【歴】第98回 歴史をひもとく会 開催報告

会員による歴史談義

歴史をひもとく会第98回例会(会員による歴史談義)が、 秋の青空が爽やかに広がった10月29日(土)国分寺本多公民館において、感染対策に十分に留意して開催されました。出席者35名。第一部は、樋口稔さんによる「私の音楽愛好史」、第二部は車伸一さんによる「東京23区に残る中世の主な城跡」でした。

 

第一部 「私の音楽愛好史」IMG_5047 (2)

講師:樋口 稔(昭和45年経済学部卒業)

昭和45年経済卒(駒場東邦高校)
青沼ゼミ
スキーやゴルフの名手、知る人ぞ知るクラシック音楽の愛好家です!

樋口さんの自分史のなかでクラシカル音楽との出会いについての説明し、それと対比して音楽の歴史に係る説明がなされた。特にピアノに関連する話を中心に短い4曲をカセットデッキに収録し披露して、これ枕に話を展開して説明した。

1曲目 「愛国行進曲」(昭和12年国民精神総動員令によって一般公募され国民歌謡唱となり日本初のミリオンヒットとなった)は小学校入学前に自宅の手回しの壊れかけた蓄音機でこの曲を聞くと気持ちがよくなり気に入っていた。しかしお母さんからは懸けてはダメと言われていた。

2曲目 SP盤は収録時間が短く楽曲の途中で途切れ音質の低下も著しいがピアノについてはレコード録音に代わる自動ピアノがあり紙のロールに記録していた。「パデレフスキーの自作自演のメヌエット」(20世紀最大のピアニストとも評され又、ポーランドの初代大統領でもある)。

3曲目 お母さんのピアノ教室で生徒が弾いた最も印象に残る曲「ハイドン ピアノソナタ37番第1楽章 エッシェンバッハの演奏」ハイドンの時代はクラビィーア楽曲でありチェンバロ=ハープシュコードで演奏され音量、音色が異なる。今エッシェンバッハが指揮者としても大活躍している。

4曲目 ウクライナ侵攻はクラシカル音楽界にも影響が出て国際コンクール連盟からチャイコフようスキーコンクールは除名された。ウクライナは世紀の大演奏家を輩出している。最後に早期の停戦を願ってウクライナ出身のヴァイオリンニスト アイザック・スターンの演奏で「クライスラー作曲 クープランのスタイルによる”才たけた貴婦人“」(樋口さんがクライスラーの中では最も好きな曲)で締め括った。

 

第二部 「東京23区に残る中世の主な城跡」IMG_5060 (2)

 講師:車 伸一(昭和46年経済学部卒業)

昭和46年経済卒(慶應義塾高校)
体育会 フェンシング部
歴史散歩の案内人を務めるなど、江戸のまち歩きの達人ですが、今回のテーマは中世(室町~戦国)です。

まず日本の城について、空堀と土塁で構成されていた中世の土の城と、天守が聳え石垣で囲まれた近世(安土城以降)の石の城との違いについて解説があり、現在の東京23区の中には戦国時代まで約100の中世の城があったといわれていること、その中から今日は12の城について紹介する旨が述べられた。
次に中世(室町時代から戦国時代)の関東の政治体制とその動きについて、28年も続き関東における戦国時代の始まりといえる享徳の乱および長尾景春の乱を中心に語られ、その中で今日紹介される12の城がこの2つの乱とどう関係していたか、扇谷上杉氏の家宰であった太田道灌がこれらの乱においていかに活躍したかについて簡潔に触れられた。
その後、いよいよ城跡の紹介となり、太田道灌が築城した江戸城(千代田区)、稲付城(北区)、豊島氏の城であった石神井城(練馬区)、練馬城(練馬区)、平塚城(北区)、道灌(扇谷上杉氏)が千葉氏に与えた赤塚城(板橋区)、志村城(板橋区)、石浜城(荒川区または台東区)、千葉氏が築いた中曽根城(足立区)、板橋氏が築きその後千葉氏に属した板橋城(板橋区)、足利一門の名家奥州吉良氏が築いた(世田谷城世田谷区)と奥沢城(世田谷区)の12の城について、築城者、築城時期、城跡の地形、主な城主、前述の2つの乱との関係、廃城となった時期と理由、城跡の現在地について、自らが撮影した写真と共に一つ一つ詳細な紹介があった。
参加者からは、現在の東京都心部にこれほど多くの城があったとは知らなかった。一度案内して欲しい等の声が聞かれた。

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< 次回の例会 >

令和4年12月17日(土)  もとまち公民館 14:00~

講師  十川陽一  慶應義塾大学文学部准教授
演題  「古代の武蔵国のなりたち」
会員の皆さんには、準備出来次第ご案内いたします。