1. 日時:令和4年6月11日(土)14時30分~16時40分
2. 会場:国分寺市立いずみホール(Aホール)
3. 講師:橋本五郎氏(読売新聞特別編集委員)
4. 演題:岸田政権の今後の行方
5. 来場者:185名(国分寺三田会会員98名、塾員センター、近隣三田会、稲門会21名、
国分寺・小金井在住塾員(非会員)21名、ご家族・ご友人他45名)
今回の講演会は、当国分寺三田会創立20周年の記念行事の一環として開催するもので、1年以上の準備期間をもってタスクフォースを編成し、リーダーの髙橋副会長(S45法)以下幹事全員で取り組んできました。幸いなことに、開催日に近づくにつれ、感染者数に減少傾向がみられ、3年ぶりに対面形式での講演会を開催することができました。
コロナ禍の先行きが見通せない中、コロナ感染状況の把握に努め、政府や東京都、国分寺市の対応を注視しながら、安心・安全の確保を大前提に国分寺市や会場のいずみホールの担当者の方々と緊密な連携を図り、万全を期す覚悟で準備を重ねてきました。
今回の講演会は、国分寺三田会創立20周年の節目を飾る行事ですので、講演会に参加される皆さんの心に響き、長く深く記憶にとどまるような、いわば記念碑的なものにしたいとの強い思いがありました。
このため、斯界一流の講師をお招きできるかが非常に重要なポイントでしたが、昨年5月に、長年に亙り政治記者として活躍され、的確で鋭いコメントに定評のある読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏に講師を打診しました。
橋本氏は、1946年に秋田県で生まれ、1970年に慶應義塾大学法学部政治学科をご卒業の後、読売新聞社に入社され、論説委員、政治部長、編集局次長などを歴任され、現在も同新聞紙上「五郎ワールド」を連載し健筆を揮われるほか、読売テレビウエークアップのコメンテーターとして活躍されているため、スケジュールを割いていただけるかどうか心配しましが、快諾のお返事をいただき、幹事一同にはこの上ない喜びとなりました。
開催当日は、予定開場時刻前から多くの方が会場を訪れ、検温、受付の後、感染症防止対策に向けての注意事項が記載された用紙を受け取り入場が開始されました。最終的には三密対策で収容人員の50%とした席がすべて埋まり、講演開始までの間、慶應カレッジソングが静かに流れ、来場の皆様をお迎えしました。 学生時代や国分寺三田会の20年間の歩みに思いを馳せた方もおられたことでしょう。演台の横の見事な生け花も会場に彩りを与え、記念講演会に相応しい気品を醸し出しました。
定刻となり、司会の上原安江さん(S59文)の開催の辞に続く、平林正明会長(S47経)の開会挨拶の後、いよいよ講師の橋本氏が大きな拍手の中を満面の笑顔で演台に向かい、講演が始まりました。
当日の演題は、「岸田政権の今後の行方」でした。
講演は冒頭から熱を帯び、ロシアによるウクライナ侵攻の背後にある問題、日本が学ぶべき教訓について、時に静かに、時に大迫力のトーンで持論が展開され、橋本氏が「暑くなったから上着を脱ぎます」と、客席の平林会長にジャケットを手渡したころには、早くも「五郎ワールド」に満員の聴衆が魅了され、全員が「五郎ファン」になっているように見えました。
講演はさらに佳境に入り、菅政権と岸田政権の比較、内閣支持率の様々な要因、オリパラ組織委への評価、政治家と決断力など多面的なテーマについて、踏み込んだ見解が惜しみなく披露され、瞬く間に前半を終了しました。
休憩を挟んで、後半は新聞記者を志した理由、亡きご母堂の教えや、故郷秋田の地に蔵書を寄贈して開館した橋本五郎文庫などのお話を経て、喫緊の課題である日本の格差是正問題に触れられ、主張する手段のない人たち、弱い立場の人たちの声に向き合うことの重要性が強く訴えられ、橋本氏の深い見識に裏打ちされた充実した講演内容と温かいお人柄に、共感と感謝を込めて万雷の拍手が送られました。
質疑応答セッションでは、野党の役割と現状の評価、米国の銃規制の問題、SNS全盛の中でのメディアの行方など時宜に適った質問が相次ぎ、それぞれに橋本氏が明快に回答されて、記念講演会の掉尾が立派に飾られ、再び盛大な拍手とともにお開きとなりました。
恒例の講演会後の懇親会をコロナ禍の現状に鑑み、見合わせたほか、安心・安全を最優先させて人数制限を設けて開催に漕ぎつけた記念講演会でしたが、講師のエネルギー、お人柄を直接感じられる肌感覚と講師と聴衆の一体感は、やはり対面形式ならではのものでした。
終了後程なく、多くの方々から感動と感謝の言葉を直接、あるいはメールなどでお寄せいただきました。心から御礼申し上げます。
一連の創立20周年記念行事に相応しい、内容の濃い充実した講演会を安全に滞りなく開催できたことに、安堵と充実感を憶えるとともに、20周年を迎えるまでにご尽力いただいた先達に良い報告ができることを、幹事一同嬉しく思っております。
最後になりますが、超が付くご多忙の中、開催趣旨にご賛同いただき、貴重な講演を賜った橋本五郎様にこの場をお借りして改めて深く感謝・御礼申し上げますとともに、今後の益々のご健勝・ご活躍を心からお祈り申し上げます。