mother’s grave(B)  ⑫ What a friend we have in Jesus(B)
・       ⑬ Red river valley(C)           ⑭ Wait for the light to shine(B)
・       ⑮ Good Night,Irene(F)          ⑯ We’ll meet again sweetheart(B)
・       (F):Folk song (C):Country (B);Bluegrass
・       (アンコール)You are my sunshine
・第3部  みんなで歌おう
・       ① 故郷の人々(フォスター)          ②聖者が町にやってくる(アメリカ民謡)
・       ② 夢路より(フォスター)           ④浜辺の歌(唱歌)
・エール交歓 若き血

・いつもの通りカレッジソング斉唱で会は始まりました。
・第2部の今回のゲストは杉並三田会「カントリーを楽しむ会 The Cedars」の皆さんです。「カントリーを楽しむ会The Cedars」はカントリーに関心を持つ杉並三田会有志が2014年にバンドThe Cedars(通称シダーズ)を結成し、このメンバーが中心となって、カントリー、ブルーグラス、フォークソング等、アメリカンミュージックに関心を持つ会員の参加を募って杉並三田会第27番目の分科会として1昨年発足したそうです。Oh!Enkaの会横田 脩会員 (S43経)はThe Cedars結成当初からのメンバーです。
夫々の曲をウイットに富んだ紹介を交えながら16曲を演奏してくれました。メンバー夫々が夫々の服装で楽しそうに歌います。女性4人(ピアノ1人、ボーカル3人)も中心的な存在になっているとのことです。皆さんが若々しい声で楽しそうに歌い、会場も一体となって盛り上がりました。音楽を楽しんでいるせいか、お若く感じました。歌は元気の源です。ブルーグラスはアメリカアパラチア山脈に移住したアイリッシュの音楽をベースにビルモンローが1940年代に音楽スタイルを作り上げたそうです。基本的な楽器編成はバンジョー、フラットマンドリン、ギター、ベース、フィドル、ドブロの6種類の弦楽器で、電気を一切使わないアコースティックな表現方法が魅力です。電気楽器を使わない点がカントリーとは異なります。「What a friend we have in Jesus」は讃美歌の一つで、日本では「いつくしみ深き」(讃美歌312番)として教会、結婚式などで歌われています。Oh!Enkaの会矢野拓郎会員(S46商)も飛び入りで歌い、ハーモニーを楽しみました。矢野拓郎会員は教会以外で歌うことは初めてだそうです。アンコールが鳴りやみません。「You are my sunshine」を会場と一緒に歌い、盛り上がりました。杉並三田会からは5名の方が応援に駆け付けました。
第3部は「カントリーを楽しむ会 The Cedars」の皆さんの演奏でアメリカ、日本の「こころの名歌」を全員で歌いました。
・最後は平林正明会員の指揮による「若き血」斉唱です。全員が肩を組み、広いホールで声高らかにエールの交歓を行いました。

◆次回は100回記念祝賀会です。7月22日(土)14:30~19:30 本多公民館ホール。
ゲストに慶應義塾大学應援指導部OB高邑 勉氏、プロのテナー歌手・下村雅人氏(二期会会員)、プロの津軽三味線奏者・笹川皇人氏をお招きしています。森川由美子先生のピアノ独奏もあります。コンサートの後は懇親会(立食
形式)です。Oh!Enkaの会からは下村雅人先生に指導いただいているK・K・メンネルコール男声合唱団所属メンバーが中心となって懇親会の席上で男声合唱を披露します。ご期待ください。

世話役代表:塩井 勝也(S41法)
世話役:  斎藤 信雄(S38政)、金田 一 (S42工)、高橋 伸一(S45法)、久保田 宏(S46工)、
・     芳賀 崇 (S47経)、平林 正明(S47経)、山田 健 (S47経)、池田 敏夫(S47商)
・     井上 徹 (S49政)

 

【E】第99回 Oh ! Enkaの会を開催しました。

1.日時:   平成29年4月16日(日)10:00~12:00
2.会場:   いずみホール・Bホール
3.出席者:  会員および同伴者62名、西澤ことは先生(ピアノ)、平井俊邦氏(講演)
4.プログラム:
・ 第1部  カレッジソング(①塾歌 ②三色旗の下に ③慶應讃歌)
・ 第2部  講演  演題:『オーケストラ経営~音楽の力の素晴らしさ』
・      講師  平井俊邦氏(日本フィルハーモニー交響楽団理事長)
・ 第3部  西澤ことは先生によるピアノ独奏
・     (①日本古謡 さくらさくら ②ショパン ノクターン2番)
・ エール交歓 (若き血)

