【E】第132回 Oh!Enkaの会報告

 昨年の9月9日にコロナ禍のため休止していたOh!Enkaの会が再開されてから今回が2回目の開催となります。「塾歌」「若き血」は引き続きマスクを着用して歌う等安心・安全を考慮して開催。音楽は元気の源と言われるように参加者全員が一体となり講演会、コンサートとも大変盛り上がりました。次回もご期待ください。
  1.日時 2023年12月17日(日) 午後2時00分~4時30分
  2.会場 本多公民館・視聴覚室
  3.出席者 会員44名、出演者及び関係者6名 計50名
  4.プログラム

♫塾歌斉唱  ピアノ伴奏 吉村美華子
第1部 講演会
 演題『バルカンから響け!歓喜の歌』
  講師:コソボフィルハーモニー交響楽団 主席指揮者 バルカン室内管弦楽団 音楽監督 柳澤寿男氏
第2部 コンサート  ピアノ 吉村美華子 バリトン 成田博之
  ♪ショパン練習曲作品25-1  ♪ショパン 幻想即興曲    ♪ショパン マズルカ作品67-4
  ♪落葉松(成田博之)      ♪岩川智子 朧月夜に寄せて  ♪ドビッシー 月の光
  ♪坂本龍一 水の中バガテル   ♪ヴェルデイ「椿姫」よりプロバンスの海と陸(成田博之)
  ♪帰れ!ソレント(成田博之)  ♪オー・ソレ・ミオ(成田博之)
♫若き血斉唱 ピアノ伴奏 吉村美華子

◎第1部 講演会の要旨:演題:『バルカンから響け!歓喜の歌』
  
講師:柳澤寿男氏  コソボフィルハーモニー交響楽団 主席指揮者  バルカン室内管弦楽団 音楽監督
(はじめに)
 代表世話人の塩井さんから今回の講演会の経緯と主旨説明があった。今から13年前の2010年、第30回Oh!Enkaの
 会でこの同じ場所で講師の柳澤氏によるコソボの講演をして頂いた。講演から10年経った頃、その後のコソボの状
 況はどうなったのか?との声も聞かれ、また新しい会員も増えてきたため再度2020年2月に柳沢氏に同じ講演をお
 願いし企画していました。ご存じのようにこの頃コロナが蔓延し始めたため準備万端で講演会を予定していたが、
 止むを得ず中止させて頂いた。柳澤氏が書かれた本、題名『バルカンから響け!歓喜の歌』を改めて読み直してみる
 と随所に音楽の持つ力を感じることが出来ました。このような背景を踏まえ柳沢氏の講演を聞いて頂ければ幸いで
 す。

(柳澤氏の講演要旨)
 皆さん、こんにちは!今日はどういうお話しをするのがよいのかOh!Enka(演歌)の会ということで演歌が好きな
 方の集まりで難しいコソボのような真面目な話をするのはどうかとも思いましたが、楽屋で伺いましたらOh!Enka
 の会は応援歌を歌うことが中心であり、「塾歌」を作曲された信時潔氏が人生の半分、国分寺市に在住されていた
 ということもわかり、先ほど「塾歌」を歌われた国分寺三田会の皆さんとのこういったご縁もあるのだ、さすが三田
 会だなあと思いました。さてお配りしたバルカン半島の地図をご覧いただきながら講演を聞いていただければと思い
 ます。バルカン半島は地中海に面していますが旧ユーゴスラビアが冷戦終結後、7か国に分離、独立して、民族・宗
 教関係は複雑にいりくんでいます。地図の北からスロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツエゴビナ、セルビア、
 モンテネゴロ、(コソボ)、マケドニア、アルバニアがあります。バルカン周辺マップ

1)アルバニア:
 道路がちゃんとしておらず全部峠です。とにかく
 移動しにくいというのが実感で戦争をやっていた
 のでまわりの国々に簡単にいけたらこまるわけで
 す。インドやシリアや中東からヨーロッパに移動
 しようとすると必ず通るところがアルバニアの
 バックパカーホテルというところであってこの
 あたりで演奏会があると意外に楽しく私もオー
 ケストラが手配してくれたホテルよりこのホテル
 を利用していました。このホテルはBoxに自分が
 決めた料金を支払えば泊まれるホテルで東から来
 た人が毎日来るが、西へ向かう際このホテルを
 利用している人が多くこの宿泊客の話を聞くこ
 とが大変面白い。アルバニアにいると、歌劇場等
 に居ると床がギシギシ、揺れたりします。ピアノ
 も鍵盤を押すと戻ってこなかったり、横に10円玉
 を挟むと上がってきたりとヨーロッパの最貧国の
 面白い話です。

2)モンテネグロ:
 クロアチアは人も多く混雑していますが、クロア
 チアの海岸沿いの街を少し小さくしたような街が
 モンテネグロにあってアドリア海沿いの本当に綺
 麗なところがあります。人も少ないので観光には
 すごくお薦めです。2006年頃にセルビアから独立
 しています。独立から遡ると日露戦争の時にロシ
 アを応援していたのがモンテネグロ。ですから日
 本とは敵対関係にあった。両政府とも書面上は敵
 対関係を改善しないまま2006年まできてしまい日
 本とは戦争状態にあった。このためセルビアがモンテネグロから独立した時に日露戦争が終結する平和条約が盛り込
 まれ現在は平和状態に戻っています。

3)ボスニア・ヘルツエゴビナ・セルビア・コソボ:
 ここは戦争でも大変な被害が出た場所。首都サラエボのサッカーグラウンド等10万人規模の犠牲者がでたようで
 す。ソレイニッタという地方都市は地雷源が埋まっている場所であり、私もJICAの方と訪れましたが、ここでは
 ボスニア人が国連に逃げ込んで来た時に5000人の被害者が出たといわれています。いまでもDNA鑑定で亡くな
 った方々の調査が毎年続けられています。サラエボにはプロのオーケストラ、サラエボフィルハーモニーが一つ
 だけあるのですが、今回日本での「バルカン室内管弦楽団」公演にも来ていただいたバイオリニストの女性の一人
 はここの出身であり、自宅からスナイパー通りといわれる危険な場所を避けて遠回りして普通は5分で車で行ける
 ところですが 危険を避け1時間かけリハーサル練習に毎日通っていたとのことです。隣の合唱練習の部屋は戦争
 中着弾していたよ うですが、戦争中は停電になることも多く、コソボもそうですが、ホールの中の電気がない。
 電気は川の近くの自家発電を利用して演奏会をやっていたとのことです。とにかくお客さんも来るのが大変である
 にも関わらず超満員で病院が壊れても、学校が壊れてもお葬式は続いていますし結婚式も続いていました。ハード
 は壊れてもソフトの部分は続いていく。セルビアはかわいそうだとか独立する以上セルビア人とも闘わなければな
 らないしセルビアとクロアチア、セルビアはNATOの空爆を受けたし、国際社会からも経済制裁を受け、経済が超
 インフレとなり日本円で5000億円札が出来た感じ。ほとんどお金の価値がない状態に陥った。コーヒーを飲むに
 も札束をもっていかないと飲めない状況に。そんな時代の大変な経験を経た人達をバルカン室内管弦楽団に集め、
 今回も日本に来日して頂き11月29日バルカン室内管弦楽の演奏会を開催した。この楽団を16年前の2007年にバル
 カン室内管弦楽団を立ち上げようとしたが、上手くいかず、民族の融合が難しくいかに大変で危険なことか。
 2008年にもチャレンジしたが、この時も実らず、2009年5月17日に国連の開発計画とかコソボ計画といった警察
 や軍隊関係者の警備の協力を得て漸く立ち上げることが出来た。コソボは90%アルバニア人10%セルビア人と
 の融合をどのように図っていくのかが課題であった。コソボ北部のミトロヴィツアという町がドナウ川の支流にあ
 り、川は国境になっていることも多い。この町には30M程の「対立の橋」がある。橋の南にアルバニア系住民、北
 にセルビア系住民がいて紛争以来、交流が途絶えていた。南のアルバニア系の市長、北のセルビア系市長に演奏会
 の相談をしたところ両市町共受け入れてくれた。但し、条件として①楽団員のことは一切公表しないこと。②演奏会
 の開催日は開催日の3日前まで公表しないこと。これは反対派に爆弾を仕掛けられる等の危険の恐れがあるため。
 ③警備、安全対策をしっかりすること。これらを全部クリアーして漸く演奏会にこぎ着けた。演奏会は南と北で1回
 ずつ安全に開催できた。練習から本番まで厳重な警備の下,演奏者達はお菓子を「食べる?」と分け合う・から打
 ち解け始め音楽でもハーモニーが生まれていった。終了後は奏者同士で連絡先の交換、我々くらいはこの橋を「対
 立の橋」ではなく「再会の橋」と呼びたいねと語り合い今でも忘れられない歴史的な感動的な演奏会となった。
 その後、セルビア人、アルバニア人、マケドニア人等7カ国の参加する民族が広がり混成によるバルカン室内管弦
 演奏会への奏者、参加者が増えている。

4)最近はワールドピースコンサート(World Peace Concert)をやっている。場所はジュネーブ、ウイーン、東京、ニューヨーク-、サラエボ、ローマ等世界各地で行っている。WPCの主旨は民族の共存・共栄を図ろうとするもの。バルカン半島に限らず国境を接し、隣にいる人々とは何かしらの問題を抱えていてお付き合いが難しく紛争が絶えない。これは世界的にみても同じことが言える。地球市民として民族や宗教等を超えて同じ地球に住む地球市民としてお互い受け入れてもらうのが一番いいよねというのがコンセプトでこのコンサートを展開している。

5)最後に長野県をまとめた大合唱「第九」の話し。バルカン管弦楽団は多くの民族を音楽を通じて融合、平和を目指そうとするものだが、同じようなコンセプトで私は長野県諏訪の出身ですが、長野県を「第九」で一つにしようというコンサートを2018年に実施した。長野県は平成の大合併により77市町村となった。長野県の広い市町村から2名の代表者を出してもらい長野県大合唱団を作り第九を歌い、アンコールは『信濃の国』を全員で合唱するコンサートを企画。市町村の事情により広くて人口の多い地域はすぐに集まるが、人口の少ない町村は色々な事情を抱えており人が集まらない。三分の一は人が集まらなかったので私が直接各地に出かけて行き交渉し個別の事情に対応して何とか人を集めることができた。参加者全員で「第九」を歌い、アンコールで「信濃の国」を歌ったこの大合唱は感動的であった。音楽で全員が一つになる。音楽は参加者を特別な気持ちにしてくれる。そして参加者が特別な気持ちになったということが大事でこれが音楽の力であり、音楽の素晴らしさだと思いました。

6)最後にQ&A
Q-1:バルカン半島の国々は分かれているが言語はどうなっているのでしょうか?
A.国として独立しているところはそれぞれの言語がある。大きく分けるとアルバニア語の人とそれ以外の人に分かれる。ロシア語も半分くらいはわかるようです。これはスラブ語圏のスラブ語から枝分かれしていることが理由。アルバニア語はスラブ語でもなく独自の言語で日本語の辞書もない。

