昨年の9月9日にコロナ禍のため休止していたOh!Enkaの会が再開されてから今回が2回目の開催となります。「塾歌」「若き血」は引き続きマスクを着用して歌う等安心・安全を考慮して開催。音楽は元気の源と言われるように参加者全員が一体となり講演会、コンサートとも大変盛り上がりました。次回もご期待ください。
1.日時 2023年12月17日(日) 午後2時00分~4時30分
2.会場 本多公民館・視聴覚室
3.出席者 会員44名、出演者及び関係者6名 計50名
4.プログラム
♫塾歌斉唱 ピアノ伴奏 吉村美華子
◆第1部 講演会
演題『バルカンから響け!歓喜の歌』
講師:コソボフィルハーモニー交響楽団 主席指揮者 バルカン室内管弦楽団 音楽監督 柳澤寿男氏
◆第2部 コンサート ピアノ 吉村美華子 バリトン 成田博之
♪ショパン練習曲作品25-1 ♪ショパン 幻想即興曲 ♪ショパン マズルカ作品67-4
♪落葉松(成田博之) ♪岩川智子 朧月夜に寄せて ♪ドビッシー 月の光
♪坂本龍一 水の中バガテル ♪ヴェルデイ「椿姫」よりプロバンスの海と陸(成田博之)
♪帰れ!ソレント(成田博之) ♪オー・ソレ・ミオ(成田博之)
♫若き血斉唱 ピアノ伴奏 吉村美華子
◎第1部 講演会の要旨:演題:『バルカンから響け!歓喜の歌』
講師:柳澤寿男氏 コソボフィルハーモニー交響楽団 主席指揮者 バルカン室内管弦楽団 音楽監督
(はじめに)
代表世話人の塩井さんから今回の講演会の経緯と主旨説明があった。今から13年前の2010年、第30回Oh!Enkaの
会でこの同じ場所で講師の柳澤氏によるコソボの講演をして頂いた。講演から10年経った頃、その後のコソボの状
況はどうなったのか?との声も聞かれ、また新しい会員も増えてきたため再度2020年2月に柳沢氏に同じ講演をお
願いし企画していました。ご存じのようにこの頃コロナが蔓延し始めたため準備万端で講演会を予定していたが、
止むを得ず中止させて頂いた。柳澤氏が書かれた本、題名『バルカンから響け!歓喜の歌』を改めて読み直してみる
と随所に音楽の持つ力を感じることが出来ました。このような背景を踏まえ柳沢氏の講演を聞いて頂ければ幸いで
す。
(柳澤氏の講演要旨)
皆さん、こんにちは!今日はどういうお話しをするのがよいのかOh!Enka(演歌)の会ということで演歌が好きな
方の集まりで難しいコソボのような真面目な話をするのはどうかとも思いましたが、楽屋で伺いましたらOh!Enka
の会は応援歌を歌うことが中心であり、「塾歌」を作曲された信時潔氏が人生の半分、国分寺市に在住されていた
ということもわかり、先ほど「塾歌」を歌われた国分寺三田会の皆さんとのこういったご縁もあるのだ、さすが三田
会だなあと思いました。さてお配りしたバルカン半島の地図をご覧いただきながら講演を聞いていただければと思い
ます。バルカン半島は地中海に面していますが旧ユーゴスラビアが冷戦終結後、7か国に分離、独立して、民族・宗
教関係は複雑にいりくんでいます。地図の北からスロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツエゴビナ、セルビア、
モンテネゴロ、(コソボ)、マケドニア、アルバニアがあります。
1)アルバニア:
道路がちゃんとしておらず全部峠です。とにかく
移動しにくいというのが実感で戦争をやっていた
のでまわりの国々に簡単にいけたらこまるわけで
す。インドやシリアや中東からヨーロッパに移動
しようとすると必ず通るところがアルバニアの
バックパカーホテルというところであってこの
あたりで演奏会があると意外に楽しく私もオー
ケストラが手配してくれたホテルよりこのホテル
を利用していました。このホテルはBoxに自分が
決めた料金を支払えば泊まれるホテルで東から来
た人が毎日来るが、西へ向かう際このホテルを
利用している人が多くこの宿泊客の話を聞くこ
とが大変面白い。アルバニアにいると、歌劇場等
に居ると床がギシギシ、揺れたりします。ピアノ
も鍵盤を押すと戻ってこなかったり、横に10円玉
を挟むと上がってきたりとヨーロッパの最貧国の
面白い話です。
2)モンテネグロ:
