『料理を美味しく見せる秘訣』
≪今年最初の料理実習≫
B春めいた陽気の2月27日(金)、我々10名と伊藤先生は‘ひかりプラザ・生活実習室’に集まり、今年最初の料理実習。昨年より料理が美味しく作れますように、実習でミスしませんようにと、先ずは神頼み。
≪実習を支えたメンバー≫
B食材調達は、井上さん、小林千晃さん、広田さん、廣瀬さん、それに私。それぞれが担当した食材を品定めしながら地元のスーパーで買い求めました。実習終了後には、小沼さんと田村さんが、施設の担当者と一緒に、使用した調理器具などが決められた通り片付けられているか、入念にチェックしました。
≪料理の秘訣≫
B実習の始まりは先生のレシピ解説。その中で、‘料理を美味しく見せる秘訣’は具材の切り方にあるとの耳寄りな説明。具材ごとに実演して頂き、今さらながら見た目の大切さに納得しました。
- 購入した食材
- レシピの説明
- 具材の切り方を実演
≪献立は五品≫
B今回のハイライトは福岡の郷土料理「がめ煮」。郷土料理を実習したいという我々の希望に、先生が応えて下さった料理です。初めて聞く「がめ煮」は、名前からは全く想像がつかない料理でした。献立は、主食の「韃靼そば茶飯」、主菜の「がめ煮」、副菜の「春菊の胡麻和え」、汁物の「ワカメと豆腐の味噌汁」、漬物は「白菜の即席漬け」。「一汁二采」からなる一般的な和食です(→「実習雑記」)。料理はどれも江戸時代から育まれてきた家庭料理。食材の旨みが生かされ、ホッとする美味しさでした。
- 完成した料理
- がめ煮
- 韃靼茶飯
【韃靼そば茶飯】)
⇒さわやかな香りとプチプチした食感が食欲をそそる。
☞そばの種類は、普通そば、韃靼そば、宿根(原種)そばの3種類。普通そばは甘みがあるので「甘そば」、韃靼そばは独特な苦みがあるので「苦そば」とも呼ばれている。韃靼そばという呼び名は、1840年頃、ドイツの植物学者が命名した『タタール人のそば』という学術名に由来。モンゴルに住むタタール人が栽培してきた「苦そば」を、タタール人を表す中国語‘韃靼’という漢字を用いて、日本では‘韃靼そば’と呼ぶようになった。
【がめ煮】
⇒煮る前に具材を炒めたことで、香ばしさとコクが増し、甘じょっぱい煮汁が染み込んだ具材は、噛むほどに旨みが広がる。
☞福岡県の郷土料理「がめ煮」は、博多の方言「がめくりこむ」(寄せ集める)が名前の由来とされている。また、秀吉の朝鮮出兵の際に、兵士たちが‘どぶがめ’と呼ばれていたスッポンとあり合わせの野菜を煮込んで食べたことにちなんだともいわれている。地元では正月や祭り、祝い事などの「ハレの日」には欠かせないそうだ。
【春菊の胡麻和え】
⇒香ばしい‘黒すり胡麻’が春菊の風味を引き立てる。胡麻と春菊は相性がとてもいい。
☞江戸時代、旬の野菜が美味しく食べられるように、香ばしい炒り胡麻を和える料理法が工夫された。先人の知恵は素晴らしい。
【ワカメと豆腐の味噌汁】
⇒家での食事と同じように、先ず味噌汁に箸をつける。食事に向う時の、日本人の儀式のようなものかもしれない。素朴で親しみのある味がいい。
☞元禄時代(17世紀末)に入ると、町人は、定番の納豆汁やシジミ・豆腐・青菜などの味噌汁と炊き立ての白飯で朝ご飯。一日の仕事が終わると、食事もできる居酒屋で疲れを癒す。居酒屋は、酒の肴としてカモの吸物、ふぐの吸物、つみれの吸物など、食事の客には、ふぐ汁、あんこう汁、どじょう汁などの汁物も出していた。
(参考)江戸時代の料理書には、汁物は飯と一緒に、吸物は酒の肴として出すとある。
【白菜の即席漬け】
⇒塩昆布と赤唐辛子が白菜になじみ、白菜本来の旨みが口中に広がる。
☞漬物本来の目的は野菜を保存することだが、江戸時代に入ると、旬の野菜を塩や酢などに短時間漬けて、ササッと食べる即席漬(浅漬け)が流行った。これまた今に続く先人の知恵。
≪ランチタイム≫
調理テーブルごとに、作った料理でランチです。
≪実習雑記≫
➡‘漬物’は‘副菜’として数えない
「本膳料理」を起源とする「一汁三菜」は江戸中期に発展し、飯・汁・煮物・焼物・なます(酢の物)・漬物の六品からなる献立だが、「一汁四菜」とは呼ばれない。これは、奇数の数字が縁起いいと信じられ、特に‘四’は‘死’を連想させるので、漬物を‘副菜’として数えなくなったことが理由。今でも漬物を副菜に含まないのはその名残。従って、今回の実習は、味噌汁とおかず二品(がめ煮、春菊の胡麻和え)からなる「一汁二采」。
(文責・写真 昭48沼野義樹)
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