Q-2:この地域の民族的な音楽の特徴は何かあるのでしょうか?
A.日本の人はこの地域の音楽をほとんど聴くことはできませんが、バルカン半島は西と東の境目であること。キリスト教とイスラム教が歴史的に入り組んでいること。キリスト教的な音楽、スラブ的な音楽が入り混じっている。スラブ特有だと思いますが、変拍子が得意で体感している。複雑な変拍子でも皆さん踊れるし、すごく得意である。ごく自然に元々の血であるかのようにリズミカルに体内リズムで踊れる。面白い場所です。

Q-3:先日はバルカンコンサートを聴かせていただき有難うございました。7ケ国から参加された奏者をまとめるにはご苦労があったことと思います。楽団をまとめる一体となるきっかけとなったこと等があれば教えてください。
A.最初に民族共栄が管弦楽団のコンセプトですよとPRしているので共感できない人は入団しないので基本的には仲良く演奏するということで集まっています。ただ、国連の場でコソボの人が管弦楽団を俺たちのものだと叫んでしまったり 国連の会場にコソボの人が入れなかったりとか(コソボは国連に加盟していないので止むを得ないが)多少違和感があることはあります。言語の問題で本来は子供の頃教育を受けているのでしゃべれるのにしゃべりたくないという内面の問題もあるので私自身、現地の言葉は使わず第3者の英語で指導することもある。

Q-4 コソボ滞在時の停電時の対応や治安の面で危険なことに会われたことがあれば教えてください。
A.住んでいると治安の面ではあまり危険を感じたことはありません。
2011年10月6日に激しい腹痛が起こり元気な時には感じなかったが、病気になって初めて心細くなった。お医者さんのクオリテイが低いので現地の人からは3人のお医者さんに診てもらって同じ答えがでてから対応するのが良いとアドバイスされた。自分で総合的に判断し、盲腸ではないかと推定、ドイツに行って手術をしようと決断。3人の医者からは12時間以内に手術しないと危ないと判断されていたが、幸い24時間以内にドイツに駆け込んだ手術で助かった。

◆講師プロフィール:柳澤寿男氏
 旧ユーゴスラビアを中心に活動する日本人指揮者として知られる。2005年~2007年、マケドニア国立歌劇場主席指揮者。2007年、国連コソボ暫定行政ミッション下のコソボフィルハーモニー交響楽団首席指揮者に就任。2007年、バルカン半島(特に旧ユーゴスラビア)の民族共栄を願いバルカン室内管弦楽団を設立。これまでにウイーン、ジュネーブ、ベオグラード、ニューヨーク、東京等世界各地でコンサートを開催。諏訪内晶子氏(バイオリン)、パスカル・ロジェ氏(ピアノ)など世界的なアーテイストと協演。2019年、コソボ大統領の来日に伴い、天皇陛下が柳澤のコソボでの活動に言及される。長年、コソボフィルをリードし、文化・芸術面において、戦後コソボの文化をサポート、またバルカン室内管弦楽団を通して地域平和を助けていると「大統領勲章(文化功労章)」を叙勲される。日本国内では数多くのメジャーオーケストラに客演。現在、バルカン室内管弦楽団音楽監督、コソボフィルハーモニー交響楽団首席指揮者、ベオグラード・シンフォニッタ名誉主席指揮者を務める。坂本龍一氏が音楽監督を務める東日本大震災の復興支援オーケストラ、東北ユースオーケストラの指揮者。また、クラシックとホップスの融合を目指す、ビルボードクラシックシリーズで指揮者を務め、玉置浩二氏等と共演中。2020年4月、京都フィル室内合奏団ミュージックアドバイザーに就任。著書に『バルカンから響け!歓喜の歌』(晋遊舎より)

◎第2部 コンサート  ピアノ 吉村美華子氏 バリトン歌手 成田博之氏

♪1.ショパン 練習曲作品25-1
 ピアノを一度でもやったことがある方にとってショパンのこの曲は馴染みのあるピアノらしい曲。夫婦で音楽の仕事をしていて嬉しいことはこのように皆さんと出会えたり、人と人との出会いの場が提供できたりすることです。12月に4回イギリスのロスチャイルド家に繋がる英国のソプラノ歌手シャーロツトさんと共演をする機会があった。よくよく彼女の話しを聞いてみると彼女の曾祖母のピアノの先生がショパンであったとのことでそのロスチャイルド家がショパンから献呈された歴史的な譜面を持っておりその譜面のマズルカ作品67-4の曲、これを弾きたいと思います。ショパンの香りを感じながらお聴きください。

♪2.ショパン 幻想即興曲

♪3.ショパン マズルカ作品67-4

♪4.落葉松  (成田博之)
 バリトンの成田です。ピアニスト吉村さんとのご縁で小平にある音楽事務所で小中学生、高校生向けのオペラ教室でご一緒させていただきました。日本中の全ての県を巡って全国行脚しオペラを歌う機会があり、オペラのカルメンの曲だけでも30回程歌いました。今日は4曲歌わせて頂きます。小林秀雄氏が作曲した「落葉松」作詞は野上彰氏、川端康成氏に師事していたので軽井沢によく通っていた。落葉松の景色をよく見ていて軽井沢が好きな方でした。小林氏も軽井沢が好きでよく行っていたようです。秋の黄金色に輝いている落葉松は忘れられない風景だと思います。私も落葉松の枯れ葉を踏みながらその音を聴きながら歩いた思い出は今も忘れられない思い出の一つです。では「落葉松」をお聴きください。

♪5.岩川智子 朧月夜に寄せて
 自然をテーマにした曲もよいので月をテーマにした曲を2曲。私の好きな朧月夜を岩川智子さんにお願いして頼みに頼んで作曲していただきました。私のためだけに献呈していただいた曲で現代的にアレンジされています。
2曲目は皆さんお聴きしたことのあるドビッシーの「月の光」です。「朧月夜」の曲のほうが「月の光」より新しく作曲されていたこともわかり意外でした。

♪6.ドビッシー 月の光

♪7./坂本龍一 水の中バガテル
 この曲の紹介は坂本龍一氏との協演が多かった主人(柳澤)にお願いします。柳澤氏より坂本龍一氏が音楽監督を務める東日本大震災の復興支援オーケストラの東北ユースオーケストラの指揮者をまかされていました。朗読は吉永小百合さんが担当。復興支援コンサートは今年の3月26日に予定されていましたが、坂本氏はその2日後の3月28日に残念ですが、亡くなられました。坂本氏が亡くなる1週間前の3月19日に私と坂本氏との打ち合わせがあり、この頃は予想以上に体調が悪く大分弱っていました。そんな中3月26日の東北コンサートのすり合わせをリモートと電話でしていました。体力が落ちている中、龍一氏が最後に大きな声で私に「有難う、有難う」と言ってくれた言葉が今でも耳に残っています。坂本さんは自分はドビイシーの生まれ変わりだと言っているようにフランス音楽に精通していました。透明感のある心が洗われるような素晴らしい曲「水の中のバガテル」をお聴きください。

♪8.ヴェルデイ「椿姫」よりプロバンスの海と陸(成田博之)
 成田氏、今、「水の中のバガテルを」を聴いて、今日このピアノは色々な曲を弾いてもらって大変喜んでいるなと感じました。また、ピアノもよく鳴っていますね。(笑い)私もよくオペラを歌いますが、「椿姫」はオペラの人気投票で1番、2番を取れる有名な曲です。「乾杯」も有名なオペラ曲としてパーテイー等でよく歌われます。そんな中、「椿姫」パリの社交界にあこがれた息子を引き戻すためにやって来たお父さんが歌う部分をこれから歌います。オペラの面白いところは着物を着てメイクもしながらお客様を楽しませて歌うところがよいと感じています。話は違いますが、佐渡裕さんが「カルメン」を歌う場面を歌っていて闘牛士の服を着て、着替えのシーンを見せる場面があります。この着替えは自分ひとりでは着られないということがよくわかりました。牛の角が闘牛士に貫通しないように胸元の部分には鉄板が入っていたり、膝も曲がらないようにピタッと真っすぐになっているので人形のように二人がかりで持ち上げてもらいスポッと足にはまるように着せてもらうことになる。学校のオペラではピンクのストツキングを履いていると笑われることも多かった。この色は一番偉い闘牛士が履くソックスの色。オペラをやっていると色々な人物を演じることが出来るので面白い。さてお父さんです。息子よ、社交界におぼれていないで我が家のためにも妹のためにも家に帰っておいでよ!と歌います。

♪9.帰れ!ソレント(成田博之)
 私はオペラが好きでこの世界に入ったという思いがあります。イタリアの隣にアルバニアがあります。モーツアルトのオペラに女は皆なこうしたものというオペラがあり、その中に恋人を入れ替えて口説こうかという男の遊びのオペラがあります。変装して、お相手の恋人を口説く。金持ちのアルバニア人で立派な髭をもつ男が勝つというオペラです。私はイタリアのオペラが好きでよく歌っていました。オペラは1600年頃少し前にイタリアで生まれ、日本では関ヶ原の戦いがあった頃です。この頃ヨーロッパではオペラがつくられて歌われていたので不思議な気がします。カンツオーネもよく歌っていました。1900年頃のソレントとか、ナポリは未だ貧しい国でした。タイタニック号も上の階はお金持ちが乗っており、下の船底に近い階にはアメリカに行って一旗揚げようという貧しい人たちがたくさん乗っていました。外国に行ってもこの素敵な土地ソレントを忘れないで帰って来いよという歌「帰れ!ソレント」をお聴きください。

♪10.オー・ソレ・ミオ(成田博之)
 この楽しい時間も最後になりました。イタリア人はマジャーレ:食べるのが好きで、カンターレ:歌うのが好きで、アモーレ:愛が大事でこれは第2の国家、失恋の曲だけど素敵な曲です。今日はクリスマスコンサートかと思ったら Oh!Enka(演歌)の会で違っていました。(笑い)イタリアの演歌で盛り上げようと思っていましたら、演歌でなく応援歌の会が正解でした。(笑い)
最後に私の太陽、オー・ソレ・ミオを歌います。

♫ 若き血斉唱 ピアノ伴奏 吉村美華子
 塩井代表世話役より次回以降のアナウンスがあり、最後に井上会員のリードで参加者全員で「若き血」を歌いお開きとなりました。

◆ピアニストプロフィール:吉村美華子氏
 桐朋女子高等学校音楽科,桐朋学園大学ピアノ科を卒業。高柳朗子氏に師事。シュヌア・アカデミーにてF.W.シュヌア教授に師事。東京シテイフィルハーモニック管弦楽団、サラエボフィルハーモニー交響楽団など多くのオーケストラと協奏曲を協演。2005年、夫(柳澤寿男氏)とともに渡欧し、マケドニア旧ユーゴスラヴィア国立歌劇場でコレペテイトールを務め「トスカ」「カルメン」「蝶々夫人」など多くの講演に尽力。国内でも多くのオペラをピアノ演伴奏にて上演。夫(柳澤寿男氏)が2007年に設立したバルカン室内管弦楽団ではスコピエ公演・プリシュテイナ公演等に出演。東京公演では、ヴァイオリニスト漆原啓子氏とともにメンデルスゾーン「ヴァイオリンとピアノの為の協奏曲」を共演し好評を博す。2019年の東京公演において被爆ピアノを使用してのショパンピアノ協奏曲の演奏(朗読付き)も注目を集めた。また、英国のソプラノ歌手シャーロット・ドウ・ロスチャイルド氏と度々共演。「徳川家とロスチャイルド家世紀の対談コンサート」では、ロスチャイルド家に献呈されたショパンのワルツOp.67-4と、バラード四番を演奏。 「世界平和コンサートへの道」キックオフ・コンサートでは、第2次世界大戦時に爆心地より1.2キロにあり被爆したピアノを東京・HAKUJYUHALLにて使用し平和への思いに共感する音楽家達とともに演奏。カルザス「鳥の歌」。リスト「愛の夢3番」。武満徹「死んだ男の残したものは」。ラヴェル「左手の為の協奏曲(2台ピアノによる)。」「戦後70年に奏でる被爆コンサート(岡谷市文化会館カノラホール)」での公演は、信越放送のドキュメンタリー番組「SBCスペシャル」にて放送された。