クロアチアは人も多く混雑していますが、クロア
チアの海岸沿いの街を少し小さくしたような街が
モンテネグロにあってアドリア海沿いの本当に綺
麗なところがあります。人も少ないので観光には
すごくお薦めです。2006年頃にセルビアから独立
しています。独立から遡ると日露戦争の時にロシ
アを応援していたのがモンテネグロ。ですから日
本とは敵対関係にあった。両政府とも書面上は敵
対関係を改善しないまま2006年まできてしまい日
本とは戦争状態にあった。このためセルビアがモンテネグロから独立した時に日露戦争が終結する平和条約が盛り込
まれ現在は平和状態に戻っています。
3)ボスニア・ヘルツエゴビナ・セルビア・コソボ:
ここは戦争でも大変な被害が出た場所。首都サラエボのサッカーグラウンド等10万人規模の犠牲者がでたようで
す。ソレイニッタという地方都市は地雷源が埋まっている場所であり、私もJICAの方と訪れましたが、ここでは
ボスニア人が国連に逃げ込んで来た時に5000人の被害者が出たといわれています。いまでもDNA鑑定で亡くな
った方々の調査が毎年続けられています。サラエボにはプロのオーケストラ、サラエボフィルハーモニーが一つ
だけあるのですが、今回日本での「バルカン室内管弦楽団」公演にも来ていただいたバイオリニストの女性の一人
はここの出身であり、自宅からスナイパー通りといわれる危険な場所を避けて遠回りして普通は5分で車で行ける
ところですが 危険を避け1時間かけリハーサル練習に毎日通っていたとのことです。隣の合唱練習の部屋は戦争
中着弾していたよ うですが、戦争中は停電になることも多く、コソボもそうですが、ホールの中の電気がない。
電気は川の近くの自家発電を利用して演奏会をやっていたとのことです。とにかくお客さんも来るのが大変である
にも関わらず超満員で病院が壊れても、学校が壊れてもお葬式は続いていますし結婚式も続いていました。ハード
は壊れてもソフトの部分は続いていく。セルビアはかわいそうだとか独立する以上セルビア人とも闘わなければな
らないしセルビアとクロアチア、セルビアはNATOの空爆を受けたし、国際社会からも経済制裁を受け、経済が超
インフレとなり日本円で5000億円札が出来た感じ。ほとんどお金の価値がない状態に陥った。コーヒーを飲むに
も札束をもっていかないと飲めない状況に。そんな時代の大変な経験を経た人達をバルカン室内管弦楽団に集め、
今回も日本に来日して頂き11月29日バルカン室内管弦楽の演奏会を開催した。この楽団を16年前の2007年にバル
カン室内管弦楽団を立ち上げようとしたが、上手くいかず、民族の融合が難しくいかに大変で危険なことか。
2008年にもチャレンジしたが、この時も実らず、2009年5月17日に国連の開発計画とかコソボ計画といった警察
や軍隊関係者の警備の協力を得て漸く立ち上げることが出来た。コソボは90%アルバニア人10%セルビア人と
の融合をどのように図っていくのかが課題であった。コソボ北部のミトロヴィツアという町がドナウ川の支流にあ
り、川は国境になっていることも多い。この町には30M程の「対立の橋」がある。橋の南にアルバニア系住民、北
にセルビア系住民がいて紛争以来、交流が途絶えていた。南のアルバニア系の市長、北のセルビア系市長に演奏会
の相談をしたところ両市町共受け入れてくれた。但し、条件として①楽団員のことは一切公表しないこと。②演奏会
の開催日は開催日の3日前まで公表しないこと。これは反対派に爆弾を仕掛けられる等の危険の恐れがあるため。
③警備、安全対策をしっかりすること。これらを全部クリアーして漸く演奏会にこぎ着けた。演奏会は南と北で1回
ずつ安全に開催できた。練習から本番まで厳重な警備の下,演奏者達はお菓子を「食べる?」と分け合う・から打
ち解け始め音楽でもハーモニーが生まれていった。終了後は奏者同士で連絡先の交換、我々くらいはこの橋を「対
立の橋」ではなく「再会の橋」と呼びたいねと語り合い今でも忘れられない歴史的な感動的な演奏会となった。
その後、セルビア人、アルバニア人、マケドニア人等7カ国の参加する民族が広がり混成によるバルカン室内管弦
