今回は、現在も当時のまま保存されている旧陸軍省時代の「昭和の遺産」を見学しました。参加者は18名でしたが、これは大変厳しい防衛省の20名募集枠から獲得し実現したものです。
先ずは肌寒い「大本営地下壕跡」へ。一面鉄筋コンクリート打ちで、天井は配線が剝き出しとなっており使用当時の痕跡が至るところに残っています。総面積は1342㎡・高さ4mで大型爆弾に耐え得る厚い壁に囲まれており、ポツダム宣言受諾の御前会議結果を、阿南陸軍大臣が高級幹部へ説明した時に使用された場所でもあります。戦時の緊張感と恐ろしさを今なお感じました。
次いで極東国際軍事裁判(東京裁判)が実施された旧陸軍士官学校大講堂(現市ヶ谷記念館)へ。当軍事裁判は、先の戦争を指導した軍人・政治家を連合国が裁いたものです。丁寧に補修しながら保存され当時の姿を残しており、正に歴史の生き証人とも言うべき貴重な建物です。
また「旧陸軍大臣室(その後は総監室)」「旧便殿の間(陛下の休憩所)」を見学。総監室と隣室を繋いでいるドアには1970年三島由紀夫自害当時の刀傷が残っていました。
防衛省職員の判り易い説明を聞きながらのあっという間の2時間強でした。
見学後JR市ヶ谷駅中のイタリア料理店で、喉の渇きを癒すと共に美味しい料理を堪能しながら、感想を披露し合いましたが「平和の尊さと幸せ」を噛みしめる一日となりました。歩こう会に対する会員の皆様の要望をお聞きする良い機会にもなり、今後の企画に役立てたいと存じます。