【E】第131回Oh!Enkaの会報告

コロナ禍のために活動を休止していたOh!Enkaの会が3年8か月ぶりに開催されました。
「塾歌」・「若き血」の斉唱時には全員がマスクを着用して小声で歌う等、安心・安全に注意した
開催となりましたが、会員にとっては待ちに待った再開であり、久しぶりに生の演奏を全身で感じ、
会場が一つになった2時間40分でした。

第131回Oh!Enkaの会
1.日時:2023年9月9日(土) 午後2時~4時40分
2.会場:本多公民館 視聴覚室
3.出席者:会員50名、出演者6名、計56名
4.プログラム
  塾歌斉唱 ピアノ伴奏 川端友紀子
  ◆第1部 ピアノ演奏 川端友紀子
    ・フォーレ     組曲「ドリー」(4手連弾)より、子守歌
    ・ドビュッシー  アラベスク第1番
             「ベルガマスク組曲」より、月の光
    ・ショパン    「24の前奏曲」より、第7番
             ワルツ第6番 「小犬」
             ワルツ第4番 「華麗なる大円舞曲」
    ・ブラームス    間奏曲 作品117−1
    ・シューマン=リスト 献呈(君に捧ぐ)
    ・中田喜直    「日本の四季」(4手連弾)より、初秋から秋へ
              五月晴れと富士山
  ◆アトラクション 丸山 茂会員の手品
  ◆第2 部 弦楽四重奏 シニア・アンサンブル・ワグネル
   【クラシック】
    ・ゴセック    :ガボット
    ・レスピーギ   :「 リュートのための古風な舞曲とアリア」より、イタリアーナ
    ・モーツアルト  :弦楽四重奏曲第4番K157第1楽章
    ・ドボルザーク  :新世界交響曲第2楽章より
   【ポピュラー】
    ・ジョプリン   :ジ・エンタテイナー
    ・ジーツィンスキー:ウィーンわが夢の街
    ・モノー     : 愛の賛歌
    ・ヤコブ・ゲーゼ : タンゴ・ジェラシー
   【日本の歌】
    ・中田喜直    :夏の思い出
    ・中田喜直    :ちいさい秋みつけた
    ・井上陽水・平井夏美:少年時代
    ・中村八大    :上を向いて歩こう
  ◆若き血斉唱  ピアノ伴奏 川端友紀子

第131回Oh!Enkaの会概要
最初に塩井世話役代表から挨拶があり、3年8カ月ぶりにOh!Enkaの会を再開できたことの喜びと、
当面はミニコンサートと講演会を中心とした開催となるが、以前にも増して楽しいOh!Enkaの会
にしていきたいとの強い思いが述べられました。
次いで、ゲスト演奏者の川端友妃子様のピアノ伴奏で塾歌を斉唱しました。本来であれば塾歌の他
に何曲かカレッジソングを歌うのですが、もう少し時間がかかるかもしれません。

第1部は川端友紀子様によるピアノ演奏です。ドビュッシー、ショパン、リスト等のロマン派の作曲
家のピアノ曲と中田喜直の曲をについて、曲の生まれた背景やエピソードなど興味深いお話も交え
て演奏していただきました。
最初にお母様の川端博美様との4手連弾でフォーレの子守歌の演奏が始まりました。この曲は、フ
ォーレの友人の娘(後年のドビュッシー夫人)の娘のドリーの誕生祝に書かれたものです。ドビュッ
シーは、本当は歌曲を書きたかったのですが、生活のためにピアノ曲を書いていたそうです。
川端様よりルノアールの絵の紹介がありましたが、ドビュッシーは親交のあった富豪の2人の娘に
曲を書き、同じ富豪と親交のあったルノアールは姉妹の絵(オランジェリー美術館に展示)を描いて
います。
ショパンは初めてピアノレッスンで生計を立てることを確立しましたが、当時のショパンのレッス
ン料は現在とほぼ同じで、1時間2万円、出張レッスン料は3万円(交通費別)だったそうです。また
ショパンは流行に敏感で、作曲家として初めて写真を撮影しています。ショパンのワルツ第6番は
「子犬のワルツ」として知られていますが、ワルツ第4番「華麗なる大円舞曲」は別名「子猫のワ
ルツ」とも呼ばれています。
ブラームスはお金には執着がなく、財産管理は出版社に任せていたそうです。間奏曲作品117-1は
ブラームス晩年(59歳)の作品で、ブラームスの孤独な内面を映し出した作品となっています。
献呈(君に捧ぐ)はシューマンが歌曲として作曲した作品をリストがピアノ曲として編曲したもので
す。当時のリストは超絶技巧を駆使した演奏が大人気で、演奏料も高かったそうですが、晩年は得
た財産で慈善活動にも励んでいました。ちなみにピアノリサイタルはリストが確立したと言われて
います。
第1部の最後には、再び川端様のお母様との4手連弾で中田喜直の「日本の四季」より「初秋から
秋へ」と、「五月晴れと富士山」を演奏していただきました。連弾ならではの迫力と立体的で深
みのある演奏で会場が一層華やかなものになりました。