演奏会への奏者、参加者が増えている。
4)最近はワールドピースコンサート(World Peace Concert)をやっている。場所はジュネーブ、ウイーン、東京、ニューヨーク-、サラエボ、ローマ等世界各地で行っている。WPCの主旨は民族の共存・共栄を図ろうとするもの。バルカン半島に限らず国境を接し、隣にいる人々とは何かしらの問題を抱えていてお付き合いが難しく紛争が絶えない。これは世界的にみても同じことが言える。地球市民として民族や宗教等を超えて同じ地球に住む地球市民としてお互い受け入れてもらうのが一番いいよねというのがコンセプトでこのコンサートを展開している。
5)最後に長野県をまとめた大合唱「第九」の話し。バルカン管弦楽団は多くの民族を音楽を通じて融合、平和を目指そうとするものだが、同じようなコンセプトで私は長野県諏訪の出身ですが、長野県を「第九」で一つにしようというコンサートを2018年に実施した。長野県は平成の大合併により77市町村となった。長野県の広い市町村から2名の代表者を出してもらい長野県大合唱団を作り第九を歌い、アンコールは『信濃の国』を全員で合唱するコンサートを企画。市町村の事情により広くて人口の多い地域はすぐに集まるが、人口の少ない町村は色々な事情を抱えており人が集まらない。三分の一は人が集まらなかったので私が直接各地に出かけて行き交渉し個別の事情に対応して何とか人を集めることができた。参加者全員で「第九」を歌い、アンコールで「信濃の国」を歌ったこの大合唱は感動的であった。音楽で全員が一つになる。音楽は参加者を特別な気持ちにしてくれる。そして参加者が特別な気持ちになったということが大事でこれが音楽の力であり、音楽の素晴らしさだと思いました。
6)最後にQ&A
Q-1:バルカン半島の国々は分かれているが言語はどうなっているのでしょうか?
A.国として独立しているところはそれぞれの言語がある。大きく分けるとアルバニア語の人とそれ以外の人に分かれる。ロシア語も半分くらいはわかるようです。これはスラブ語圏のスラブ語から枝分かれしていることが理由。アルバニア語はスラブ語でもなく独自の言語で日本語の辞書もない。
Q-2:この地域の民族的な音楽の特徴は何かあるのでしょうか?
A.日本の人はこの地域の音楽をほとんど聴くことはできませんが、バルカン半島は西と東の境目であること。キリスト教とイスラム教が歴史的に入り組んでいること。キリスト教的な音楽、スラブ的な音楽が入り混じっている。スラブ特有だと思いますが、変拍子が得意で体感している。複雑な変拍子でも皆さん踊れるし、すごく得意である。ごく自然に元々の血であるかのようにリズミカルに体内リズムで踊れる。面白い場所です。
Q-3:先日はバルカンコンサートを聴かせていただき有難うございました。7ケ国から参加された奏者をまとめるにはご苦労があったことと思います。楽団をまとめる一体となるきっかけとなったこと等があれば教えてください。
A.最初に民族共栄が管弦楽団のコンセプトですよとPRしているので共感できない人は入団しないので基本的には仲良く演奏するということで集まっています。ただ、国連の場でコソボの人が管弦楽団を俺たちのものだと叫んでしまったり 国連の会場にコソボの人が入れなかったりとか(コソボは国連に加盟していないので止むを得ないが)多少違和感があることはあります。言語の問題で本来は子供の頃教育を受けているのでしゃべれるのにしゃべりたくないという内面の問題もあるので私自身、現地の言葉は使わず第3者の英語で指導することもある。
Q-4 コソボ滞在時の停電時の対応や治安の面で危険なことに会われたことがあれば教えてください。
A.住んでいると治安の面ではあまり危険を感じたことはありません。
2011年10月6日に激しい腹痛が起こり元気な時には感じなかったが、病気になって初めて心細くなった。お医者さんのクオリテイが低いので現地の人からは3人のお医者さんに診てもらって同じ答えがでてから対応するのが良いとアドバイスされた。自分で総合的に判断し、盲腸ではないかと推定、ドイツに行って手術をしようと決断。3人の医者からは12時間以内に手術しないと危ないと判断されていたが、幸い24時間以内にドイツに駆け込んだ手術で助かった。
