考古学から見える日本の歴史
―公の系譜を探るー
第93回講演会が、10月3日(土)国立のエソラホールにおいて出席者35名で開催されました。講師は歴史をひもとく会の会員である塚原正典さんです。本講演会は、当初3月に開催する予定で準備を進めていたものが、コロナ禍の影響で7月に延期になり、さらに延期されて、ようやく開催できたものです。新年度の最初の講演として開催しました。
今回は、公民館ではなくエソラホールで開催したのは、公民館ではコロナ感染対策のため入場可能人数が限定されるため、比較的換気も可能で、収容人数がある程度見込めるエソラホールにて開催することとしたものです。
塚原正典氏は神戸市生まれ。
昭和54年文学部卒、58年院卒(考古学専攻)後、
湘南藤沢中学高校の教師を務める。
著書に「なすな原遺跡1984」「配石遺構」等。
< 講演内容 >
講演は、まず最古の前方後円墳といわれる箸墓古墳の話からはいりました。一説には卑弥呼の墓ともいわれる古墳でもあります。文献資料や写真などを織り込み3世紀からの時代を追っての話に、皆さん食い入るように聴き入っていました。途中換気のため10分程度の休憩をはさみ、予定の12時に講演を終了しまた。
[ 講演内容の概要 ]
日本という国の原型ができたのは、3世紀後半から6世紀の古墳時代と言われています。当時、国造りに最も重要だったのは鉄でしたが、当時、国内で製鉄はできませんでした。そこで、朝鮮半島南部でつくられる鉄の入手が国造りにとって最優先課題でした。この鉄を手に入れるために、小さなクニの集合体だった日本(当時の倭)は巨大な同盟を結成する道を選んだのです。そこに日本の公の起源があるのですが、講演ではその過程をできるだけ詳しくお話しさせて頂きました。
―――本講演の講演録を、講師の塚原さんご自身にまとめて頂きましたので、会員専用頁の「分科会-歴史をひもとく会」欄に掲載しました。講演詳細はこちらを参照ください。――