【Y】The Young Salon第19回講演会ご報告

【テーマ:宇宙の話(2)】

 5月14日(土)、昨年に続き再び平林久先生を講師にお迎えし、宇宙の講演会を開催しました。宇宙の神秘に興味を抱く29名の多くの皆様に出席頂きました。
宇宙はどの様に始まったのか、どこまで広がっているのか、これからどうなっていくのか!
講師は野辺山の宇宙電波観測所には6年間勤められ宇宙研究に携わってこられました。
宇宙観測に使う大型の電波望遠鏡はその角度により鏡面が変形するだろう事は想像できますが、その変形を補正して45mもの大口径の鏡面精度を1mmの何分の1以下に保つというご説明に技術水準の高さにまず驚かされました。
講師が宇宙科学研究所で科学リーダーとして直接携わったVSOPプロジェクトは日本が大きな国際協力網を組織し、中心となって世界多数の観測局の大規模な協力の下、技術的・科学的な成果を上げたプロジェクトでした。電波天文衛星「はるか」と地球上のアンテナ群を組み合わせ、地球の大きさを遥かに凌ぐ巨大な3万kmの「瞳」を作り上げ、宇宙銀河の複雑な構造が解明されました。(本プロジェクトは国際的にも高い評価を受け国際チーム栄誉賞を頂いたと著書に記されています)。
M87銀河が噴出するジェットが1万光年のかなたに広がりを持つ映像、超微細な粒子1個が一瞬でやかんの水を沸騰させるという話ではとてつもないエネルギーを持った宇宙の凄さの一端を知る事ができました。
宇宙で物体の重さが時間と空間(時空)にゆがみを作り、物体が動くとゆがみが光速でさざ波のように伝わる。これが重力波の正体と考えられていますが、伝播する様子を電磁波と対比させた指動作を交えた講師解説により少なからず宇宙への臨場感を味わう事ができました。
13億年前、巨大な二つの暗黒物体が光に近いスピードで高速回転し合いながら合体する凄まじい現象、そこから重力波が宇宙空間に放たれ、光速で何億年も突き進み、地球を通過して遥か彼方に飛び去る光景を思い浮かべると、壮大な宇宙、無限に広がる宇宙が感じられます。
人間同士、争いが無ければ将来どこまで科学が進歩するのか・・・・・・。SFでしかなかった宇宙旅行も決して夢ではない気が致します。懇親会の席も昨年同様、大いに盛り上がりました。