◆講師プロフィール:柳澤寿男氏
旧ユーゴスラビアを中心に活動する日本人指揮者として知られる。2005年~2007年、マケドニア国立歌劇場主席指揮者。2007年、国連コソボ暫定行政ミッション下のコソボフィルハーモニー交響楽団首席指揮者に就任。2007年、バルカン半島(特に旧ユーゴスラビア)の民族共栄を願いバルカン室内管弦楽団を設立。これまでにウイーン、ジュネーブ、ベオグラード、ニューヨーク、東京等世界各地でコンサートを開催。諏訪内晶子氏(バイオリン)、パスカル・ロジェ氏(ピアノ)など世界的なアーテイストと協演。2019年、コソボ大統領の来日に伴い、天皇陛下が柳澤のコソボでの活動に言及される。長年、コソボフィルをリードし、文化・芸術面において、戦後コソボの文化をサポート、またバルカン室内管弦楽団を通して地域平和を助けていると「大統領勲章(文化功労章)」を叙勲される。日本国内では数多くのメジャーオーケストラに客演。現在、バルカン室内管弦楽団音楽監督、コソボフィルハーモニー交響楽団首席指揮者、ベオグラード・シンフォニッタ名誉主席指揮者を務める。坂本龍一氏が音楽監督を務める東日本大震災の復興支援オーケストラ、東北ユースオーケストラの指揮者。また、クラシックとホップスの融合を目指す、ビルボードクラシックシリーズで指揮者を務め、玉置浩二氏等と共演中。2020年4月、京都フィル室内合奏団ミュージックアドバイザーに就任。著書に『バルカンから響け!歓喜の歌』(晋遊舎より)
◎第2部 コンサート ピアノ 吉村美華子氏 バリトン歌手 成田博之氏
♪1.ショパン 練習曲作品25-1
ピアノを一度でもやったことがある方にとってショパンのこの曲は馴染みのあるピアノらしい曲。夫婦で音楽の仕事をしていて嬉しいことはこのように皆さんと出会えたり、人と人との出会いの場が提供できたりすることです。12月に4回イギリスのロスチャイルド家に繋がる英国のソプラノ歌手シャーロツトさんと共演をする機会があった。よくよく彼女の話しを聞いてみると彼女の曾祖母のピアノの先生がショパンであったとのことでそのロスチャイルド家がショパンから献呈された歴史的な譜面を持っておりその譜面のマズルカ作品67-4の曲、これを弾きたいと思います。ショパンの香りを感じながらお聴きください。
♪2.ショパン 幻想即興曲
♪3.ショパン マズルカ作品67-4
♪4.落葉松 (成田博之)
バリトンの成田です。ピアニスト吉村さんとのご縁で小平にある音楽事務所で小中学生、高校生向けのオペラ教室でご一緒させていただきました。日本中の全ての県を巡って全国行脚しオペラを歌う機会があり、オペラのカルメンの曲だけでも30回程歌いました。今日は4曲歌わせて頂きます。小林秀雄氏が作曲した「落葉松」作詞は野上彰氏、川端康成氏に師事していたので軽井沢によく通っていた。落葉松の景色をよく見ていて軽井沢が好きな方でした。小林氏も軽井沢が好きでよく行っていたようです。秋の黄金色に輝いている落葉松は忘れられない風景だと思います。私も落葉松の枯れ葉を踏みながらその音を聴きながら歩いた思い出は今も忘れられない思い出の一つです。では「落葉松」をお聴きください。
♪5.岩川智子 朧月夜に寄せて
自然をテーマにした曲もよいので月をテーマにした曲を2曲。私の好きな朧月夜を岩川智子さんにお願いして頼みに頼んで作曲していただきました。私のためだけに献呈していただいた曲で現代的にアレンジされています。
2曲目は皆さんお聴きしたことのあるドビッシーの「月の光」です。「朧月夜」の曲のほうが「月の光」より新しく作曲されていたこともわかり意外でした。
♪6.ドビッシー 月の光
♪7./坂本龍一 水の中バガテル