・いつも通り起立しての塾歌斉唱、カレッジソングで例会第1部が始まりました。今回は森川先生のご都合が悪く、西澤ことは先生にピアノ伴奏をお願いしました。
・第2部は今回の特別企画です。公益財団法人日本フィルハーモニー交響楽団理事長平井俊邦氏をお招きして、『オーケストラ経営~音楽の力の素晴らしさ』の演題でご講演いただきました。塩井代表世話役の先輩であることから実現した大変興味深い貴重なお話でした。塩井さんが新入社員の頃、7,8人の同期で銀座を歩いているとき、ばったり出くわした平井先輩に全部おごっていただいて、その太っ腹を未だ鮮明に記憶しているというエピソードも紹介されました。音楽そのものの素晴らしさ、オーケストラの普段は聞けない面白い裏話、オーケストラの経営のむずかしさ、そしてご自身の人生について熱く語っていただきました。
・第3部は西澤ことは先生によるピアノ独奏で、日本古謡「さくらさくら」とショパン ノクターン2番を演奏していただきました。満開の桜の華やかさ、散る桜のはらはらとした律動感が見事に表現され、日本人で良かったなあと感じる素敵な演奏でした。ショパンのノクターンも、やっと暖かくなった春の夜を髣髴とさせる透明感あるピアノでした。
・最後はこれも恒例通り肩を組んで「若き血」のエールです。今日はいつもの平林会員はお休みで、 井上徹会員(S49政)が代わって音頭をとり力強く締めました。

【講演要旨】
1.音楽の持つ不思議な力
・日本フィルは通常の演奏会の他に様々な活動をしているが、東北4県の被災地に音楽を贈ろう、という活動に力を入れている。どうしていいかわからない被災者に目を向けて室内楽を贈ったり、花を植えたりと我々にできる活動を行っている。音楽は言葉が要らないものだからこうした大災害の時に特にその力を発揮する。
・私はかつて広上淳一さんの第九を聴いて涙が止まらなかったことがある。フィンランド大使ご夫妻は「フィンランディア」を聴かれると必ず泣いてしまうそうだ。認知症で他のことには反応しないおばあさんが懐かしい歌に反応したり、全く他人から疎外されているような方が、ガーシュウィンの音楽に反応し、昔のご自身のアメリカ生活について話し始め、それから多くの方々とコミュニケーションを取れるようになったとか、演奏を聴いて思わず車椅子から立ち上がり、数歩歩み寄ってきて拍手をしたというようなことがたくさんある。 このように音楽は何か独特の不思議な力を持っており、日常音楽に接しているとその力が生まれてくるし、大きな支えにもなる。
・東日本大震災に日本フィルはリハーサルの直前に遭遇した。当日夜、翌日2時の公演を実施すべきかどうか、決断を迫られた。最終的には、安全性が確保され、提供できる環境にあればやるべきだと私が決断した。当日77名、翌日758名の方々が会場においでになった。テレビで被災状況を見てやりきれない気持ちを持っていた方々は、音楽を聴いて救われたような感じを持たれたという。これからも被災地をはじめ多くの方々にこの不思議な力を持つ「音楽」をお届けし続けたい。
2.オーケストラは面白い
・私自身は正直音楽に詳しいわけではない。楽団に入ってみるとそういう素人の目から見ても面白いなあと思うことがたくさんある。
・オーケストラは大体90人くらいの所帯。打楽器・弦楽器・金管楽器・木管楽器のセクションがあり、それぞれに首席演奏者がいる。特に第1ヴァイオリンの首席をコンサートマスターといい、彼の役割が非常に大きい。指揮者と90人の芸術家の対峙は戦いの場でもある。コンサートマスターは指揮者の考え方を団員に伝える、また団員の考え方を指揮者に伝えるという重要な役割がある。
・団員を1人補充するにも大変厳しいオーディションがある。時には競争率が100倍を超える。首席奏者も3年に1回投票で評価し、3分の2の賛成が得られないと交代させられる。
・団員の平均年収は400万円。日本を代表するオーケストラの給与がこれで良いのか、一般企業とのあまりの差に愕然とした。バレエや演劇など歩合制でなおひどい状況だそうだ。それではいけない、何とか改善したいと考えているがそう楽なことではない。
・ヴァイオリン等小さい楽器は個人所有、コントラバスとか太鼓のように大きい楽器は楽団所有だが、億近い楽器は決して素人には持ち運びすらさせない。年収400万円ではとても採算が合うとは思えない。
・管楽器奏者と弦楽器奏者は仲が良いとは言えない。弦はしょっちゅう演奏しなければいけないが、管は時々出番があるだけだから。ヴァイオリンをずっと弾き続けているのと、シンバルを1発鳴らすのと同じ給料だからお互いにおかしいのではと思う訳だ。月給制なのだ。
・オーケストラの運営は企業経営の見本ではないかという方がいるが、企業並みにはやれない。オーケストラは個人事業主の集団であると考えると良く機能する。また演奏家は評価されることが大嫌いなので企業並みの体系ではうまくいかない。
・日本フィルは、8年間ボリショイ劇場の芸術監督兼首席指揮者だったアレクサンドル・ラザレフを招聘した。