◆バリトン歌手プロフィール:成田博之氏
 国立音楽大学声楽家、同害学院オペラコース終了。文化庁オペラ研修所第10期終了。第8回日本声楽コンクール1位、第69回日本音楽コンクール3位、第5回藤沢オペラコンクール2位、2003年ミトロプーロス国際声楽コンクール(アテネ)最高位。文化庁在外派遣研修員としてイタリア・ボローニャにて研鑽を積む。オペラ歌手によるクラシカルクロスオーバー「ザ・ジェイド」メンバー、二期会会員、国立音楽大学准教授。

◎Oh!Enkaの会世話役代表:塩井勝也(S41法)
世話役:髙橋伸一(S45法)、久保田宏(S46工)、坂田久美子(S46文)、池田敏夫(S47商)、芳賀  崇(S47経)、平林正明(S47経)、山田  健(S47経)、井上  徹(S49政)、清水靖子〈S49薬〉、塚原正典(S54文)

◎次回(133回Oh!Enkaの会)の予定
日時 : 2024年3月30日(土) 午後2時~4時  会場:本多公民館・ホール
プログラム:テノール歌手 藤沼哲朗、サックス奏者 岸 義紘

◎次々回(134回Oh!Enkaの会)の予定
日時:2024年5月18日(土)午後2時~4時、会場:リオンホール・Aホール(国分寺駅ビル)
プログラム:メゾソプラノ歌手 進美沙子、テノール歌手 小島常弘、ピアニスト 西澤ことは、
筑前琵琶奏者 城戸義明

スナップ写真集を掲載しています。是非ご覧ください。ここをクリック

【E】第131回Oh!Enkaの会報告

コロナ禍のために活動を休止していたOh!Enkaの会が3年8か月ぶりに開催されました。
「塾歌」・「若き血」の斉唱時には全員がマスクを着用して小声で歌う等、安心・安全に注意した
開催となりましたが、会員にとっては待ちに待った再開であり、久しぶりに生の演奏を全身で感じ、
会場が一つになった2時間40分でした。

第131回Oh!Enkaの会
1.日時:2023年9月9日(土) 午後2時~4時40分
2.会場:本多公民館 視聴覚室
3.出席者:会員50名、出演者6名、計56名
4.プログラム
  塾歌斉唱 ピアノ伴奏 川端友紀子
  ◆第1部 ピアノ演奏 川端友紀子
    ・フォーレ     組曲「ドリー」(4手連弾)より、子守歌
    ・ドビュッシー  アラベスク第1番
             「ベルガマスク組曲」より、月の光
    ・ショパン    「24の前奏曲」より、第7番
             ワルツ第6番 「小犬」
             ワルツ第4番 「華麗なる大円舞曲」
    ・ブラームス    間奏曲 作品117−1
    ・シューマン=リスト 献呈(君に捧ぐ)
    ・中田喜直    「日本の四季」(4手連弾)より、初秋から秋へ
              五月晴れと富士山
  ◆アトラクション 丸山 茂会員の手品
  ◆第2 部 弦楽四重奏 シニア・アンサンブル・ワグネル
   【クラシック】
    ・ゴセック    :ガボット
    ・レスピーギ   :「 リュートのための古風な舞曲とアリア」より、イタリアーナ
    ・モーツアルト  :弦楽四重奏曲第4番K157第1楽章
    ・ドボルザーク  :新世界交響曲第2楽章より
   【ポピュラー】
    ・ジョプリン   :ジ・エンタテイナー
    ・ジーツィンスキー:ウィーンわが夢の街
    ・モノー     : 愛の賛歌
    ・ヤコブ・ゲーゼ : タンゴ・ジェラシー
   【日本の歌】
    ・中田喜直    :夏の思い出
    ・中田喜直    :ちいさい秋みつけた
    ・井上陽水・平井夏美:少年時代
    ・中村八大    :上を向いて歩こう
  ◆若き血斉唱  ピアノ伴奏 川端友紀子

第131回Oh!Enkaの会概要
最初に塩井世話役代表から挨拶があり、3年8カ月ぶりにOh!Enkaの会を再開できたことの喜びと、
当面はミニコンサートと講演会を中心とした開催となるが、以前にも増して楽しいOh!Enkaの会
にしていきたいとの強い思いが述べられました。
次いで、ゲスト演奏者の川端友妃子様のピアノ伴奏で塾歌を斉唱しました。本来であれば塾歌の他
に何曲かカレッジソングを歌うのですが、もう少し時間がかかるかもしれません。

第1部は川端友紀子様によるピアノ演奏です。ドビュッシー、ショパン、リスト等のロマン派の作曲
家のピアノ曲と中田喜直の曲をについて、曲の生まれた背景やエピソードなど興味深いお話も交え
て演奏していただきました。
最初にお母様の川端博美様との4手連弾でフォーレの子守歌の演奏が始まりました。この曲は、フ
ォーレの友人の娘(後年のドビュッシー夫人)の娘のドリーの誕生祝に書かれたものです。ドビュッ
シーは、本当は歌曲を書きたかったのですが、生活のためにピアノ曲を書いていたそうです。
川端様よりルノアールの絵の紹介がありましたが、ドビュッシーは親交のあった富豪の2人の娘に
曲を書き、同じ富豪と親交のあったルノアールは姉妹の絵(オランジェリー美術館に展示)を描いて
います。
ショパンは初めてピアノレッスンで生計を立てることを確立しましたが、当時のショパンのレッス
ン料は現在とほぼ同じで、1時間2万円、出張レッスン料は3万円(交通費別)だったそうです。また
ショパンは流行に敏感で、作曲家として初めて写真を撮影しています。ショパンのワルツ第6番は
「子犬のワルツ」として知られていますが、ワルツ第4番「華麗なる大円舞曲」は別名「子猫のワ
ルツ」とも呼ばれています。
ブラームスはお金には執着がなく、財産管理は出版社に任せていたそうです。間奏曲作品117-1は
ブラームス晩年(59歳)の作品で、ブラームスの孤独な内面を映し出した作品となっています。
献呈(君に捧ぐ)はシューマンが歌曲として作曲した作品をリストがピアノ曲として編曲したもので
す。当時のリストは超絶技巧を駆使した演奏が大人気で、演奏料も高かったそうですが、晩年は得
た財産で慈善活動にも励んでいました。ちなみにピアノリサイタルはリストが確立したと言われて
います。
第1部の最後には、再び川端様のお母様との4手連弾で中田喜直の「日本の四季」より「初秋から
秋へ」と、「五月晴れと富士山」を演奏していただきました。連弾ならではの迫力と立体的で深
みのある演奏で会場が一層華やかなものになりました。

休憩の後、アトラクションとして丸山茂会員の手品が披露されましたが、玄人はだしのあ
ざやかな手さばきと軽妙なトークに会場は大いに盛り上がりました。

第2部はシニア・アンサンブル・ワグネル(SEW)による弦楽四重奏(カルテット)です。代表の金澤
様と伊東克会員がゼミのご友人であることがきっかけとなって、2020年2月にはOh!Enkaの会で
のコンサートが検討されましたが、コロナ禍によって見合わせられ、この度3年越しで実現の運び
となりました。カルテットメンバーは全員ワグネル・ソサィエティ・オーケストラ(ワグネル・オ
ケ)出身で、2017年にワグネル・オケOBによって設立されたシニア・アンサンブル・ワグネル
(代表:金澤洋様)に所属されています。合奏の原点と言われる弦楽四重奏を心ゆくまで堪能するこ
とができました。
【クラシック】
最初の曲はベルギー出身の作曲家ゴセックの「ガボット」です。ガボットはフランスのフォーク
ダンスとそれに由来する古典舞曲であり、バイオリンの習い始めには必ず弾く曲だそうです。
次いでローマ三部作(ローマの噴水・松・祭り)で有名なイタリアの作曲家レスピーギがリュート(撥
弦楽器)のための曲を弦楽四重奏用に編曲した「イタリアーナ」と、モーツァルトの初期の頃の作品
で、ミラノ滞在中に作曲されたと言われる「弦楽四重奏曲第4番K157第1楽章」が演奏されました。
クラシックの最後はドボルザークの「新世界交響曲第2楽章」です。ドボルザークがアメリカから故
郷のボヘミヤの自然を懐かしく想う気持ちが伝わってきます。
【ポピュラー】
最初は、アメリカの作曲家ジョブリンの「ジ・エンタテイナー」です。この曲はアフリカ系アメリ
カ人によって酒場などで演奏されていたラグタイム曲であり、1973年のアカデミー賞受賞映画「ス
ティング」のテーマとして使用されたことで注目されました。
2曲目はオーストリアの作曲家ジーツィンスキーの「ウィーンわが夢の町」です。ウィーンへの思
いをノスタルジックな賛美を込めて作曲されました。ウィーン市民にも愛され、多くの歌手によっ
て歌われています。
3曲目はフランスのモノ―によって作曲された「愛の讃歌」です。フランスのシャンソン歌手エデ
ィット・ピアフによって歌われ、シャンソンを代表する名曲として世界中で親しまれています。
ポピュラーの最後の曲はデンマークの作曲家ヤコブ・ゲーゼによる「タンゴ・ジェラシー」です。
情熱的なアルゼンチンタンゴとは異なり、コンチネンタルタンゴのロマンティックで哀愁を帯びた
響きが特徴です。
【日本の歌】
偶然にも川端友妃子様のピアノ演奏曲の作曲者と重なりましたが、1曲目と2曲目は中田喜直作曲の
「夏の思い出」と「小さい秋見つけた」です。中田喜直は東京生まれで、フェリス女学院短期音楽
大学で30年余り教鞭をとられていました。
3曲目は井上陽水・平井夏美共作の「少年時代」です。某TV番組で、大人も子供も好きな歌No1に選
ばれたそうです。
最後の日本の歌は、永六輔作詞・中村八大作曲、坂本九が歌って大ヒットした「上を向いて歩こう」
です。全米でも大ヒットし、その歌詞から日系人にとっても心の支えとなった曲となりました。
【アンコール】
アンコール曲としてモーツァルトの楽曲の中でも有名な曲の一つである「アイネ・クライネ・ナハ
トムジーク」が演奏されました。

