【Y】第31回The Young Salon講演会を開催しました

テーマ:「中国問題」

12月15日午後、ひかりプラザにて、48名の参加の下、第31回The Young Salon講演会を開催しました。講師には、1975年慶應義塾大学経済学部を卒業後、国連日本政府代表部公使、上海総領事、香港総領事、カンボジア駐在特命全権大使などの要職を歴任された隈丸優次氏を迎え、「中国問題」をテーマとして取り上げました。講演の骨子は下記の通りです。

  1. 中国は人権より国家主権を優先する国として、欧米各国から異質な国として思われ始め、その対応に各国は急速に不安を覚えている。
  2. トランプ氏の「アメリカ第一主義」により、これまで米国主導で世界を支えてきた理念・体制・普遍的価値に変化を来している。米国においても、・ロシア・中国と同じように「力」を基本価値とする考え方が強まり、これが軍備拡張の流れを生み、世界情勢を危険水域に導きつつある。わが国としてはこれまでとは違った自主的な外交政策が必要とされよう。
  3. 中国は文化大革命以降78年から「改革開放」が始まり、その後天安門事件が発生したが、その後の経済発展が中国共産党の弱体化ではなく、むしろその支配の強化に繋がった。2001年に中国がWTOに加盟し、北京五輪がきまったことにより、中国愛国主義が一段と進んだ。中国共産党は改革開放を進めると同時に国内統制を強化した。
  4. 米中関係はこれまでの協調体制から急速に競争関係、敵対関係へと変容を遂げつつある。習近平氏は「中国の夢」の実現を図り米国を超えようとしている。他方、「American First」を掲げる米国は孤立したのでは覇権を守れないとのジレンマがある。
  5. 世界の多くの国において、東南アジアを含め、現在民主化の停滞と強権主義の横行がある。中国は支援、貿易、投資を通じて影響力の強化を図っている。一方欧米諸国は自国(地域)内の問題に忙殺される等、世界各地に手が回らないのが実情。
  6. わが国は三本柱(総合力による外交、日米同盟の堅持、ASEANとの共生)の元、外交活動を活発にし、「自由、民主、人権、自由経済、透明性、法治など」の価値を基本とする世界秩序が守られるように努め、国際連帯を進めることが重要。中国とは、その戦略を注視し警戒しながらも対話をし、意思疎通を図って行くことがこの地域の安定と繁栄のために肝要である。

尚、引き続き行われた懇親会には講師を含め22名が参加し、和気藹々の楽しい懇親会となりました。

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