大震災当日もリハーサルをし、当日夜、翌日午後演奏会をしたが、震災のことに全く触れず、淡々と指揮台に立った。モスクワの奥様から帰ってくるように懇願され、不眠となり腰を痛めたのにもかかわらず、翌週香港での演奏会にも行ってくれた。自分の苦しい状況は一言も口に出さず、演奏会の開催決断や香港行きに対して私を全面的に信頼して従ってくれた。日本人がこんな惨状の中お互いに助け合い、励まし合う姿に感激していた。音楽をすることだけが自分の使命だと考え、すべての演奏を見事にやり遂げた。私も極限状態で音楽に立ち向かう彼の姿に感心し、全幅の信頼を置いている。
・彼が8年前の来日以来日本フィルの音楽を全く変えてしまった。評価も上がり、特にロシアものをやれば日本一と言われる。なぜこれほど変わったかというと、音楽に向かう真摯な姿勢で、リハーサルの取り組み一つにしろ劇的に変えてしまった。彼自身楽譜を丹念に読み、綿密な計画の下団員を厳しく指導した結果である。
・彼は作曲家とその作品を誰よりも知らなくてはいけないという信念を持っている。大変な勉強家で、作曲家の訴えることを追求し、解釈をとらえること、またそれを聴く人にどのように伝えていくかが自分の楽しみであり使命だと考えている。練習は厳しいが、本番になるとすべてを開放して、伸び伸びと演奏させるようにしている。・オーケストラが良くなればお客様も増え、団員の意識も上がる。一人の指揮者によって音楽性が全く変わることを彼が証明した。
・皆さんにも是非リハーサルを聴いていただきたいと思う。リハーサルを聴いて本番を聴くと音楽づくりの過程や違いが分かって非常に面白い。
3.オーケストラの台所は火の車
・日本フィルは1956年に渡邉曉雄を指揮者に文化放送の交響楽団として創立された。1972年にある事件で解散を余儀なくされ、紆余曲折を経てやっと1985年に新しい財団に生まれ変わった。
・バブル崩壊後日本フィルも、2001年から2004年まで赤字を垂れ流していた。その後黒字に転じたものの、2010年度は大震災、リーマンショックの影響もあり赤字に。そのとき、2013年11月末までに公益財団法人に移行できなければ解散という法律が施行され、大ピンチに。それから財務の健全性、経営のガバナンスに大きな努力を。また、多くの方々からのご支援により、2012年度には債務超過から脱却し、2013年度にはやっと公益財団としての認可をされた。債務超過解消には10年を要した。
・日本フィルの事業規模は年間13億円。演奏会チケット収入と演奏会の出前で9億円稼ぎ、国の補助が1億円、企業の寄付が2億円、民間・個人の助成が1億円、これでカツカツ。10~14億円の助成金のあるN響、都響、読響など恵まれた団体もあるが、都市圏のオーケストラはどこも経営が苦しい。海外のオーケストラより内容も良くお安いですから、皆さん是非聴きに来てください。日本での国内外のオーケストラの中で、昨年のランキングでは、ラザレフ指揮日本フィル演奏のショスタコーヴィチ交響曲第15番がトップだった。長い間苦しんできた楽団であるが、皆さんの応援を得て、感謝の心を持った、多くの人の心の襞までわかる数少ない楽団に成長したと思っている。被災地への訪問の他、80名のがん患者さんと第九を歌うイベントも実施した。地味ではあるが、広く長くこうした活動を続けていきたいと思っている。非効率で利益がなくても、暖かい音楽を届け続けていきたいと思っている。
4.人生の第四コーナー(65歳でのオーケストラとの出会い)
・自分自身まさかこの世界に入るとは思ってもみなかったが、まだまだいろいろなところに活動の場はあるものだ。また多くの方の応援も欲しいなあと感じている。
・音楽を志す若い人がたくさん出ているのに、やっとオーケストラに入っても先ほど申し上げた待遇だから、そういう人に少しでも多く場を提供したり、いろいろなお世話をしていくことが大事ではないかと思う。この場の塾員の皆様にも是非ご協力いただきたい。60歳からの楽器教室もやっているので活用願いたい。
・経済中心の日本の社会の中で、これからも芸術家や文化を大事にする社会づくりに専心したいと思っている。

【平井俊邦氏プロフィール】
塾員。S40経(高木ゼミ)。三菱銀行(現在の三菱東京UFJ銀行)の取締役香港支店長、本店第二営業部長、常勤監査役を歴任。千代田化工建設専務取締役、インテックホールディングス取締役副社長兼共同最高経営責任者を経て、平成19年4月日本フィルハーモニー交響楽団理事、同年7月専務理事、平成26年より現職。

【E】Oh!Enkaの会・Songsを開催しました(3月18日)

・3月18日(土)本多公民館・視聴覚室においてOh!Enkaの会・SONGSが開かれました。今回は春の歌を中心に気持ちよく歌い上げました。
指導は森川先生で、歌詞をいかに歌唱に表現をするか、毎回分かりやすく指導されます。
・今回歌った曲は次の5曲(1.若者たち 2.朧月夜 3.花(滝廉太郎) 4.五月の歌 5.さくらさくら)でした。何度も歌っている曲(朧月夜や花)は直ぐに上手く表現できまして、先生のお褒めの言葉ももらいました。
とても楽しい雰囲気の中で、「さよなら集い」を輪になって歌い、お開きとなりました。

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