【Y】第36回The Young Salonの会を開催しました

12月14日(土)都立多摩図書館にて49名の参加の下、第36回The Young Salonを開催しました。
講師として慶應義塾大学総合政策学部教授柳町功氏をお迎えし、「今日の韓国と日韓関係」をテーマにお話し頂きました。柳町功氏は1984年慶應義塾大学を卒業、1990年に同大学大学院博士課程単位取得、在学中に韓国の延世大学に2年間留学、その後名古屋商科大学助教授・慶應義塾大学総合政策学部助教授を経て同教授に就任、その間2008年に慶應義塾大学より博士号を取得、UCLA訪問研究員・延世大学客員教授・アジア経営学会常任理事等を歴任、更に、現代韓国論、東アジア経営史・財閥史を専門分野とし、数多くの著作を上梓されています。
尚、引き続き行われた懇親会には講師を含め20名が参加し、和気藹々の楽しい会となりました。
講演のレジュメは以下の通りです。

第36回ヤングサロン講演会

2019年12月14日

今日の韓国と日韓関係

慶應義塾大学 柳町 功

<自己紹介>

  1. はじめに
    ・「今日の韓国(国内)問題」と「対日本問題」との根底に流れる理念とは?
    ・文在寅政権としての特徴、それ以前の政権との共通点とは?
    ・キーワードとしての「積弊清算」と「建国史観」
  2. 歴代政権の政治理念
    ・最高権力者列伝:李承晩、尹潽善、張勉、朴正熙、全斗煥、盧泰愚、  金泳三、金大中、盧武鉉、李明博、朴槿恵、文在寅
    ・1987年「民主化宣言」とその後の政治的、経済的変化
    ・大韓民国憲法にみられる理念(1987改正)
    「悠久な歴史と伝統に輝く我々大韓国民は、31運動で建立された大韓民国臨時政府の法統と、不義に抗拒した419民主理念を継承し、・・・」
  3. 文在寅政権の政治理念(建国史観)
    ・大韓帝国・日韓併合(1910)、独立宣言・三一運動(1919)、  大韓民国臨時政府(上海)、解放(1945)、政府樹立(1948)、
    =建国史観(光復説演説 8.15)<2017/2018/2019>
    =「大韓民国」建国は1919か、1948か
    →米軍政期(1945-48)の否定?
    ・韓国と日本の視角差異、理念と現実
    韓国:植民地時代「日帝時代」(1910~45)を重視
    日本:国交回復後(1965~)を重視
    ・理念対立・・・進歩と保守、理念と現実、対財閥・・・バッシングと接近
    ・「歴史の立て直し」(金泳三)「5.18特別法」による全斗煥・盧泰愚の 逮捕(→起訴、死刑・無期判決→大統領特赦)
    大統領=遡及法も、特赦も
    ・政権の主要人物(進歩勢力・・・反体制、反財閥、・・・)
    ・任鍾晳(イム・ジョンソク)=青瓦台・大統領秘書室長(前)。
    林秀卿(イム・スギョン)秘密訪朝事件を主導、逮捕・服役→左翼政治家。
    ・曺国(チョ・グク)=青瓦台・民情首席秘書官、法務部長官(前)。
    ソウル大教授。
    ・張夏成(チャン・ハソン)=青瓦台・政策室長(前)。高麗大教授。
    経済改革連帯、反サムスン。
    ・金尚祚(キム・サンジョ)=公正去来委員会委員長→政策室長(現)。
    漢城大教授。経済改革連帯、反サムスン。
  4. 2018年10月・11月の徴用工判決
    ・司法=大法院(最高裁)の判断(2012)
    「個人請求権は消滅していない」
    ・・・ 個人の損害賠償請求権は、日本の植民地統治が「不法」であり、
    日本企業による「徴用」がこれに直結していたため。
    ・日韓基本条約(1965)への視角差 ・・・
    日本=合法、韓国=不法・無効
    ・文在寅政権になっての判決(2018年10月・11月)
    →「建国史観の外交への遡及的持ち込み」(倉田秀也)
    =「歴史の読み替え」
  5. 司法の影響力強化 →「積弊清算」
    ・司法 →国内政治(曺国問題) ・・・青瓦台・政府「検察改革」 VS 検察   →外交(対日)
    →財閥(崔順実ゲートに、サムスン経営権継承)
    ・検察総長・尹錫悦(58、ユン・ソクヨル) ・・・1987民主化宣言時 (20代)=現在の50代
    崔順実ゲート特別検察官のチーム長、ソウル中央地検検事正
    李明博元大統領の逮捕・起訴(=収賄容疑)
    梁承泰(ヤン・スンテ)前大法院長の逮捕・起訴(=朴槿恵前政権の徴用工 問題介入疑惑)
  6. まとめ
    ・「日本の植民地統治は不法」とする建国史観 → 戦後日韓関係の歪み
    ・新旧両面を持つ「積弊清算」と「建国史観」
    ・理念と現実のズレ
    ・世論(民心)、言論の存在
    ・(グローバル)市場の存在

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