休憩の後、アトラクションとして丸山茂会員の手品が披露されましたが、玄人はだしのあ
ざやかな手さばきと軽妙なトークに会場は大いに盛り上がりました。

第2部はシニア・アンサンブル・ワグネル(SEW)による弦楽四重奏(カルテット)です。代表の金澤
様と伊東克会員がゼミのご友人であることがきっかけとなって、2020年2月にはOh!Enkaの会で
のコンサートが検討されましたが、コロナ禍によって見合わせられ、この度3年越しで実現の運び
となりました。カルテットメンバーは全員ワグネル・ソサィエティ・オーケストラ(ワグネル・オ
ケ)出身で、2017年にワグネル・オケOBによって設立されたシニア・アンサンブル・ワグネル
(代表:金澤洋様)に所属されています。合奏の原点と言われる弦楽四重奏を心ゆくまで堪能するこ
とができました。
【クラシック】
最初の曲はベルギー出身の作曲家ゴセックの「ガボット」です。ガボットはフランスのフォーク
ダンスとそれに由来する古典舞曲であり、バイオリンの習い始めには必ず弾く曲だそうです。
次いでローマ三部作(ローマの噴水・松・祭り)で有名なイタリアの作曲家レスピーギがリュート(撥
弦楽器)のための曲を弦楽四重奏用に編曲した「イタリアーナ」と、モーツァルトの初期の頃の作品
で、ミラノ滞在中に作曲されたと言われる「弦楽四重奏曲第4番K157第1楽章」が演奏されました。
クラシックの最後はドボルザークの「新世界交響曲第2楽章」です。ドボルザークがアメリカから故
郷のボヘミヤの自然を懐かしく想う気持ちが伝わってきます。
【ポピュラー】
最初は、アメリカの作曲家ジョブリンの「ジ・エンタテイナー」です。この曲はアフリカ系アメリ
カ人によって酒場などで演奏されていたラグタイム曲であり、1973年のアカデミー賞受賞映画「ス
ティング」のテーマとして使用されたことで注目されました。
2曲目はオーストリアの作曲家ジーツィンスキーの「ウィーンわが夢の町」です。ウィーンへの思
いをノスタルジックな賛美を込めて作曲されました。ウィーン市民にも愛され、多くの歌手によっ
て歌われています。
3曲目はフランスのモノ―によって作曲された「愛の讃歌」です。フランスのシャンソン歌手エデ
ィット・ピアフによって歌われ、シャンソンを代表する名曲として世界中で親しまれています。
ポピュラーの最後の曲はデンマークの作曲家ヤコブ・ゲーゼによる「タンゴ・ジェラシー」です。
情熱的なアルゼンチンタンゴとは異なり、コンチネンタルタンゴのロマンティックで哀愁を帯びた
響きが特徴です。
【日本の歌】
偶然にも川端友妃子様のピアノ演奏曲の作曲者と重なりましたが、1曲目と2曲目は中田喜直作曲の
「夏の思い出」と「小さい秋見つけた」です。中田喜直は東京生まれで、フェリス女学院短期音楽
大学で30年余り教鞭をとられていました。
3曲目は井上陽水・平井夏美共作の「少年時代」です。某TV番組で、大人も子供も好きな歌No1に選
ばれたそうです。
最後の日本の歌は、永六輔作詞・中村八大作曲、坂本九が歌って大ヒットした「上を向いて歩こう」
です。全米でも大ヒットし、その歌詞から日系人にとっても心の支えとなった曲となりました。
【アンコール】
アンコール曲としてモーツァルトの楽曲の中でも有名な曲の一つである「アイネ・クライネ・ナハ
トムジーク」が演奏されました。