最後に、川端友妃子様のピアノ伴奏、井上会員のリードによって「若き血」が斉唱され、お開きとな
りました。

当日のスナップ写真は  ここをクリック”  でご覧いただけます。(斎藤 信雄会員、久保田 宏会員撮影)

演奏者プロフィール
【川端友紀子】
 桐朋女子高等学校音楽科、慶應義塾大学環境情報学部卒業。パリ・エコールノルマル音楽院高等演奏
 ディプロムを取得し第2課程(修士課程)修了、及び室内楽クラスを審査員満場一致で修了。(財)野村国
 際文化財団、Zygmunt Zaleski Stichting財団奨学生。
 7歳で東京ニューシティ管弦楽団とモーツァルトのピアノコンチェルト第8番リュツォウを共演。
 PTNAピアノコンペティション全国大会銅賞、全日空賞受賞。全日本学生音楽コンクール東京大会本
 選入選。マイエンヌ国際ピアノコンクールファイナリスト(フランス)。ワルシャワ音楽院セミナー、
 クールシュヴェル夏期国際音楽アカデミー、クレフェルト国際ピアノマスタークラス、ニース国際音
 楽アカデミー等に参加。フランス、ドイツ、日本でのソロリサイタルをはじめ、マコン夏の音楽祭、
 丸の内トラストシティ・ランチタイムコンサート等、各地のコンサートに出演。ソロのほか、室内楽、
 オーケストラ、声楽伴奏ピアニストとしても活動している。
 桐朋学園大学特別招聘講師。同大学音楽学部附属子供のための音楽教室お茶の水教室講師。日本ピ
 アノ教育連盟会員。立川三田会会員。

【川端博美】
 1974年早稲田大学法学部卒業。立川稲門会会員。

【シニア・アンサンブル・ワグネル(SEW) カルテットメンバー】
Violin 金澤 洋1964年 経済学部卒
 
1973年 第一勧銀管弦楽団を設立。
 2001年 みずほ銀行誕生とともにみずほフィルハーモニーが新発足、入団。
 2017年 シニア・アンサンブル・ワグネル(SEW)が新発足、入団。
 2018年 SEW代表に就任、現在に至る。
Violin 金子直子1973年 文学部英米文学科卒
 
1969年大学の入学式でワグネルソサエティオーケストラを聴いて、入団。
 卒業から16年のブランクの後、ワグネルOBオーケストラに入団。
 2018年 シニア・アンサンブル・ワグネル(SEW)に入団。
Viola   関  憲吾1970年経済学部卒
 
7歳〜20歳までバイオリンを習い、塾高ワグネルでビオラに出会う。
 社会人になってからは弦楽四重奏等を中心に室内楽を楽しむ。
 2019年 仕事をリタイア後シニア・アンサンブル・ワグネル(SEW)に入団。
Cello  河元 哲史 1978年経済学部卒。
 
1978年主要大学オーケストラメンバーと弦楽合奏団アンサンブルフランを設立。
 1995年 日立製作所京浜地区の社員を中心に日立フィルハーモニー管弦楽団を設立。現在に至る。
 2022年シニア・アンサンブル・ワグネル(SEW)に入団。

Oh!Enkaの会 世話役代表:塩井勝也(S41法)
世話役:斎藤信雄(S38政)、髙橋伸一(S45法)、久保田宏(S46工)、芳賀 崇(S47経)、
平林正明(S47経)、山田 健(S47経)、池田敏夫(S47商)、井上 徹(S49政)、塚原正典(S54文)

次回(第132回Oh!Enkaの会)の予定
1.日時:2023年12月17日(日)
2.会場:本多公民館 視聴覚室、又は光公民館ホール
3.プログラム
  ・講演会   : 柳澤寿男様(コソボフィルハーモニー交響楽団首席指揮者)
  ・ピアノ演奏 : 吉村美華子様
                                           以上

【E】第130回Oh!Enkaの会を開催しました。

1.日時:1月19日(土)午前10時から12時

2.会場:本多公民館 視聴覚室

3.ピアノ伴奏・歌唱指導:森川由美子先生

4.出席者:26名

・準備体操の後、発声練習を行いました。

5.歌唱曲目

・雪の降る街を

歌詞の1番から3番の情景の違いを表現する歌い方を練習しました。

・冬の星座

冬の冴えわたった夜空を思いながら、のびのびと歌いました。

・サンタルチア

曲の終わりの寂の部分を、色のある(カッコ良く)聞こえるような歌い方を練習しました。

・早春賦

歌い出しから2小節で、1オクターブ以上一気に歌い上げる難しい曲ですが、

その高音部を楽に歌うテクニック(始めから高いポジションを狙って歌う)を練習しました。

・ペチカ

楽しい響きが出るような指導を受け、息の出し方、口角の上げ方、横隔膜の使い方を練習しました。

「ペチカ」の周りを囲む楽しい様子が浮かぶ歌い方が出来たようです。

最後に、まるく輪になり「今日の日はさようなら」を歌って閉会となりました。

 

【E】第129回Oh!Enkaの会を開催しました

1.日時   令和元年12月15日(日)10;00~12:00
2.会場   本多公民館・視聴覚室
3.出席者  会員(国分寺三田会、国分寺稲門会):47名、
・      非会員(会員家族・同伴者):4名
・      計51名
4.プログラム 講演会
・   演題 : 皇太子の先生になった人 小泉信三
・   講師 : 慶應義塾大学 福澤研究センター 准教授 都倉武之
・       (都倉准教授のプロフィールについては下記ご参照ください)

今日は塾歌斉唱のあとすぐに都倉准教授の講演会が始まりました。
平成から令和に変わった本年ならではの、時宜を得た誠に興味深い講義内容でした。

【講演要旨】
・福澤研究センターは福澤先生を通して近代日本を問うということが設立の趣旨である。慶應義塾が近代日本に対して問題を問いかけ続けているということを訴えていくことが使命である。福澤先生の思想を先生が生きてきた時代とそのあとの時代も含めて、どう解釈して教育に生かしてきたのか、生かし切れなかったところがあるのかを考えてきた。その延長の中で小泉信三先生がどういう教育をされたのか、福澤思想をどう解釈してきたのかも研究対象にしてきた。最近は1968-69年代の学生運動の調査、その中での慶應の位置づけの研究等にも手を広げている。

{はじめに}
・小泉信三(1888~1966)のイメージ
体育会の神様(「練習は不可能を可能にする」・小泉体育賞)としてよく知られている。経済学者であり、反マルクス主義の保守論客である。
戦時中塾長を務め、長男は戦死し「海軍主計大尉小泉信吉」を著し、学徒出陣もあった。戦後は皇室と深く関わり、東宮御教育参与を務め、皇太子のご成婚に尽力された。
戦時中に塾長だったことが小泉信三の評価を難しくしており、否定的評価を抱いている先生方もおり、一方では小泉の下で過ごした時代を誇りに思っている方もたくさんいた。アンチ小泉と小泉万歳の両極端に別れる中、小泉研究はタブーで、15年前は誰も手を付けなかった。研究すること自体を批判され、相当不快な思いもした。続々本が出る現在は隔世の感がある。歴史上の存在として議論され始めたということか。
・2008年11月の慶應義塾創立150年記念式典に天皇・皇后両陛下の行幸啓があった。90年、100年式典にも昭和天皇が行幸されている(75年式典は秩父宮)。
私学に天皇が行幸することは慶應の存在位置が変わったこと、また小泉信三の存在が大きい。その他小泉信三展、福澤諭吉展等にも天皇皇后、秋篠宮がお出でになっている。
・上皇が42歳の誕生日を前にした記者会見で、自分が影響を受けた人として小泉信三、安倍能成(学習院院長)、坪井忠二(東大理系、科学者としての天皇を育てた)を挙げている。
・平成の天皇の時代の評価は高い。国民に寄り添い(災害・事件・弱者)、戦争と向き合う姿勢が評価されている。昭和の時代は戦争あるいは天皇制というイデオロギー的な論争があったが、平成はそうしたイデオロギーから遠い存在になっていった。一方では「象徴天皇」論が深まらなかったという点は否めない。
・今年8月に田島道治の「拝謁記」が公表されたが、田島は主権者としての昭和天皇を象徴としての天皇に軌道修正していった。昭和天皇にとっての「象徴」は、消極的であることに意味があった。
小泉は「象徴」を積極的に解釈して意味を与えることを天皇に促した。その背景に福澤諭吉の思想が活かされた。
天皇は憲法に定めるとおり「世襲制」のものでありかつ「日本国民の総意に基づく」ものである。小泉は、難しい存在であることを天皇が自覚し責任を持つよう求めた。

{1.父小泉信吉と福澤諭吉}
①小泉信吉(のぶきち・1849~1894)は紀州藩出身で、慶應2年に福澤門下に入った。この頃中津、紀州、長岡が塾の三藩といわれ特に門下生が多かった。いずれも幕府に近い藩であり、明治になって政府から距離を置き、もの申す立場がここに芽生えていた。紀州出身者には重要な人物が多くいた。松山棟庵(福澤の主治医・慈恵医大の創立者の一人)、和田義郎(幼稚舎創立者)、鎌田栄吉(25年以上塾長を務めた)等。
・維新の混乱時も福澤と行動を共にし、英国留学を経て大蔵省、横浜正金銀行、日本銀行の要職を歴任した。
・明治20年福澤が呼び戻し塾長となり、大学部の設置に尽力した。その後間もなく福澤と衝突し、修復しないまま若くして亡くなった。
・福澤は信吉を高く評価しており、死後も塾の代表的人物として名を挙げている。「演説は小泉の発案、くれぐれも憶えておいてくれるように」「気品の泉源、智徳の模範」等の発言がある。また、死の翌日長文の弔辞を書き上げ小泉家に届けた。小泉家の子供たちはこれをもって父の姿に学ぶことを怠らなかった。
その中で「その心事剛毅にして寡欲、品行方正にして能く物を容れ、言行温和にして自から他を畏敬せしむる」「能く本塾の精神を代表して一般の模範たるべき人物は、君を措て他に甚だ多からず」と絶賛している。

②福澤における父の意味への着目
・小泉信三は、福澤にとって父親の存在は非常に大きく、父を慕いその名を辱めぬことを期していたことを発見した。これは小泉が皇室に求めた役割を考えることにつながる。
・福澤の父(百助)の生涯は封建制度・身分社会に束縛され満足な学問が出来なかった。その姿を見て儒教に批判的な人格が形成された。「門閥制度は親の敵で御座る」
・父の存在が大きいということを最初に小泉が言い出した。「モラルバックボーン」
・これを指摘した小泉も同じく父の存在の影響を強く受け、自分を律していた。

{2.慶應義塾における小泉信三}
①慶應義塾のサラブレッド
・小泉信三は明治21年三田に生まれた。
・父が早世したあと、小泉家は福澤邸に同居、後に福澤が新居も手配した(今も残っている)。
・妻とみは阿部泰蔵の娘であり、兄と小泉は大の親友であった。(阿部泰蔵は門下生でウェーランドの講義を聴いていた一人・明治生命の創設者)
・小泉は幼少時福澤と接していたが、たわいもないことだけ覚えていることを悔やんでいた(福澤は青い鳥)。
・福澤の死の翌年に普通部に入学した。
・小泉は塾の学風が気に入っており、特に教員や塾員に対しても、さん付けで呼んでいたことが、人をその肩書きによらず、その真実の徳と功とによって評価しようとする一種の気風を吹き込む効果があった、と言っている。

