【E】第137回Oh! Enkaの会を開催しました

1.日時   2025年1月18日(土) 14:00~16:30
2.会場   本多公民館視聴覚室
3.出席者   会員・ご家族・ご友人38名、演奏者関係者・その他5名 計43名
4.プログラム
  ・塾歌斉唱 指揮:髙橋伸一会員 ピアノ伴奏:上原安江会員
  ・第1部  「ぷち・こまんたれう”」ハーモニカ演奏
        演奏者 黒田彩氏、大庭麗奈氏
  ・第2部 沼野雄司氏講演
        演題  現代音楽の不思議な世界-荒唐無稽?あるいは名曲?
  ・若き血斉唱 指揮:井上徹会員 ピアノ伴奏:上原安江会員

 冬晴れで最高気温が1桁の寒い日でしたが、多くの会員・ご家族・ご友人、その他の皆様にご来場いただき、本多公民館視聴覚室において第137回Oh!Enkaの会が行われました。
 開会に先立ち、塩井世話役代表より、「今年は戦後80年目(昭和100年)にあたり、阪神淡路大震災から30年目を迎える等大きな節目の年になります。何よりも2005年9月に13名で発足したOh!Enkaの会が20年目を迎えます。今秋には20周年にふさわしい記念の会を計画しておりますのでご期待ください」との挨拶がありました。
 続いて行われた塾歌斉唱では、前回の第136回Oh!Enkaの会において、ワグネル・ソサィエティーOB合唱団から信時潔・富田正文の正譜に従って歌唱することについて指導を受けましたが、その指導内容を思い出しながら、髙橋伸一会員の指揮、上原安江会員のピアノ伴奏によって斉唱が行われました。

 第1部は「ぷち・こまんたれう”」によるハーモニカ演奏です。「ぷち・こまんたれう”」は2008年に日本最大のハーモニカコンテストでデュオ部門第一位を獲得され、複音ハーモニカならではの奏法を駆使したユニークな演奏には定評があります。この日はクラシック、童謡、タンゴ、ポピュラーから演歌まで幅広く10曲を演奏していただきましたが、美しく、透明感があり、哀愁のあるハーモニカの音色に会場は魅了されました。「ハーモニカはポケットに入るオーケストラだ」と言われますが、小さなハーモニカだけで楽団のようないろいろな音色や演奏が生み出される様はまるでおとぎの国にいるような感じさえしました。

演奏曲目(演奏順)
デュエット 愛の喜び
      つき
      ヒーリングクラシックメドレー
      
ソロ    津軽海峡冬景色 (黒田彩)
      ラ・クンパルシータ (大庭麗奈)
デュエット タンゴ「碧空」
      君は薔薇より美しい
      アイ・ガット・リズム
      アルルの女

第2部は「現代音楽の不思議な世界-荒唐無稽?あるいは名曲?」という演題で、桐朋学園大学教授(音楽学)沼野雄司氏に講演をしていただきました。現代音楽はいわゆるクラッシック音楽の延長線上で創作され、何らかの様式的な「新しさを」備えた音楽と定義されています。ただ、鑑賞には時間がかかること、その抽象性、難解であるがゆえに他の現代芸術に比べてあまり知られていないかもしれません。講演では、実際に曲を聴き楽譜を見、曲が使われた映画を鑑賞しながら、現代音楽の代表的な作曲家と曲が紹介され、現代音楽の特徴について解説がありました。また、2つの世界大戦等の政治・社会情勢がどのように現代音楽に影響を与えてきたのか、そして1989年以降、ソ連が崩壊し、ヨーロッパ中心主義が懐疑されるようになり、ポピュラー音楽が発展する中で、これから現代音楽がどのように変化していくのかについてもわかりやすく説明していただきました。現代音楽の不思議な世界を垣間見るともに、現代音楽の歴史を紐解くことが現代史を知ることでもあると気付かされた貴重な、そして楽しい1時間でした。

 最後は参加者全員で、井上徹会員指揮、上原安江会員のピアノ伴奏によって若き血のエール交歓でお開きとなりました。

出演者プロフィール
【ぷち・こまんたれう“】(黒田 彩氏 & 大庭 麗奈氏)
2001年、宮田奈美(Nami)、大庭麗奈(Reina)、黒田彩(Aya)のハーモニカトリオ「こまんたれう”」を結成し、ジョイント&単独コンサート、3枚のCDリリース、楽曲提供など精力的に活動を展開する。2003年よりNamiがフランスに居を移したため、不在時はAya&Reinaのデュオ「ぷち・こまんたれう”」として活動中。2008年、FIHハーモニカコンテスト・デュオ部門第一位。2019年にはトリオでフランス、エストニアでの演奏を果たす。様々なジャンルを自由にアレンジし、複音ハーモニカならではの奏法を駆使したユニークな演奏には定評がある。なお「ぷち・こまんたれう”(Commennt Allez-vous?)」とはフランス語で「ごきげんいかが?」の意味。今後もハーモニカデュオの新しい形を展開し、その魅力を伝えていきたいとされている。

【沼野雄司氏】
東京藝術大学大学院博士課程修了。博士(音楽学)。現在、桐朋学園大学教授。2008年から2009年、および2020年から2021年にかけてハーバード大学客員研究員。著書に『トーキョー・シンコペーション 芸術表現の現在』(音楽之友社)、『現代音楽史 闘争しつづける芸術のゆくえ』(中公新書、第34回ミュージック・ペンクラブ賞)、『孤独な射手の肖像 エドガー・ヴァレーズとその時代』(春秋社、第29回吉田秀和賞)ほか。国内はもとより、アメリカ、中国、オランダ、リトアニア、ジョージア(グルジア)、アイルランド、ドイツなど多数の国際会議で発表。趣味は自転車。

Oh!Enkaの会世話役代表:塩井 勝也(S41法)
         世話役:髙橋 伸一(S45法)、久保田 宏(S46工)、坂田 久美子(S46文)、
             池田 敏夫(S47商)、芳賀 崇(S47経)、平林 正明(S47経)、山田 健(S47経)、
             井上 徹(S49政)、清水 靖子〈S49薬〉、塚原 正典(S54文)

今後のOh!Enkaの会の予定

◆次回(第138回)Oh!Enkaの会
  日時:2025年3月23日(日) 14時~
  会場:本多公民館2階ホール
  プログラム
   ・ヴァイオリン・チェロ演奏
   ・下村雅人氏によるテノールソロ
   ・下村雅人氏による講演

◆次々回(第139回)Oh!Enkaの会
  日時:2025年7月中旬 午後
  会場:未定
  プログラム
   ・ピアノ演奏(吉村美華子氏)
   ・バリトンソロ演奏(成田博之氏)
                                              以上