最後に、川端友妃子様のピアノ伴奏、井上会員のリードによって「若き血」が斉唱され、お開きとな
りました。

当日のスナップ写真は  ここをクリック”  でご覧いただけます。(斎藤 信雄会員、久保田 宏会員撮影)

演奏者プロフィール
【川端友紀子】
 桐朋女子高等学校音楽科、慶應義塾大学環境情報学部卒業。パリ・エコールノルマル音楽院高等演奏
 ディプロムを取得し第2課程(修士課程)修了、及び室内楽クラスを審査員満場一致で修了。(財)野村国
 際文化財団、Zygmunt Zaleski Stichting財団奨学生。
 7歳で東京ニューシティ管弦楽団とモーツァルトのピアノコンチェルト第8番リュツォウを共演。
 PTNAピアノコンペティション全国大会銅賞、全日空賞受賞。全日本学生音楽コンクール東京大会本
 選入選。マイエンヌ国際ピアノコンクールファイナリスト(フランス)。ワルシャワ音楽院セミナー、
 クールシュヴェル夏期国際音楽アカデミー、クレフェルト国際ピアノマスタークラス、ニース国際音
 楽アカデミー等に参加。フランス、ドイツ、日本でのソロリサイタルをはじめ、マコン夏の音楽祭、
 丸の内トラストシティ・ランチタイムコンサート等、各地のコンサートに出演。ソロのほか、室内楽、
 オーケストラ、声楽伴奏ピアニストとしても活動している。
 桐朋学園大学特別招聘講師。同大学音楽学部附属子供のための音楽教室お茶の水教室講師。日本ピ
 アノ教育連盟会員。立川三田会会員。

【川端博美】
 1974年早稲田大学法学部卒業。立川稲門会会員。

【シニア・アンサンブル・ワグネル(SEW) カルテットメンバー】
Violin 金澤 洋1964年 経済学部卒
 
1973年 第一勧銀管弦楽団を設立。
 2001年 みずほ銀行誕生とともにみずほフィルハーモニーが新発足、入団。
 2017年 シニア・アンサンブル・ワグネル(SEW)が新発足、入団。
 2018年 SEW代表に就任、現在に至る。
Violin 金子直子1973年 文学部英米文学科卒
 
1969年大学の入学式でワグネルソサエティオーケストラを聴いて、入団。
 卒業から16年のブランクの後、ワグネルOBオーケストラに入団。
 2018年 シニア・アンサンブル・ワグネル(SEW)に入団。
Viola   関  憲吾1970年経済学部卒
 
7歳〜20歳までバイオリンを習い、塾高ワグネルでビオラに出会う。
 社会人になってからは弦楽四重奏等を中心に室内楽を楽しむ。
 2019年 仕事をリタイア後シニア・アンサンブル・ワグネル(SEW)に入団。
Cello  河元 哲史 1978年経済学部卒。
 
1978年主要大学オーケストラメンバーと弦楽合奏団アンサンブルフランを設立。
 1995年 日立製作所京浜地区の社員を中心に日立フィルハーモニー管弦楽団を設立。現在に至る。
 2022年シニア・アンサンブル・ワグネル(SEW)に入団。

Oh!Enkaの会 世話役代表:塩井勝也(S41法)
世話役:斎藤信雄(S38政)、髙橋伸一(S45法)、久保田宏(S46工)、芳賀 崇(S47経)、
平林正明(S47経)、山田 健(S47経)、池田敏夫(S47商)、井上 徹(S49政)、塚原正典(S54文)

次回(第132回Oh!Enkaの会)の予定
1.日時:2023年12月17日(日)
2.会場:本多公民館 視聴覚室、又は光公民館ホール
3.プログラム
  ・講演会   : 柳澤寿男様(コソボフィルハーモニー交響楽団首席指揮者)
  ・ピアノ演奏 : 吉村美華子様
                                           以上