②スポーツの良き理解者
・庭球部の名選手であり、キャプテンも務めた。後に部長も務めた。当時官学が強かったが、私学として対抗し倒していった。明治の終わり頃には官学は淘汰された。
・スポーツが教育上どういう意味を持つかを深く考えた。学徒出陣の際に最後の早慶戦を実行した。
・「スポーツが与える三つの宝」~練習が不可能を可能にする体験・フェアプレーの精神・友
・小泉は「文武双全」という言葉を使っている(「文武両道」は儒教的)。
・スポーツの教育的意義を重視しており、教育としてのスポーツは人格形成に資すると考えていた。「かりに対校競技に熱中した体験を持たずに終わった学生生活は、学生生活というに値しない、という者があっても、それはさほどの言い過ぎとは思われない。たかが運動競技などというのは、出世主義の秀才あたりの言い草に過ぎない」(毎日新聞コラム)

③リベラルな経済学者
・福田徳三(政治学科・経済理論の先駆者)に学び、強い影響を受けた。
・教員となり、当時席巻していたマルクス主義に対抗して保守論陣を張った。戦後の左翼的風潮にも対抗した。「儒教に対する福澤、マルクス主義に対する小泉」

④困難な時代の塾長(1933~1947)
・日吉開設、藤原工大開校、三田の環境整備を行った。
・塾生の規律・気品に厳しく、自ら注意することもあった。
・戦中の塾長として、官学主体の論調の中、塾存続に苦悩、苦労した。
・学徒出陣、空襲を経験し、また子息を亡くし、自らも重傷を負うという苦難に満ちた時期であった。
・戦時下の言論界での福澤批判(特に徳富蘇峰の功利主義・個人主義・独立自尊の批判)の矢面に立ち、自ら反論した。
・私学存続の厳しい道のりの中、福澤創始の私立を守ることへの小泉信三固有の使命感を持っていた。
・戦後は戦争責任論については塾内で微妙な関係にあり、教壇に戻ることはなかった。

{3.東宮御教育参与としての小泉信三}
・戦争末期から終戦をまたいで戦後まで、政府には小泉待望論があった。
・特に戦後の待望論の背景には、民主主義の祖としての福澤諭吉、「帝室論」の存在、戦争中の態度(軍部・政府に阿らない)、戦中の不幸な体験、マルクス主義批判のリベラリストという要素がある。
・一方では塾内にも小泉否定論はあった。戦争責任やマルクス主義批判や皇室と関わりを持つことは政府迎合、御用学者と批判する向きもあった。
・東宮の教育責任者を要請された時、官職に就くことを固辞し、民間人として東宮御教育参与(昭和21年)、東宮御教育常時参与となった(昭和24年)。戦後間もない頃から内閣顧問、文部大臣、宮内庁長官を要請されたが一貫して断っている。(昭和23年宮内庁長官には田島道治が就任している)

①福澤の「帝室論」(明治15年刊行)を皇太子と小泉が音読し、意味について議論した。
・「政治社外」(天皇を政治と切り離すべきである)として、天皇は国民を見守る存在であり、民心の収攬、緩和力になるべきである。また、文化面では学術・技芸の奨励・擁護することが皇室のあるべき姿である。
帝室は「万年の春」である。政治は灼熱・極寒の世界であり、それを上から暖かく見守っている存在である。
・「尊王論」もテキストとして用いていたと思われる。
天皇はなぜ尊いのか。人は古くて珍しいもので、役に立たないものを大事にする。生きている人間(天皇)なら更にそうである、と論じている。万世一系、皇祖皇宗を論ぜず、神性を否定したドライな皇室の意義づけをした。
福澤は、皇室の政治利用・絶対化への強い警戒を持っていた。

②「ジョージ五世伝」の購読
・ジョージ五世(英国王在位1910-36)は「立憲君主」としてのリーダーシップを発揮した。
・首相の遠く及ばない「特殊の感覚と見識」、「道徳的警告者たる役目」を持っていた。
・ジョージ五世はバジョットの「英国憲政論」を学んだ。
君主の政府・大臣に対する3つの権利として、(1)諮問に対して意見を述べる権利(2)奨励する権利(3)警告する権利を挙げている。
昭和天皇も「英国憲政論」を学んだが、後日「独白録」において、これを3つ踏み外したと述べている。田中義一辞職、2.26事件、終戦である(天皇が自ら意思表示をした)。
・小泉は、「立憲君主は道徳的警告者たる役目を果たすことが出来るといえる。そのためには君主が無私聡明、道徳的に信用ある人格として尊信を受ける人でなければならぬこと勿論である」と説いた。

③皇室の「民主化」
・小泉は皇太子を当たり前の青年として扱った。慶應流に、人を尊重しつつ特別扱いをしないと言うことを示した。日常の振る舞い、マナーについても教えた。
・スポーツについてもしきたりや流儀を教えようと硬式テニスを勧めた。
・民間人とのご成婚に道筋を付け、報道協定等についても尽力した。
・小泉の慶應義塾での経験や気風が大いに影響している。
・小泉は皇太子にとって父親代わりであり、皇太子は小泉にとって息子代わりとしてのお互いの気持ちがあった。

④ロボットではない、考える「象徴」
・2008年御進講の際のノート(御進講覚書)が発見された。
・小泉は皇太子に自分で物事を考えよと言うことを強く言った。皇室の位置と責任の自覚を強く促し、日本の皇室がなぜ残ったのか、民心が皇室を離れなかったのはなぜなのか、今後どのようにあるべきかを考えることは義務であるとした。
・「君徳といふことについて御考へになっていたゞきたい」「君主の人格その識見は自ら国の政治によくも悪くも影響するのであり、殿下の御勉強とは修養とは日本の明日の国運を左右するものと御承知ありたし」ということを皇太子に説いた。
・小泉が与えた、生涯にわたる課題を踏まえ、「平成皇室」の象徴天皇があったと言える。小泉信三が作り上げた人格が与えた影響は大きい。

{おわりに}
・慶應義塾は人格を作っていくために教育を重視している学校であり、さらに福澤と小泉の背後にそれぞれの父の存在があって人格が形成されたことを小泉は意識していた。その二人の影響の下に平成という時代があり、またその小泉は、自分の父が自分自身のモラルの柱になったことを自覚したように、皇室の存在が国民にとってそのような(自分にとっての父のような)存在になることを期待したのではないか。

【講演要旨終わり】

・最後は全員が肩を組み平林正明会員指揮による「若き血」斉唱とエール交歓でお開きとなりました。
※なお、「帝室論」については国分寺三田会ホームページ・福澤諭吉コーナに小林隆夫会員による要約版が掲載されていますのでご参照ください。
また、NHKで放映されたビデオを塩井代表がお持ちです。ご希望の方はお申し出ください。

【都倉武之プロフィール】
慶應義塾福澤研究センター准教授
専門は近代日本政治史・政治思想史・メディア史。
1979年生まれ。
2007年慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程満期単位取得退学。武蔵野学院大学助手、専任講師を経て2007年慶應義塾福澤研究センター専任講師。2011年より現職。
『近代日本と福沢諭吉』(共著、慶應義塾大学出版会、2013年)、『福澤諭吉の思想と近代化構想』(共著、慶應義塾大学出版会、2008年)ほか。
2004年より小泉信三研究を開始し、『父小泉信三を語る』(共編、慶應義塾大学出版会、2008年)、『アルバム小泉信三』(共著、慶應義塾大学出版会、2009年)などがある。

世話役代表:塩井勝也(S41法)
世話役:斎藤信雄(S38政)、金田 一(S42工)、高橋伸一(S45法)、久保田宏(S46工)、芳賀 崇(S47経)、平林正明(S47経)、山田 健(S47経)、池田敏夫(S47商)、井上 徹(S49政)

♪次回以降の予定
・1月19日(日) 午前10時~12時 本多公民館・視聴覚室 Songs
・2月23日(日)午前10時~12時 本多公民館・視聴覚室(予定)
・       コソボ室内交響楽団 指揮者 柳澤寿男
・       ピアノ 吉村美華子(柳澤寿男夫人)

IMG_2444

講師 都倉武之 准教授

 

【E】Oh!Enkaの会 年末コンサートを開催しました

1.日時   令和元年11月30日(日)14;00~16:30

2.会場   本多公民館・ホール

3.出席者  会員(国分寺三田会、国分寺稲門会):53名、
・      非会員(会員家族・同伴者):62名
・      計115名
・      ヴァイオリン:佐藤 祥子
・      ピアノ伴奏 :山田 玲子
・      テノール  :下村 雅人
・      ピアノ伴奏 :下村 敬子
・      (プロフィールは下記をご参照ください)

4.プログラム
・第1部   佐藤祥子さんのクラシック演奏(ピアノ伴奏 山田玲子さん)
・      ①ユーモレスク(ドヴォルザーク)
・      ②G線上のアリア(バッハ)
・      ③ロマンス ト長調(ベートーヴェン)
・      ④4つのロマンティックな小品(ドヴォルザーク)
・      ⑤ウィーン奇想曲(クライスラー)
・      ⑥ロンドンデリーの歌(クライスラー)
・      ⑦愛の喜び(クライスラー)
・      ⑧ホラ スタッカート(ディニーク)
・      ⑨序奏とタランテラ(サラサーテ)
・      アンコール
・      ・枯葉
・      ・ラヴェンダーの咲く庭で

・第2部   下村雅人さんのテノール独唱(ピアノ伴奏 下村敬子さん)
・      ①忘れな草 Non ti scordar di me(デ・クルティス)
・      ②牧場の夕暮れ(下村大和)
・      ③Stand Alone(久石譲)
・      ④誰も寝てはならぬ(プッチーニ)
・      ⑤泣かないお前 Tu, ca nun chiangne(デ・クルティス)
・      ⑥落葉松(小林秀雄)
・      アンコール
・      ・君に会えなくて寂しい Mi manncherai
・      ・電話(湯山昭)

今日はOh!Enkaの会恒例の年末コンサートでした。
塩井世話役代表の令和元年を振り返る挨拶の後コンサートが始まりました。

・第1部はヴァイオリニスト・佐藤祥子さんのクラシック演奏です。ヴァイオリンの名曲中の名曲を選りすぐっていただきました。会員の皆さんからのリクエストも入れていただきました。
ピアノ伴奏の山田玲子さんからそれぞれの曲の解説がありました。とても分かりやすい解説で勉強になりました。
「G線上のアリア」はヴァイオリンの第4弦(一番下)のみで弾かれますが、ふくよかな響きがたっぷりとあふれていました。
「4つのロマンティックな小品」は流麗・躍動・野性・哀愁とそれぞれ味わいのある民族色豊かな小品群です。
「ウィーン奇想曲」は山田さんの大のお気に入りの曲だそうです。世紀末の耽美的な世界を感じられる曲です。
「愛の喜び」、こんな時代もあったと、昔誰もが経験した(と思われる)喜びに満ちあふれたクライスラーの代表的な名曲です。
「ホラ・スタッカート」ではワンボウスタッカートという難しいテクニックを披露していただきました。村の大騒ぎが間近に聞こえるような楽しい曲です。
「序奏とタランテラ」はフラジオ奏法とか両手ピチカートなど超絶技巧を駆使した曲ですが、前半は滑らかな美しい旋律でした。
アンコールに応えて、山田さんのピアノソロで「枯葉」です。特に前半が大変に美しい編曲でとても「枯葉」とは思えない全く違った印象でした。ヴァイオリンのアンコールは「ラヴェンダーの咲く庭で」、いかにも映画音楽らしい情景描写が見事な曲でした。