この曲の紹介は坂本龍一氏との協演が多かった主人(柳澤)にお願いします。柳澤氏より坂本龍一氏が音楽監督を務める東日本大震災の復興支援オーケストラの東北ユースオーケストラの指揮者をまかされていました。朗読は吉永小百合さんが担当。復興支援コンサートは今年の3月26日に予定されていましたが、坂本氏はその2日後の3月28日に残念ですが、亡くなられました。坂本氏が亡くなる1週間前の3月19日に私と坂本氏との打ち合わせがあり、この頃は予想以上に体調が悪く大分弱っていました。そんな中3月26日の東北コンサートのすり合わせをリモートと電話でしていました。体力が落ちている中、龍一氏が最後に大きな声で私に「有難う、有難う」と言ってくれた言葉が今でも耳に残っています。坂本さんは自分はドビイシーの生まれ変わりだと言っているようにフランス音楽に精通していました。透明感のある心が洗われるような素晴らしい曲「水の中のバガテル」をお聴きください。
♪8.ヴェルデイ「椿姫」よりプロバンスの海と陸(成田博之)
成田氏、今、「水の中のバガテルを」を聴いて、今日このピアノは色々な曲を弾いてもらって大変喜んでいるなと感じました。また、ピアノもよく鳴っていますね。(笑い)私もよくオペラを歌いますが、「椿姫」はオペラの人気投票で1番、2番を取れる有名な曲です。「乾杯」も有名なオペラ曲としてパーテイー等でよく歌われます。そんな中、「椿姫」パリの社交界にあこがれた息子を引き戻すためにやって来たお父さんが歌う部分をこれから歌います。オペラの面白いところは着物を着てメイクもしながらお客様を楽しませて歌うところがよいと感じています。話は違いますが、佐渡裕さんが「カルメン」を歌う場面を歌っていて闘牛士の服を着て、着替えのシーンを見せる場面があります。この着替えは自分ひとりでは着られないということがよくわかりました。牛の角が闘牛士に貫通しないように胸元の部分には鉄板が入っていたり、膝も曲がらないようにピタッと真っすぐになっているので人形のように二人がかりで持ち上げてもらいスポッと足にはまるように着せてもらうことになる。学校のオペラではピンクのストツキングを履いていると笑われることも多かった。この色は一番偉い闘牛士が履くソックスの色。オペラをやっていると色々な人物を演じることが出来るので面白い。さてお父さんです。息子よ、社交界におぼれていないで我が家のためにも妹のためにも家に帰っておいでよ!と歌います。
♪9.帰れ!ソレント(成田博之)
私はオペラが好きでこの世界に入ったという思いがあります。イタリアの隣にアルバニアがあります。モーツアルトのオペラに女は皆なこうしたものというオペラがあり、その中に恋人を入れ替えて口説こうかという男の遊びのオペラがあります。変装して、お相手の恋人を口説く。金持ちのアルバニア人で立派な髭をもつ男が勝つというオペラです。私はイタリアのオペラが好きでよく歌っていました。オペラは1600年頃少し前にイタリアで生まれ、日本では関ヶ原の戦いがあった頃です。この頃ヨーロッパではオペラがつくられて歌われていたので不思議な気がします。カンツオーネもよく歌っていました。1900年頃のソレントとか、ナポリは未だ貧しい国でした。タイタニック号も上の階はお金持ちが乗っており、下の船底に近い階にはアメリカに行って一旗揚げようという貧しい人たちがたくさん乗っていました。外国に行ってもこの素敵な土地ソレントを忘れないで帰って来いよという歌「帰れ!ソレント」をお聴きください。
♪10.オー・ソレ・ミオ(成田博之)
この楽しい時間も最後になりました。イタリア人はマジャーレ:食べるのが好きで、カンターレ:歌うのが好きで、アモーレ:愛が大事でこれは第2の国家、失恋の曲だけど素敵な曲です。今日はクリスマスコンサートかと思ったら Oh!Enka(演歌)の会で違っていました。(笑い)イタリアの演歌で盛り上げようと思っていましたら、演歌でなく応援歌の会が正解でした。(笑い)
最後に私の太陽、オー・ソレ・ミオを歌います。
♫ 若き血斉唱 ピアノ伴奏 吉村美華子
塩井代表世話役より次回以降のアナウンスがあり、最後に井上会員のリードで参加者全員で「若き血」を歌いお開きとなりました。
◆ピアニストプロフィール:吉村美華子氏
