【歴】第83回「歴史をひもとく会」講演会報告

第83回歴史をひもとく会の講演会は、平成30年3月31日(土)、国分寺駅南口の国分寺労政会館3階において、49名が参加の下、当歴史をひもとく会の代表世話人である星野信夫氏に「武蔵国分寺歴史ドラマ第3弾~再現ドラマから明治維新へ」というテーマでお話しいただきました。 

冒頭に、第Ⅰ部として、過去2回の講演内容の振り返りという意味も含めて、「武蔵国分寺の建立から江戸の新田開発までを中心に」と題して、武蔵国分寺前史や武蔵国分寺の創建~隆盛~衰退の歴史が語られました。仏教の伝来があり、鎮護国家に向けた聖武天皇による国造りの壮大な思想や国分寺創建の目的、その後の戦乱期における国分寺焼失によって衰退期に向かう背景が解説されました。やがて、江戸期に至ると、当地は府中領に属する幕府直轄地に組み込まれ、不毛の武蔵野に恵みをもたらす玉川上水が開鑿されて、幕府の施政による国分寺地域の新田開発が進み、発展していきます。第Ⅱ部は、「明治維新以降の国分寺」と題して、維新前後の混乱期の様々な逸話、官軍の東征と甲武鎮撫隊との攻防や、恋ヶ窪にちなむ歌碑・句碑の話、新政府に対する多摩の農民運動による御門訴事件などが語られました。地方制度の確立と新郡区町村編成により、国分寺地域が三多摩郡の北多摩に属すこととなった下りで、残念ながら、講演時間切れとなりました。事前に配布されたレジメには、昭和期の市制施行までの項目が・・・・・引き続き第4弾が期待されます。 

参加者からは、「とても面白かった」「時間が足りない」「あっという間の2時間だった」などの声がしきり。思えば、確かに一度聞いたことのある内容なのに、殆ど新鮮な感覚で話が迫ってくるのはどうしてなのだろうか。講演内容に関する圧倒的な知識量と人を逸らさない語り口、時々交える人間味のあるユーモアや年号の語呂合わせ等々、講演者の持つ力量の為せる業であろう。星野マジックによる歴史ドラマに酔いしれたひとときでありました。