・第2部は下村雅人さんのテノール独唱です。
こちらもテノールならではの聴き応えのある名曲を並べていただきました。
下村さんと伴奏する奥様との息はもちろんぴったりですが、絶妙な掛け合いトークもとても楽しく、会場をアットホームな雰囲気で満たしてくれました。
昭和・平成・令和と変わってきた時代を、身近な黒電話や洗濯機の題材で懐かしみました。会場の世代に合わせていただいたのでしょうか。とても盛り上がりました。
演奏では、冒頭ピアノ前奏に続き、会場後方から十八番のカンツォーネを歌いながら登場するという演出で一気にお客様を引きつけました。
続いて「牧場の夕暮れ」、九州の隠れた大作曲家(?)下村大和の日本歌曲です。実は下村さんのお父上でした。ほのぼのとして心安まる何か昔を懐かしめる名曲です。
次は「Stand Alone」、NHKドラマ“坂の上の雲”の主題歌で、青雲の志を力強く歌っていただきました。
「誰も寝てはならぬ」はオペラ“トゥーランドット”で最も有名なアリア。最後の“ヴィンチェロ、ヴィンチェロ”でよく知られています。とても○歳とは思えない若々しくブリリアントな熱唱でした。
続いて再びカンツォーネ「泣かないお前」、泣かないお前に泣かされる哀れな男の歌のようですが、陽気なイタリア人が歌い飛ばすととても嘆き節には聞こえません。
ここで一息、下村さんのご指導で「漕げよマイケル」を題材に会場の皆さんにも“ハレルヤ”の声を出してもらいました。中味はアンケート調査のようなもじりでした。
最後に「落葉松」、野上彰作詞小林秀雄作曲の名曲。下村さんの解説によると一般的には恋の歌とされているようですが、戦時中の焼夷弾を連想しているとの説もあるそうです。そのつもりで聴くと、なるほど、鎮魂歌のようにも聞こえました。
アンコールはピアニカを取り出し、イタリア人になりきってのカンツォーネと、これはご自身も歌うのは珍しいとおっしゃっていた湯山昭の「電話」というコミカルな日本歌曲でした。
今日のお天気のように爽やかで楽しい1部2部でした。
最後に下村さんの指揮で「故郷」を全員合唱で歌いお開きとなりました。

【佐藤祥子さんプロフィール】
4歳よりヴァイオリンを始める。大学では英語を専攻するが、オーケストラ部の活動の中で音楽の楽しみに目覚める。留学先のアメリカのグリンネルカレッジにて音楽副専攻。子育てが一段落したところ、受けた高槻音楽コンクールで入選。
現在、室内楽やオーケストラ(光が丘管弦楽団)で活動する一方、合唱も始める。
市原利彦、ケネス=ゴールドスミス、小川有紀子の各氏に師事。

【山田玲子さんプロフィール】
東京芸術大学作曲科卒業。東京成徳大学幼児教育科音楽講師勤務。子育ての為10年間で退職する。家族4人と音楽仲間が出演するファミリーコンサートを毎年主催している。来年6月14日に29回コンサートをこもれびホールで予定している。
又、唱歌や昔の流行歌を歌う会「歌の泉」を主催。
合唱歴40年。現在はア・カペラコーラス「LOCUS」に所属。ポルケタンゴのメンバー。趣味は水泳と家庭農園。

【下村雅人さんプロフィール】
国立音楽大学声楽科卒業。イタリア声楽コンコルソ入賞、飯塚新人音楽コンクール優秀賞、2009年6月に佐賀県音楽大賞受賞、モーツァルトの「魔笛」武士役でオペラ界にデビュー。以後、プッチーニの「ジャンニスキッキ」リヌッチョ、「ボエーム」ロドルフォ、またヴェルディ「椿姫」アルフレード、モーツァルト「魔笛」王子タミーノ等に出演、その後も数々のオペラに出演する。又、岩城宏之率いるオーケストラアンサンブル金沢とヘンデル「メサイア」で共演。そしてベートーヴェン「第九」をはじめ、モーツァルト作曲「レクイエム」、サンサーンス作曲「クリスマスオラトリオ」等、宗教曲のテノールソリストとしても幅広く活躍する。現在、新しいスタイルのオペラやコンサートの構成・演出・出演と幅広く活動する。2011年東日本大震災において、震災後逸早く音楽家へ発信し、「小平チャリティーコンサート」発起人となり毎年息の長い支援を続けている。義援金は日本赤十字社を通して被災地・毎日希望奨学金制度・岩手の学び希望基金・福島の子供たちを八ヶ岳へ招く「小平の会」へ寄付を送る。二期会会員。

【下村敬子さんプロフィール】
国立音楽大学教育音楽学科卒業。マリンバの伴奏者として芸術鑑賞教室やコンサートに多数出演。現在、下村敬子ピアノ教室を主宰。 “音楽のある生活”をテーマに地域に根差した音楽活動を展開、教室には幼児から高齢者の方まで幅広い年齢層の生徒さんが通う。連弾や歌遊びのレパートリーも広く、ユーモアに富んだ指導に定評がある。一方で声楽や合唱団の伴奏者として数多くの演奏会に出演。東日本大震災直後よりチャリティーコンサートを主催し、被災地支援を続けている。夫婦のコンサート“二人のつむぎ歌”を各地で開催。伴奏法を水谷真理子氏に師事。

世話役代表:塩井勝也(S41法)

世話役:斎藤信雄(S38政)、金田 一(S42工)、高橋伸一(S45法)、久保田宏(S46工)、芳賀 崇(S47経)、平林正明(S47経)、山田 健(S47経)、池田敏夫(S47商)、井上 徹(S49政)

♪次回以降の予定
・12月15日(日) 午前10時~12時、本多公民館視聴覚室:都倉武之准教授講演会 「皇太子の先生になった人―小泉信三」

【E】第128回Oh!Enkaの会を開催しました。

1.日時:11月16日(土)午前10時から12時。

2.会場:本多公民館 音楽室

3.ピアノ伴奏・歌唱指導:山田玲子先生

4.出席者:20名

・準備体操の後、発声練習を行いました。

発声練習では子音の歌い方、特にさ行(さ、し、す、せ、そ)の出し方を練習。

5.歌唱曲目

・赤とんぼ

よく知られている曲。音域が1オクターブ以上あり、綺麗に歌えると気持ちの良い曲。

・里の秋

発声練習で勉強した子音の出し方が生きてくる曲。「きの」、「栗の、煮てす」、

の子音()の歌い方を実践で学ぶ。

・野菊

文部省唱歌である「野菊」を懐かしく歌う。

・荒城の月

この歌にうたわれた城について先生から紹介があった。滝廉太郎に関係のある竹田市の岡城、富山市の富山城、仙台の青葉城などが紹介された。また歌詞の現代語訳も紹介され詩の理解が深まった。

・谷間のともしび

きれいな曲ではあるが、訳詞の文末の子音と文頭の子音が同じで、一つ一つの言葉をはっきりと歌わないと意味が通りにくいと、指導があった。例えば 「わがやのひー、まどにうつりしとき」は「我家の日―、窓の写りしとき」、「すがたー、たーにまに」は「姿―、谷間に」と意味が分かる様に歌う。

・紅葉(輪唱)

二手に分かれて輪唱を楽しんだ

・ともしび(ロシア民謡)

先程の「谷間のともしび」とくらべて、歌詞とメロディーがきれいに合っていて大変歌いやすい。

最後に、まるく輪になり「さよなら集い」を歌って閉会となりました。

 

【E】第127回Oh! Enkaの会を開催しました

1.日時   令和元年10月27日(日)10;00~12:00

2.会場   本多公民館・視聴覚室

3.出席者  会員(国分寺三田会、国分寺稲門会):42名、
・      非会員(会員家族・同伴者):3名
・      計45名
・      アイリッシュ・ハープ:田中 麻里
・      ヴィオラ・ダ・ガンバ:品川 聖
・      (プロフィールは下記をご参照ください)
・      ピアノ伴奏     :山田 玲子
・   *なお、今回はOh!Enkaの会と二水会の共催でした。

4.プログラム

・第1部   カレッジソング斉唱:①塾歌 ②オール慶應の歌 ③慶應讃歌
・第2部   アイリッシュ・ハープとヴィオラ・ダ・ガンバ DUO LIVE
・      ~ヨーロッパの古い音楽や民族音楽、そして日本の音楽~

  1. 庭の千草(アイルランド民謡)
  2. 埴生の宿(イングランド民謡)
  3. グリーンスリーブス(イングランド民謡)
  4. アイリッシュハープソロ
    ・フェアウェルトゥリバプール
    ・オカロラン(アイルランドの吟遊詩人)の曲から
    “小さな妖精大きな妖精” “キャッシェルへ旅行くカロラン”
    ・トゥーシスターズ
  5. ヴィオラ・ダ・ガンバソロ
    ・ミュゼット1,2(マラン・マレ)
    ・ギター(マラン・マレ)
    *ミュゼット:バグパイプに似た楽器の名前
  6. 知床旅情(森繁久彌)
  7. 荒城の月(瀧廉太郎)
  8. 赤とんぼ(山田耕作)
  9. かくも甘き嘆き(モンテベルディ)
  10. レセルカーダ(オルティス)
  11. アメイジング・グレイス(作曲者不詳)
    (アンコール) ロンドンデリーの歌

・第3部   皆で歌おう:①旅愁 ②故郷の廃屋 ③村祭り
・エール交歓 若き血(指揮:井上徹会員)

・第1部はいつもの通りカレッジソング斉唱です。「塾歌」「オール慶應の歌」「慶應讃歌」の3曲を山田玲子先生のピアノ伴奏で歌いました。
・第2部は珍しい楽器アイリッシュ・ハープとヴィオラ・ダ・ガンバのDUO LIVEと題したミニコンサートです。
最初の3曲と後半の6曲はDuoでした。メロディーと伴奏を交互に演奏していましたが、お互いを引き立てあう素晴らしく相性の良い組み合わせでした。2つの楽器が日本の曲によく合うことにも驚きました。お二人の息もぴったりで静かなアイルランドやイングランドの野原の情景や、日本の山里の情景が目に浮かぶようでした。
間にそれぞれの楽器のソロが入りました。アイリッシュ・ハープは我々が通常目にするグランドハープより小型ですが、アイルランドで12世紀頃から使われていたようです。愛らしく清らかで透明感ある音色の中にも、どこか哀愁を帯びたような温かい響きでした。ヴィオラ・ダ・ガンバは遠くペルシャに起源をもち、北アフリカからイベリア半島を通ってヨーロッパにもたらされたということです。16~18世紀に主に宮廷で愛好されていた楽器で、チェロに似ていますがコントラバスの系統だそうです。この楽器はバロック時代を彷彿とさせる落ち着いた音色で、高貴でしみじみとした感慨に打たれました。
最後に盛大な拍手に応えていただき、アンコールの演奏がありました。
まさに、宮廷のサロンか緑に囲まれた草原の中で過ごしているような安らぎのひと時でした。
アイリッシュ・ハープは田中麻里さん、ヴィオラ・ダ・ガンバは品川聖さんに演奏していただきました。合間にそれぞれの楽器の詳しいご説明や曲の解説もしていただきました。