桐朋女子高等学校音楽科,桐朋学園大学ピアノ科を卒業。高柳朗子氏に師事。シュヌア・アカデミーにてF.W.シュヌア教授に師事。東京シテイフィルハーモニック管弦楽団、サラエボフィルハーモニー交響楽団など多くのオーケストラと協奏曲を協演。2005年、夫(柳澤寿男氏)とともに渡欧し、マケドニア旧ユーゴスラヴィア国立歌劇場でコレペテイトールを務め「トスカ」「カルメン」「蝶々夫人」など多くの講演に尽力。国内でも多くのオペラをピアノ演伴奏にて上演。夫(柳澤寿男氏)が2007年に設立したバルカン室内管弦楽団ではスコピエ公演・プリシュテイナ公演等に出演。東京公演では、ヴァイオリニスト漆原啓子氏とともにメンデルスゾーン「ヴァイオリンとピアノの為の協奏曲」を共演し好評を博す。2019年の東京公演において被爆ピアノを使用してのショパンピアノ協奏曲の演奏(朗読付き)も注目を集めた。また、英国のソプラノ歌手シャーロット・ドウ・ロスチャイルド氏と度々共演。「徳川家とロスチャイルド家世紀の対談コンサート」では、ロスチャイルド家に献呈されたショパンのワルツOp.67-4と、バラード四番を演奏。 「世界平和コンサートへの道」キックオフ・コンサートでは、第2次世界大戦時に爆心地より1.2キロにあり被爆したピアノを東京・HAKUJYUHALLにて使用し平和への思いに共感する音楽家達とともに演奏。カルザス「鳥の歌」。リスト「愛の夢3番」。武満徹「死んだ男の残したものは」。ラヴェル「左手の為の協奏曲(2台ピアノによる)。」「戦後70年に奏でる被爆コンサート(岡谷市文化会館カノラホール)」での公演は、信越放送のドキュメンタリー番組「SBCスペシャル」にて放送された。
◆バリトン歌手プロフィール:成田博之氏
国立音楽大学声楽家、同害学院オペラコース終了。文化庁オペラ研修所第10期終了。第8回日本声楽コンクール1位、第69回日本音楽コンクール3位、第5回藤沢オペラコンクール2位、2003年ミトロプーロス国際声楽コンクール(アテネ)最高位。文化庁在外派遣研修員としてイタリア・ボローニャにて研鑽を積む。オペラ歌手によるクラシカルクロスオーバー「ザ・ジェイド」メンバー、二期会会員、国立音楽大学准教授。
◎Oh!Enkaの会世話役代表:塩井勝也(S41法)
世話役:髙橋伸一(S45法)、久保田宏(S46工)、坂田久美子(S46文)、池田敏夫(S47商)、芳賀 崇(S47経)、平林正明(S47経)、山田 健(S47経)、井上 徹(S49政)、清水靖子〈S49薬〉、塚原正典(S54文)
◎次回(133回Oh!Enkaの会)の予定
日時 : 2024年3月30日(土) 午後2時~4時 会場:本多公民館・ホール
プログラム:テノール歌手 藤沼哲朗、サックス奏者 岸 義紘
◎次々回(134回Oh!Enkaの会)の予定
日時:2024年5月18日(土)午後2時~4時、会場:リオンホール・Aホール(国分寺駅ビル)
プログラム:メゾソプラノ歌手 進美沙子、テノール歌手 小島常弘、ピアニスト 西澤ことは、
筑前琵琶奏者 城戸義明
*スナップ写真集を掲載しています。是非ご覧ください。⇒ここをクリック
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塩井世話役代表挨拶
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柳澤寿男さん講演全景
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柳澤寿男さん講演
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柳澤寿男さん講演
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吉村美華子さんピアノ演奏
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吉村美華子さんピアノ演奏
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曲目内容紹介
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成田博之さん独唱
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成田博之さん独唱
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井上会員の指揮で若き血2回