【Y】ヤングサロンの会第21回を開催しました

【テーマ:インドと日本(経済)】

 10月1日(土)、The Young Salonの第21回講演会を、拓殖大学教授の小島眞博士を講師にお迎えし、「インド経済と日本」というテーマで開催しました。会場は32人の参加者で熱気に包まれ、満員御礼の状況にありました。記憶に残る講演内容の一端を下記の通り紹介します。

  1. インド経済の特徴
    モディ政権下のインドは「強いインド」を進め、グローバル化への対応にも積極的で2015年には中国を上回る7.6%のGDPを記録した。今後高レベルの経済成長の実現が展望できる。
  2. インドvs中国
    19世紀の初め頃まではインド・中国が世界の中で圧倒的な経済規模を誇っていたが、その後欧米に追い越され、そしてまた21世紀に中国がグローバル・プレーヤーとして、次いでインドが加わって行く歴史の大きなうねりが予想されている。中国は共産党一党支配の下で「世界工場」として躍進、インドは民主主義の体制を堅持し、サービス主導型の成長を示してきた違いがある。両国間で懸念事項はあるが、ここ10数年経済関係は拡大し、現在中国はインド最大の貿易相手国である。
  3. カースト制度の経済発展への影響
    都市化や工業化が進行する中で、カースト制度の影響力は薄まってきているが、依然として社会全般のあり方を大きく規定している。
  4. インドの財閥系企業
    老舗のタタ財閥は数ある有力財閥の中でも異彩を放つ存在であり、グローバル事業の拡大や企業の社会的責任(CSR)の面でも際だっている。
  5. 日本企業の対印進出状況
    インドはわが国の投資先として強い期待がある。他方インフラが未整備である事や、法制面、徴税システム面等で投資環境が厳しい状況にある事は否めない。
  6. 日印関係拡大への期待と課題
    日印関係は経済面のみならず、安全保障も含めた戦略パートナーシップの関係に進展しており、両国首脳が1年おきに相手国を訪問し合う関係国はわが国にとってインドのみである。 またインドはわが国の最大のODA供与先である。「インフラ整備や製造業振興の面で課題を抱えるインド」と、「少子高齢化の問題を抱えるわが国にとり、インドは生産拠点とマーケットの提供」という経済補完性の面からも重要な相手国と言える。

講演会終了後は居酒屋で懇親会を行いましたが、19人の多くの参加者があり、大いに盛り上がり楽しい一日となりました。