・第3部は皆で歌おうです。すっかり秋めいてきた今日この頃にぴったりの3曲を山田玲子先生のピアノ伴奏で歌いました。
・最後は全員が肩を組み井上徹会員指揮による「若き血」斉唱です。声高らかにエールの交歓を行いお開きとなりました。
・本日は以下3人の新入会員の紹介がありました。
井口尚志さん(S50経)、岡村宏司さん(S52経)、根崎末理子さん(S54薬)

【田中(たなか)麻里(まり)さんプロフィール】
アイリッシュ・ハープを西村光世氏、金属弦ハープをStefan Battige、Javier Sainz各氏に師事。
’04~’09ドイツ在住、活動の傍ら、Historical Harp Society of Ireland(HHSI)主催のスクールに参加、ハープの伝統的奏法を学ぶ。ソロ演奏の他、アイルランド伝統音楽、北欧音楽、古楽、ポップス、クラシックなど多彩なアーティストと共演、各種イベントやNHK等に出演。
朝日カルチャーセンター等でレクチャーコンサートを行うなど意欲的に活動を展開、後進の指導にもあたる。HHSI会員。
アイリッシュ・ハープ及びアイルランドのパーカッション教室主宰。JEUGIAカルチャーセンターららぽーと立川立飛、レソノサウンド講師。

【品川(しながわ)聖(ひじり)さんプロフィール】
1999年桐朋学園大学古楽器科を卒業、同年ブリュッセル王立音楽院留学。
2003年ディプロマを取得し首席で卒業。ヴィーラント・クイケン氏他に師事。留学中の2001年信州でのソロ・デビュー以来、全国各地で演奏活動を展開。
主にヴィオラ・ダ・ガンバのソリストとして活躍。北アルプスの山小屋でもソロ・コンサートを継続、フィールドを歩く演奏家としても注目を集めている。
2016年松本と上高地で開催された第1回「山の日」記念全国大会にて、皇太子殿下の御前でソロ演奏を披露。これまでに4枚のソロCDをリリース。
東京古典楽器センター講師。日本ベルギー学会会員および日本ヴィオラ・ダ・ガンバ協会会員。

世話役代表:塩井勝也(S41法)
世話役:斎藤信雄(S38政)、金田 一(S42工)、高橋伸一(S45法)、久保田宏(S46工)、芳賀 崇(S47経)、平林正明(S47経)、山田 健(S47経)、池田敏夫(S47商)、井上 徹(S49政)

♪次回以降の予定
・11月16日(土) 午前10時~12時、本多公民館音楽室:Songs
・11月30日(土) 年末コンサート 午後2時~4時30分
・      本多公民館ホール:下村雅人テノール、佐藤祥子ヴァイオリン
・12月15日(日) 午前10時~12時、本多公民館視聴覚室:都倉武之准教授講演会

【E】第126回Oh!Enka の会を開催しました。

1.日時  令和元年9月22日(日) 14:00~16:45
2.会場  リオンホール・Aホール
3.出席者 会員(国分寺三田会、国分寺稲門会):54名、
・     非会員(国分寺三田会・会員家族・同伴者・出演者の関係者):21名  計75名。
・     小島 亮一さん、丸山 令子さん
4.プログラム
・第1部  カレッジソング斉唱(ピアノ伴奏:上原安江会員)  ①塾歌、②慶應讃歌
・第2部 「Oh ! Enkaの会」会員有志による独唱  (ピアノ伴奏:上原安江会員)
・    ①星野信夫会員(高原列車は行く)      ②塩井勝也会員(帰れソレントへ)
・    ③清水 元 会員(芽生えそして)       ④菅谷國雄会員(津軽のふるさと)
・    ⑤吉松峰夫会員(長崎の鐘)         ⑥染谷嘉男会員(サンタ・ルチア)
・    ⑦天野 肇 会員(昴)            ⑧池田敏夫会員(陽はまた昇る)
・    ⑨井上 徹 会員(千の風になって)      ⑩平林正明会員(群青)
・    ⑪髙橋伸一会員(Tu, ca nun chiagne !  君を求めて)
・第3部 「国分寺三田会」会員有志10名( K・K・メンネルコール所属)による男声合唱
・    (ピアノ伴奏:上原安江会員)
・    ①青い山脈  ②銀色の道
・第4部 丸山 茂 会員の米寿のお祝い      (ピアノ伴奏:上原安江会員)
・    ①丸山 茂 会員のオカリナ演奏  ①エーデルワイス
・    ②丸山 茂 会員の想い出の歌を皆で歌おう ①箱根八里  ②故郷
・第5部 小島亮一さん「100歳記念ヴァイオリンコンサート」 (ピアノ伴奏:丸山令子さん)
・    ①アヴェ・マリア(P マスカーニ)      ②朝(R シュトラウス)
・    ③ウィーンわが夢の街(R ジーツウィンジーツスキー)④お気を悪くなさらないで(C ツエラー)
・    ⑤シトロンの花咲くところ(J シュトラウス) ⑥偉大なるシュトラウスさま(R シュトルツ)
・    ⑦タイスの瞑想曲(J マスネ―)        ⑧小さな浜辺(M テオドラキス)
・    ⑨ロマンス(F レハール)          ⑩舞踏会の妖精たち(F レハール)
・エール交歓 若き血(指揮 井上 徹 会員)

・第1部は上原安江会員のピアノ伴奏でいつもの通りカレッジソング斉唱です。
・第2部は「Oh ! Enkaの会」会員有志11名による独唱です。3年前にハワイアンバンド“アンサンブル・ブルーベリーズ”(リーダー:辻 宏一 会員)の「生オケ」演奏で会員有志が歌いました。「あの独唱をもう一度」という声があり、上原安江会員にピアノ伴奏を引き受けていただきました。上原安江会員のピアノはプロ級です。ピアノとの音合わせは大変ですが、5回の事前練習すべてに対応いただき、夫々の歌い手に合わせて弾いてくれました。前回は多少のアルコールも入り、バンド演奏で会場もざわついていましたが、今回のホールは静かで、緊張感が漂っています。S26年卒業の天野肇会員からS26年生まれの井上徹会員まで歳の差22歳ですが、年齢は関係ありません。歌い手の声が元気にホールに響きました。歌うことは健康の源です。熱心に聴いていただいた会場の皆様、歌い手が気持ちよく歌えるように心を込めてピアノを弾いていただいた上原安江会員に感謝です。
・第3部はK・K・メンネルコール男声合唱団に所属している会員有志10名による男声合唱です。団員45名中13名が国分寺三田会会員です。今年4月の定期演奏会(会場:ルネ小平)には国分寺三田会から大勢の方に来場いただきました。国分寺三田会会員の皆様には日ごろから支援いただいており、感謝の気持ちを込めて「青い山脈」「銀色の道」を歌いました。指揮は吉崎俊一会員です。合唱のためだけに駆け付けてくれた団員もいました。K・K・メンネルコール男声合唱団次回定期演奏会は会場が確保できれば令和2年11月にルネ小平で予定しています。
・第4部は丸山茂会員の米寿のお祝いです。丸山茂会員は手品、オカリナといった多彩な趣味をお持ちです。
上原安江会員のピアノ伴奏でオカリナ演奏:エーデルワイスを披露いただきました。そして皆で丸山茂会員の思い出の歌「箱根八里」「故郷」を歌って差し上げました。最後に上原安江会員からお祝いのお菓子を差し上げました。丸山茂会員のお礼の挨拶「これからもOh!Enka の会で大好きな歌を歌い、美しい音色に触れ、向上心を忘れずに心豊かな日々を送りたい」といった言葉が印象的です。
・今回の企画は5回にわたる有志独唱練習でのピアノ伴奏、本日の一気通貫でのピアノ伴奏など上原安江会員のおかげで実現しました。ささやかながら感謝の気持ちを込めて塩井勝也世話役代表から花束を差し上げました。
・第5部は小島亮一さん「100歳記念ヴァイオリンコンサート」です。ピアノ伴奏はお嬢様の丸山令子さんです。小島亮一さんは天野肇会員の職場の先輩で平成28年11月に「95歳のヴァイオリン・コンサート」、平成30年12月に「白寿のヴァイオリンコンサート」に続き、Oh ! Enka の会でお招きするのは3回目です。小島さんはあと2か月で満99歳です。自己紹介の中でヴァイオリンとの出会い、軍隊での苦労話、インド駐在での経験などユーモアたっぷりに話されました。戦前は男子がヴァイオリンを弾く風潮がなく、ようやく20歳で始めたそうです。戦中、東京商科大学(現一橋大学)のオーケストラ部でヴァイオリン始め、戦後、武蔵野音楽学校で福井先生と出会い、東京音楽学校(現東京芸術大学)ヴァイオリン専科で学び、定年後は六本木のウイーン酒場「ドナウ」で演奏、現在も老人ホーム等でfiddlerとして演奏活動を行っているそうです。ご本人は95歳を過ぎてから指の力が衰えてきたと言っていますが、3年前と比べても衰えは感じません。「継続は力なり」ということでしょうか。理路整然と丁寧に判りやすく話し、相変わらず頭の衰えは感じません。演奏は一曲奏でる度に、きちっと姿勢を正して曲の紹介をします。すべて暗譜です。時折ピアノ伴奏をするお嬢様がサポートする場面もありましたが、意気があっており、ほほえましい光景です。ご自身が歌う場面もありましたが、驚くほど声に張りがあます。小島さんは若く、エネルギッシュで、頭もシャープ、情熱を持ち続けている生涯現役のヴァイオリニストです。出席者も元気をもらいました。100歳になられるお祝いの花束を天野肇会員から差し上げました。尚、上記福井先生の甥の福井直矩さんは、偶々50年以上前から天野会員と親交があり、その紹介で3年前から小島さんとも知り合って、この日もそのヴァイオリンを聴きに参会されました。
・最後は新幹事長の井上徹会員の指揮で全員が肩を組み、若き血を歌ってお開きとなりました。

<次回の予定>
・日時:10月27日(日) 10:00~12:00  会場:本多公民館・視聴覚室・
・   「アイリッシュ・ハープとヴィオラ・ダ・ガンバ DUO LIVE」
・   ~ヨーロッパの古い音楽や民族音楽、そして日本の音楽~

<プロフィール>
◆小島 亮一さん
大正9年生まれ。東京商科大学(一橋大学)オーケストラにて、20歳よりヴァイオリンを始める。東京商科大学卒業後、商社トーメンに入社。召集され戦地へ。終戦後、東京音楽学校(現芸大)ヴァイオリン選科に学ぶ。トーメン・インド支店に長年勤務。 定年後、fiddlerとして六本木のウイーン酒場「ドナウ」でホイリゲ風の演奏を行う。現在はfiddlerとして老人ホーム等で演奏活動。
◆丸山 令子さん
・桐朋学園大学音楽学部研究科卒業。民族音楽学専攻。 現在、昭和音楽大学講師。
◆K・K・メンネルコール(小平界隈男声合唱団)
・1993年に結成。団員数は40名を超え、現役のテノール歌手である下村雅人氏(二期会会員)の指揮・発声指導
と松行美左子氏のピアノ伴奏・指導のもとに、クラシックから日本歌曲、ミュージカル、黒人霊歌、ポピュラーまで幅広く合唱を楽しんでいる。主な活動としては、定期演奏会に加えて、多摩地域の男声合唱団による「西武沿線男声合唱団交歓演奏会」、「東日本大震災復興支援こだいらチャリティコンサート」、「春と秋
の小平市合唱祭」への出演、何か所かの施設でのボランティア演奏を行っている。 国分寺三田会からは13
名が団員として活動している。

世話役代表:塩井勝也(S41法)
世話役:斎藤信雄(S38政)、金田 一(S42工)、高橋伸一(S45法)、久保田宏(S46工)、芳賀 崇(S47経)
・   平林正明(S47経)、山田 健(S47経)、池田敏夫(S47商)、井上 徹(S49政)

【E】第125回Oh!Enka の会を開催しました。

1.日時  令和元年8月10日(土) 14:00~16:30
2.会場  リオンホール・Aホール
3.出席者 会員(国分寺三田会、国分寺稲門会):54名、
・     非会員(国分寺三田会・会員家族・同伴者・出演者の関係者):21名  計75名。
・     森川由美子先生、KYB43メンバー:5名、米田ご夫妻。
4.プログラム
・第1部  カレッジソング斉唱:①塾歌 ②オール慶應の歌 ③慶應讃歌

・第2部  バンド“ KYB43 ”のブルーグラス演奏
・      松任谷愛介さん(S53経) バンジョー/フィドル/ヴォーカル
・      石川千恵子さん(S53文・S55政) ベース/ヴォーカル
・      小林恵美子さん(S53法) フィドル/ヴォーカル
・      臼井俊介さん (S53法) ギター/ヴォーカル
・      丹羽靖郎さん (S54法) マンドリン/ヴォーカル
・      ①Pan handle country   ②Cry Cry Darlin ③Keep on the sunny side
・      ④How Mountain Girls Can Love  ⑤Steel Rails  ⑥Making Plans
・      ⑦Minor Swing  ⑧Take me Home Country Roads ⑨Tennessee Waltz
・      ⑩Used to Be   ⑪Will the circle be unbroken
・      アンコール:ウェスタン・スウィング1曲。

・第3部  歌と朗読
・      歌 :バリトン・米田嗣幸さん(S41経)  ピアノ:森川由美子先生
・      ①夕星の歌(ワーグナー作曲歌劇「タンホイザー」より) ②荒城の月(滝廉太郎作曲)
・      朗読: 米田櫻子さん
・      ①月光の夏(毛利恒之作) (挿入音楽:森川由美子先生のピアノ演奏)
・      アンコール:①喜歌劇“メリーウィドウ”②恋はやさし野辺の花よ(オペレッタ“ボッカチオ”より)

・エール交歓 若き血(指揮:平林正明会員)

・第1部はカレッジソング斉唱です。最初に森川由美子先生の指導により腹式呼吸で横隔膜をコントロールした発声、頭を響かせる発声(頭声)の練習をしました。

・第2部はKYB43の皆さんによるブルーグラス演奏です。バンド名“KYB43”(慶應のK、幼稚舎のY、バンドのB、43年卒の43)です。昨年1月にロンドン在住の松任谷愛介さんから声がかかり、クラスメート4人で始めたそうです。現在はゼミ友が加わってメンバー5人でブルーグラスを楽しんでいます。メンバー2人が慶應女子高時代に泉佳代子会員とクラスメートであり、泉さんの紹介で実現しました。ブルーグラスはアメリカのアパラチア南部に入植したスコットランドやアイルランドの伝承音楽にビル・モンローがジャズやブルースなどのエッセンスを加えた音楽のジャンルです。KYB43は全員が楽器だけでなく、ヴォーカルも担当します。またピアノとのコラボ曲もありました。カントリーロードはポピュラーなせいか、泉さんの差し出すマイクに呼応して会場からも歌声が聞こえてきました。出演者のユーモアある、茶目っ気たっぷりのトークも楽しみました。アンコールも鳴りやみません。アンコールはカントリーとジャズが融合したウエスタン・スイング曲です。メンバーの皆さんは音楽を楽しんでいます。ちなみに松任谷愛介さんは松任谷正隆氏の実弟で、趣味の一つがヴァイオリンとバンジョーの演奏で、特にヴァイオリンは全米フィドルコンテスト2年連続優勝という輝かしい実績を持っています。現在、ロンドン在住です。他の方も音楽活動を楽しんでいるとのことです。KYB43の皆さんはカントリーミュージック三田会に所属しており、10月20日連合三田会でも演奏するそうです。ご興味のある方はお聞きください。

・第3部は慶應ワグネルソサイエティOB・米田嗣幸さん(S41経)のバリトン独唱と奥様櫻子さんの朗読です。
米田嗣幸さんは、Oh ! Enka の会ではお馴染みです。「夕星の歌」は歌劇ターンホイザー3幕で歌われています。ターンホイザーの恋人エリザベートが巡礼に出たまま帰ってこないターンホイザーの無事を祈って森に入っていきます。エリザベートを慕うターンホイザーの親友ヴォルフラムがエリザベートの平安を祈って「夕星の歌」を歌います。もう1曲は荒城の月です。2曲とも美しいメロディーで、米田さんのバリトンボイスが観客の心に響きました。
米田櫻子さんは5年前にOh ! Enka の会で平家物語や歌舞伎十八番の外郎売(ウイロウウリ)をグループで朗読していただき、拍手喝采の大好評でした。今回は毛利恒之作「月光の夏」の朗読です。戦争末期、出陣前日に特攻隊員2人が鳥栖国民学校で最後の思い出にグランドピアノを弾きます。そして生徒たちが「海ゆかば」で送ります。森川由美子先生が弾く挿入曲「「月光」「海ゆかば」にのせて米田櫻子さんの朗読「月光の夏」は情景がリアルに伝わってきます。特攻隊員が国民学校生徒に残した「この国を残すために兄ちゃんたちは死んでいく」という言葉が胸に突き刺さります。今の平和は先人たちのおかげだと感じる次第です。「海ゆかば」を作曲した信時潔は「慶應塾歌」の作曲者でもあり、国分寺に住んでいました。アンコールは2曲です。喜歌劇“メリーウィドウ”の中で反目しあっていたダニロとハンナが理解しあい、ダニロがハンナに求婚する場面です。奥様も衣装を着替えてお二人で歌い、ワルツを踊りました。もう1曲は森川由美子先生が推奨した「恋はやさし野辺の花よ」です。日本では大正ロマンを代表する浅草オペラとして田谷力三が歌っています。米田ご夫妻の仲の良さを感じた次第です。
・今回は内容が濃いコンサートであっという間の2時間30分でした。予定していた季節の歌は取止めです。
・最後は平林正明会員の指揮で若き血を歌ってお開きとなりました。

<次回の予定>
日時:9月22日(日) 14:00~16:30  会場:リオンホール・Aホール
第1部:上原安江会員のピアノ伴奏で歌う(有志の合唱と独唱)
第2部:100歳の長寿 小島亮一さんのヴァイオリンコンサート

◆米田嗣幸(バリトン)
塾員(S41経)。慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団OB。卒業後会社勤務によりしばらく音楽か
ら遠ざかっていたが、60代半ばから坂口卓也氏に師事して本格的に声楽に取り組む。2010年以降3回のジ
ョイントコンサートを開催。他各種コンサートに出演。2012年スロバキアの現地大学でスロバキア民謡を歌って
スタンディングオーベーションを受けた。
◆米田櫻子(朗読)
米田嗣幸夫人。学生時代より演劇・朗読に興味を持ち、卒業後、元NHKプロヂューサーで劇作家・演出家の故松岡励子氏、女優の故千賀ゆう子氏の指導を受けた。ライフワークとしてことばの表現活動に取り組んでおり、現在は斉藤由織氏に師事している。2012年日本語サロンのスロバキア訪問で「平家物語」を朗読し喝采をあびた。最近声楽にも取り組み、ひらやすかつこ氏の指導を受けている。

世話役代表:塩井勝也(S41法)
世話役:斎藤信雄(S38政)、金田 一(S42工)、高橋伸一(S45法)、久保田宏(S46工)、
・   芳賀 崇(S47経)、平林正明(S47経)、山田 健(S47経)、池田敏夫(S47商)、井上 徹(S49政)

 

【E】第124回Oh!Enkaの会を開催しました。

1.日時:7月21日(日)午前10時から12時
2.会場:いずみホール 練習室
3.ピアノ伴奏・歌唱指導:森川由美子先生
4.出席者:26名
・準備体操の後、発声練習を行いました。
発声練習では腹式呼吸を練習。まず、まっすぐ体を伸ばし、お腹を膨らます。
そこでスタッカート的にお腹を使って「ホ」を短く連続的に出す練習。次にお腹を膨らま
せたまま下腹に力を入れて、「アー」細く長く声を出す練習をしました。
5.歌唱曲目
・アルプス一万尺:発声練習も兼ねて、腹筋を使って意図的にスタッカートを利かせて歌う。
・どじょっこふなっこ:春夏秋冬の季節感を表現して歌う。
・サンタ・ルチア:今日の曲の中で一番時間をかけて練習をしました。
一つは、「月は高く」、「波に照り」、「風も絶え」、「波も無し」と2小節ごとに、
言葉の流れに従って歌う練習をしました。
二つ目は、曲の終わりのフェルマータの歌い方の練習。4番の最後のフェルマータは
十二分に伸ばし、続く最後の一小節はパッパと終わるこの緩急が明確に出来る様に
練習をしました。仕上げに2組に分かれ向き合って練習の成果を披露。
皆気持ちよく歌い上げました。
・見上げてごらん夜の星を:この曲の中で何度も出てくる「見上げてごらん夜の星を・・」
の歌い方に、”気持ちを込めて”、”みんなに呼びかける様に”と違った表現があり、
その違いを表す歌い方を練習しました。
・海・その愛:海の雄大さを表した歌詞を如何に歌うかの練習。1番の”男の想いをその胸
に 抱きとめて・・・”、2番の”男のむなしさ ふところに抱き寄せて・・・”の部分
は滑らかに歌う(スラ―で歌う)練習をしました。完成までに至らなかったのでまた
練習することになりました。

最後に、まるく輪になり「今日の日はさようなら」を歌って閉会となりました。